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【フランチャイズ本部が担う7つの役割】構築するメリットやフランチャイズ化に必要な条件もご紹介
コンビニ・ファミリーレストラン・ファーストフード・ジムなど、最近では多くの業種のフランチャイズが存在しています。経営リスクの分散や収益増加のために、フランチャイズ本部の立ち上げを検討している方も多いです。
しかし、フランチャイズ本部の具体的な役割やフランチャイズ化に必要な条件を知らない方も多いでしょう。
そこで今回は、フランチャイズ本部が担う7つの役割やフランチャイズ化に必要な条件を紹介します。フランチャイズの市場規模や本部を構築するメリットも紹介するので、
フランチャイズ化に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
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<目次>
フランチャイズとは
フランチャイズとは、加盟店が加盟金やロイヤリティを支払うことで、フランチャイズ本部が保有する商標の使用権・商品・サービスの販売権・経営サポートを得られるシステムです。
加盟店は本部が培ってきた経営ノウハウを活用できるため、個人でゼロから起業するよりもリスクを減らして開業することができます。
フランチャイズ本部はブランドの認知を拡大できる上に、ロイヤリティにより収益を増やすことが可能です。
フランチャイズ本部は儲かる?フランチャイズの市場規模
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の「JFAフランチャイズチェーン統計調査」によると、2022年度における日本国内のフランチャイズチェーンの売上高は26兆9879億円です。チェーン数・店舗数は前年と比べて減少していますが、売上高は増加しています。
チェーン | 店舗数 | 売上高(百万円) | ||||||
チェーン数 | 増減 | 店舗数 | 増減 | 前年比 | 売上高 | 増減 | 前年比 | |
総計 | 1,282 | -4 | 249,316 | -972 | 99.6% | 26,987,973 | 1,107,070 | 104.3% |
小売業 | 305 | -8 | 106,451 | 701 | 100.7% | 20,058,975 | 805,857 | 104.2% |
コンビニ | 16 | 0 | 57,451 | -93 | 99.8% | 11,516,996 | 407,470 | 103.7% |
外食業 | 545 | -2 | 50,982 | -895 | 98.3% | 3,985,151 | 273,445 | 107.4% |
サービス業 | 432 | 6 | 91,883 | -778 | 99.2% | 2,943,847 | 27,768 | 101.0% |
引用:一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会「JFAフランチャイズチェーン統計調査」
コロナ渦から脱却し、売上高も多くの業界で増えていることが上記の表から分かります。フランチャイズ本部は収益性の向上が期待できるでしょう。
フランチャイズ本部の収益は、基本的に加盟店の売上高の増減に比例します。そのため、本部が儲けるためには加盟店の利益を上げるためのノウハウを作り込むことが重要です。
フランチャイズ展開で主要な業種
フランチャイズ展開で主要な業種は下記の5つです。
- 小売業
- 飲食業
- サービス業
- 教育業
- フィットネス業界
どの業界も全国でフランチャイズ展開が進んでおり、有名な企業がいくつかあります。それぞれの業界について細かく見ていきましょう。
小売業
小売業では「コンビニ」「買取店」などが代表的です。特にフランチャイズといえばコンビニが有名で、全国各地に店舗があります。同じブランドのコンビニがすぐ近くにあるのを見たことがある方も多いでしょう。
コンビニは本部で確立された優秀なビジネスモデルがあり、フランチャイズ化が成功している良い例です。具体的な店舗名を紹介します。
- セブンイレブン
- ローソン
- ファミリーマート
飲食業
飲食業のフランチャイズといえば、「カフェ」「ファーストフード」「居酒屋」などです。こちらも全国展開されている店舗が豊富にあり、多くのニーズがあることがわかります。
安定した味・サービスの提供が顧客に受け入れられやすいので、他の地域でも成功する可能性が高い業種であるといえるでしょう。具体的な店舗名は下記の通りです。
- ドトール
- マクドナルド
- ケンタッキー
- 牛角
- 餃子の王将
サービス業
