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【無人ジムを経営するメリットとは?】注意すべきポイントや必要なシステムもご紹介
非対面・非接触で利用できることから、需要が高まっている24時間営業の無人ジム。人件費削減によりランニングコストを抑えた経営が可能なことから、無人ジムの開業を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし経営を成功させるためには、有人ジムとの違いを把握することが大切です。
この記事では無人ジム経営における注意すべきポイントや必要なシステムについて紹介します。無人ジムを経営するメリットや、成功させるためのコツについても解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
無人ジムとは
無人ジムとは、スタッフを常駐せずに運営するジムのこと。従来のフィットネスジムと異なり、入室から退室まで自動化されているため、スタッフの省人化・24時間営業が可能なのが大きな特徴です。
深夜・早朝の時間帯でも利用できるため、忙しくジムに通う時間がないという方でも無理なく通えるのが魅力といえます。トレーニングに必要な機器・設備も整っており、基本的なものから高機能なものまでさまざまなトレーニングマシンが導入されているのもポイント。利用者は自分で考えたメニューで自由にトレーニングできます。
また無人ジムでは会員登録から解約までオンラインでの手続きが可能。その利便性の高さから、利用客に人気のフィットネスジムです。
ジム無人化の需要が高まっている理由
これまでのフィットネス業界では、プールやスタジオなどの設備が整った総合型ジムが主流でしたが、近年、24時間営業の無人ジムの需要が高まっています。
その理由には、新型コロナウィルスの影響で、非対面・非接触へのニーズが高まったことがあげられます。また自分の生活スタイルに合わせ、好きな時間に気軽にジムを利用したいというニーズに応えられるのも、ジムの無人化の需要が高まった要因のひとつといえるでしょう。
また健康意識が高まり、トレーニングしている様子をInstagramやYouTubeなどのSNSへ投稿する人が増えています。人目を気にせず撮影できる環境なのも要因と考えられるでしょう。
24時間営業の無人ジム市場の現状
24時間営業の無人ジムは株式会社Fast Fitness Japanが経営するエニタイムフィットネスを筆頭に急速に増加しています。
2022年、全国に100店舗以上のパーソナルジムを展開する業界大手のライザップは24時間365日営業のセルフジム・チョコザップをオープン。総合型フィットネスジムでも営業時間を24時間化する動きが見られており、今後も24時間営業の無人ジム市場は拡大していくものと予測できるでしょう。
24時間営業の無人ジムを経営する2つのメリット
この章では24時間営業の無人ジムを経営する2つのメリットを紹介します。内容は以下の通りです。
- メリット①:人件費を抑えられる
- メリット②:幅広い顧客層を獲得しやすい
無人ジムの経営が果たして上手くいくのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。その疑問を解消するためにも、24時間営業の無人ジムのメリット・他業種との違いを把握しましょう。
メリット①:人件費を抑えられる
無人ジムを経営するメリットのひとつには、人件費のコストを抑えられることがあげられます。一般的なフィットネスジムを経営するにあたり、もっともランニングコストがかかるのが受付や専門トレーナーなどの人件費です。
無人ジムでは入退館システムやセキュリティシステムの導入により、スタッフの省人化が可能。人件費を削減しランニングコストを抑えた運営が可能なため、一般的なフィットネスジムよりも利益をあげやすくなります。
メリット②:幅広い顧客層を獲得しやすい
24時間営業の無人ジムは、幅広い顧客層を獲得しやすい経営スタイルなのもメリットです。深夜・早朝でも利用できる24時間ジムは、会社帰りのサラリーマン・日中に時間がある主婦・通学前に運動したい学生など、会員のライフスタイルに合わせることができます。さらに非対面・非接触で利用できるため、コロナ禍の影響により人との接触を減らしたいと考えている方のニーズにも応えられるでしょう。
またランニングコストを抑えた運営が可能な無人ジムは、一般的なジムに比べて会費を安く設定できるのもポイント。学生や若者でも通いやすい金額設定なのも魅力です。