サービス業界は、「ハウスクリーニング」「介護」「ホテル」「不動産屋」などがあります。例えば全国展開されているホテルでは、基本的な部分は同じでもそれぞれの地方での強みを生かしたサービスを提供している点が特長的です。外国人からの需要も期待できるでしょう。
また、少子高齢化が進んでいる日本では、介護の分野の需要が高まることも予想されます。具体的な店舗名は下記の通りです。
- おそうじ本舗
- アパホテル
- アパマンショップ
- 茶話本舗
- センチュリー21
教育業
教育業では「学習塾」「英会話教室」「パソコン教室」などがあります。少人数で運営できる上に、自宅・マンションの一室でも開業できるため、人件費や開業資金を抑えられるのがメリットです。
加盟店は本部の作成したマニュアルに沿って運営しますが、他の分野に比べて専門性を要する業界です。
下記のような店舗があります。
- ECC
- NOVA
- KUMON
- ベビーパーク
フィットネス業界
フィットネス業界といえば、「ジム」「フィットネスクラブ」「ゴルフ教室」「テニス教室」などです。健康志向の高まりから需要が増加しており、今後も期待できる業界であるといえるでしょう。
具体的な店舗名は下記の通りです。
- ファディー
- エニタイム
- ゴールドジム
- ECOFIT24
フランチャイズ本部を構築するメリット
自社の店舗を増やしたい場合、直営で展開する他に効果的なのがフランチャイズ化する方法です。今後の会社の方向性を悩んでいる方へ、フランチャイズ本部を構築するメリットについて説明します。
- 他者資本を活用して店舗展開を急拡大できる
- 加盟金とロイヤリティで収益が増える
- ブランド認知拡大を急速に進められる
上記の3つのメリットは、フランチャイズ展開だからこそ得られることです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
他者資本を活用して店舗展開を急拡大できる
直営店のみで店舗を増やす場合の出店コストは莫大です。店舗の建設費・内装工事費・土地代・保証金など、開業時にかかる費用はたくさんあります。まとまった資金が必要となるため、店舗を増やすにはある程度の時間が必要です。
フランチャイズ展開の場合、加盟店の資本を活用するので、直営店よりも店舗展開を急拡大できます。
加盟金とロイヤリティで収益が増える
フランチャイズ本部は、できあがった経営ノウハウを教える代わりに、加盟金と毎月のロイヤリティを受け取ることができます。それが本部の主な収益です。
この仕組みにより、加盟店の収益が増えると本部の利益も増加していきます。
ブランド認知拡大を急速に進められる
加盟店はフランチャイズ本部の看板を利用して営業するため、いろいろな地域で加盟店が増えるほどブランドの認知は広がります。
直営店のみでの運営では資金面でも負担は大きく、ある程度の時間が必要です。その点、フランチャイズのシステムを利用すれば、ブランドの認知拡大を急速に進められるでしょう。
フランチャイズ本部が担う7つの役割
次に、フランチャイズ本部に求められる役割について見ていきましょう。フランチャイズ本部が担う役割は主に次の7つです。
- 商品・サービスの改良
- 加盟店の教育・指導
- 加盟店の経営サポート・スーパーバイジンング
- 情報共有のシステムを整える
- 原材料や資材などの安定した供給
- マーケティング
- 加盟店の開発
それぞれの役割について詳しく解説します。
①商品・サービスの改良
どのような社会情勢の中でも収益が見込めるように、常に商品・サービスの改良をすることが本部には求められます。
加盟店にしっかりと利益を出させることが本部の大きな役割です。顧客のニーズを掴んだ商品・サービスを提供し続けて、加盟店が安心して営業できることが本部の利益の安定にもつながります。
②加盟店の教育・指導
加盟店へ経営ノウハウを教えることもフランチャイズ本部の重要な役割です。加盟店が困ることなく運営を続けていくために、基本的なマニュアルを完備して教育・指導をします。
マニュアルに関しても、常に改良する点がないか研究が必要です。現状に満足せず経営ノウハウについて勉強を続ける姿勢が、長期間に渡って経営を続けられる秘訣といえるでしょう。
③加盟店の経営サポート・スーパーバイジンング
フランチャイズ本部は、加盟店が店舗をオープンした後も継続的な経営サポート・スーパーバイジングを行います。
スーパーバイジングとは、加盟店が本部のノウハウに従って経営しているかどうかをチェックすることです。定期的に店舗を訪れて現状を把握し、マニュアルから逸れていれば修正・問題点の改善をします。
加盟者にとっては、定期的なスーパーバイジングがあることで、運営状況を見直しながら安定した営業を進められます。
④情報共有のシステムを整える