以下の記事では24時間フランチャイズジムの運転資金(ランニングコスト)や開業資金について解説しているので、そちらも併せてご参考ください。
24時間営業の無人ジムを経営する2つのデメリット
この章では24時間営業の無人ジムを経営する2つのデメリットを紹介します。内容は以下の通りです。
- 他社やライバルとの差別化が難しい
- 会費の低価格化が経営困難につながる
失敗を未然に防ぐためにも、メリットだけでなくデメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
デメリット①:他社やライバルとの差別化が難しい
24時間営業の無人ジムは、すでに多くの企業が参入しているため、他社やライバルとの差別化が難しいのがデメリット。トレーニングマシンに特化した店舗・大規模な店舗を展開する大手企業などの参入も増えています。資金力がある企業が競合相手となると、無人化・24時間営業という経営戦略だけでは集客が困難といえます。
例えば、女性に向けたサービスの充実や、質の高いトレーニングを受けられるAI(人工知能)マシンの導入など、会員のニーズに応えられるようなサービス提供が重要です。集客につながるよう、自社ならではの強み・コンセプトを打ち出し、他社との差別化を図りましょう。
デメリット②:会費の低価格化が経営困難につながる
年会費や入会後の月額料金を無料にするキャンペーンなど、集客のための低価格化を行うことは決して珍しくありません。その理由は、ジム経営は会員の年会費や月額料金が主な収益となるため、会員を増やす必要があるからです。
資金力のある大手企業であれば問題ないかもしれませんが、個人経営や規模が小さい会社が会費の低価格化を行うと、その分収益が下がるため、経営困難に陥るリスクが高まります。
24時間営業の無人ジム経営で注意しておくべき3つのポイント
この章では24時間営業の無人ジム経営で注意しておくべき3つのポイントについて解説します。内容は以下の通りです。
- ポイント①:セキュリティ対策
- ポイント②:共連れなどの不正利用
- ポイント③:怪我や顧客トラブルなどにおける安全確保
24時間営業のジム経営を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント①:セキュリティ対策
無人ジムで注意すべきポイントとして重要なのが、セキュリティ対策です。スタッフが常駐しないからこそ、利用客の入退室の管理をしっかり行うのが大切。女性の利用客が安心してトレーニングできるような防犯対策、貴重品の管理、トレーニング機器や備品の盗難対策も必要不可欠です。ここからは代表的な6つのセキュリティ対策を紹介します。内容は以下の通りです。
- ①入退室管理システム
- ②共連れ検出システム
- ③混雑カウントシステム
- ④スマートロック
- ⑤クラウド型監視カメラ
- ⑥ネット予約システム
安心・安全な無人ジムの環境づくりの参考にしてください。
①入退室管理システム
入退室管理システムとは、さまざまな認証技術を利用し、会員の入退室を管理するシステムのこと。会員以外の入出防止・身代わり防止の意味が含まれています。また誰が・いつ・どの出入り口を通過したかの履歴を残せるため、ロッカールームやスタッフルームなど、入退室の記録を残すべき場所への利用も可能です。
厳格に管理できるほか会員が手ぶらでも利用できることから、顔認証や指紋認証などの生体認証が主流です。ほかにも、暗証番号やICカードを組み合わせるシステムもあります。
②共連れ検出システム
共連れ検出システムとは、会員が非会員を連れ込んだり、会員が退室する際に扉が開いているのに乗じて非会員が入室したりする行為を防ぐための検知システムのことです。
カメラと検知システムで出入り口の人の動きを認識。認証を行わずに入室した人物を検知した場合、カメラの内蔵スピーカーから警告を発するなど、リアルタイムでの不正入室防止が可能です。同時に担当者のスマートフォン・PCモニターなどへ通知が届くため、迅速に対応できるメリットもあります。無人ジムの経営においては、積極的に導入すべきシステムといえるでしょう。
③混雑カウントシステム
混雑カウントシステムとは、出入り口や施設内の人の動きをカメラで捉え人数を計測し、ジムの混雑状況を可視化するシステムのこと。会員はWebサイトやアプリから施設の混雑状況を確認できるため、満員で利用できなかったという事態を避けられます。また空いている時間帯に利用したい・効率よくジムを利用したいというニーズにも応えられるでしょう。