店舗を運営していく上で、在庫の管理・販売履歴などを正確に把握することは必要不可欠です。いつ・どのくらい商品が売れたのか把握することは売上分析につながります。
このような管理・情報共有ができるITシステムは、店舗運営にプラスの効果を与えるので導入するフランチャイズ本部が多いです。加盟店が独自で管理するのではなく、本部とも共有できるシステムがあれば指導の際にも役立つでしょう。
⑤原材料や資材などの安定した供給
日々の営業で必要な原材料や資材を不足なく供給することも本部の大切な役割の1つです。
加盟店にとって、必要な物資が届かなかったり破損があったりすることは運営に大きな影響が出ます。ブランドイメージを守るためにも、安定した供給が間違いなくできる体制を本部は作っておくことが必要です。
⑥マーケティング
加盟店が順調に収益を得られるようにマーケティングも欠かせません。店舗の外装・内装・立地・営業時間・商品開発・市場調査・販売促進など、ブランドが顧客に受け入れられるための仕組みを絶えず考える必要があります。
効果的なマーケティングができると、加盟店も安心して事業に取り組んでいけるので、結果的に事業の安定につながるでしょう。
⑦加盟店の開発
フランチャイズ本部にとって、ビジネスパートナーとなる加盟店を増やすことは、事業継続のためにもっとも重要なポイントです。加盟店開発では、加盟店の募集・事業説明会・加盟検討者との面談・モデル店視察・事業計画の立案・加盟契約の締結までのプロセスを行います。
加盟店の募集は単に自社HPで呼びかけるだけでなく、展示会への出展・マッチングサイトへの掲載など様々な方法で営業が可能です。
フランチャイズ本部はアウトソーシングを活用することもある
フランチャイズ本部では、業務の一部にアウトソーシングを活用することもあります。
すべての業務を社内でこなしていくためには、会社の規模が大きくなるほど従業員の数も必要です。常に多くの従業員を抱えているよりも、専門の会社にアウトソーシングする方が効率が良いケースも少なくありません。加盟店募集・ITシステム化などは、外部の会社へ委託する企業も増えています。
気を付けなければいけないのは、すべてを外部に丸投げしないことです。重要な業務に関しては、企業の実績を積み上げるためにもアウトソーシングはおすすめできません。
例えば、加盟店の教育・指導や経営サポート・スーパーバイジンングは自社で行うことをおすすめします。
フランチャイズ展開に必要な条件
最後に、フランチャイズ展開に必要な条件について紹介します。
- ビジネスモデルの確立
- フランチャイズ本部としての機能の充実
- ビジネスとしての将来性
フランチャイズ展開をするために満たすべき条件を把握して、事業拡大の準備をしましょう。
ビジネスモデルの確立
ビジネスモデルが確立していることが1つ目の条件です。顧客のニーズの変化が激しい昨今では、準備に時間をかけすぎると市場に乗り遅れてしまうケースがあります。スピーディーにフランチャイズ展開できるように、ビジネスモデルを確立しておきましょう。
また、利益が出る仕組みを確立することで、加盟店は安心してマニュアルを信じて営業できます。「他社と比較しても負けない商品・サービスを持っているのか」、「経営ノウハウの信憑性があるか」などが大事なポイントになるでしょう。
フランチャイズ本部としての機能の充実
フランチャイズ本部としての機能が充実していることも条件の1つといえます。経営マニュアル・ITシステム・店舗サポートなどの本部の機能を充実させることで、加盟店を成功へ導くことが可能です。
また、支援が手厚いほど加盟する側から魅力的に見えるので、数あるフランチャイズ本部の中から選ばれやすくもなるでしょう。
ビジネスとしての将来性
ビジネスとしての将来性があることもフランチャイズ展開に必要な条件です。
本部が収益を上げるためには加盟店を増やしていく必要がありますが、どの業界でも良いわけではありません。将来性がなければ加盟検討者に選ばれることはないでしょう。
加盟したいと思う人・企業を集めるためにも、将来的に伸びる希望のある業種でなければいけません。
まとめ
今回の記事では、フランチャイズ本部が担う役割やフランチャイズ展開に必要な条件などについて解説しました。
フランチャイズ本部として大きな収益を得るためには、まず加盟店が儲からなければいけません。本部が担うべき役割をしっかりと満たし、加盟店が利益を上げられるようにサポートしましょう。
また、フランチャイズ化を成功させるためには、ビジネスとしての将来性が必要な上に、加盟検討者から選ばれるフランチャイズ本部になる必要があります。
本記事を参考に、選ばれるフランチャイズ本部を作り、加盟店を成功へ導けるように準備を進めてください。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。