運営側としても、混雑によるトラブル防止の面でもメリットがあります。さらに混雑状況をデータ化したものをマーケティングに活用したり、人がたまりやすい場所をモニタリングし店内やトレーニングマシンのレイアウトを変えたりなどの経営戦略にも活用できます。
④スマートロック
スマートロックとは、 Wi-FiやBluetoothなどの無線通信を経由して施錠管理できる鍵認証システムのこと。スマートフォン・ICカード・暗証番号など解錠手段はさまざまで、クラウドやネット上で鍵の発行・削除ができます。入室に必要な物理鍵が不要なため、鍵の紛失防止・利用者への鍵の受け渡しがスムーズなのが魅力です。
アメリカのLockState社が開発し、日本国内では株式会社構造計画研究所が販売するRemoteLOCK(リモートロック)は、PCやスマートフォンを使い、利用者毎に暗証番号やQRコードなどの鍵を遠隔で発行します。入退室管理システムやネット予約システムとの連携も可能で、利用者の予約と同時に自動発行された暗証番号がEメールで送信される機能が特徴です。予約のたびに暗証番号を伝える必要がないため、効率的な店舗運営が可能といえるでしょう。
さらに利用者にとってもメリットがあります。暗証番号のみで開錠できるため、手ぶらで来店できるのがポイントです。さらに面倒な操作も不要なので、機械の操作が苦手な方でも安心して利用できます。
⑤クラウド型監視カメラ
クラウド型監視カメラとは、カメラで撮影した映像をクラウド上に保存できる防犯カメラのこと。一般的な防犯カメラと異なり、インターネット経由でクラウドに保存されるため、ハードディスクなど映像を記録するための機器が不要です。またスマートフォンやタブレットなどのデバイスで映像を確認できるのも大きな特徴です。
ただしインターネット回線の影響を受けるため、回線速度の低下や切断などにより、映像が録画できないケースも考えられます。またクラウドサービスを利用するため、毎月のランニングコストがかかるのがデメリット。録画日数や条件によって利用料金が異なるため、用途にあわせて検討しましょう。
主なクラウド型監視カメラにはSafie(セーフィー)があげられます。Safie(セーフィー)はHD✕最大30fpsと高画質。カメラ本体の初期費用は27,280円〜、月額の利用料金は1,320円〜と、低価格で利用できます。またネットワークが切断された際にSDカードへバックアップできるカメラ機種もあるので、ぜひチェックしてみてください。
⑥ネット予約システム
ネット予約システムとは、24時間365日ネット上で予約受付できるシステムのことで、予約状況をクラウドで一元管理できるのが大きな特徴です。電話・FAXからの予約も簡単に管理できるため、予約の取りこぼし防止・顧客情報の一元管理なども容易になります。
代表的なネット予約システムとしてあげられるのが、累計導入社数15万件以上を誇るSTORESです。予約管理に関する業務を自動化できるのはもちろん、予約枠の管理や予約確認メール・リマインドメールを送信できる点が大きな特徴。さらにLINEやGoogleカレンダーなどの外部ツールとも連携でき、予約受付・管理業務の効率化が可能です。
ポイント②:共連れなどの不正利用
会員が非会員を連れ込み、料金を支払わずに利用してしまう共連れは、無人ジムにありがちなトラブルのひとつ。会員が退室するタイミングを見計らい、部外者が施設内に侵入するすれ違い入室といった不正行為もあります。
スタッフが常駐しない24時間営業の無人ジムでは、先ほど紹介した入退室管理システム・共連れ検出システムなどを活用し、セキュリティをより一層強める必要があります。また会員や部外者による施設内の機器・備品などの盗難リスクもあるため、防犯カメラの設置や警備会社との連携などの防犯対策を行うのも重要といえるでしょう。
ポイント③:怪我や顧客トラブルなどにおける安全確保
会員のトレーニング中での怪我や、会員同士のトラブルなどの緊急事態に備えておくのも重要なポイントです。緊急時に備え、施設内の状況をすぐに確認できる体制を整えておきましょう。会員が安全に利用できるよう、最大限の配慮をはかるのが大切です。
24時間営業の無人ジムの経営を成功させる4つのコツ
この章では24時間営業の無人ジムの経営を成功させる4つのコツについて紹介します。内容は以下の通りです。
- ジムのコンセプトを明確にし他社との差別化をはかる
- 立地や賃料を考慮した物件選び
- SNSやWEBを用いた低コスト集客
- リピート戦略
無人ジムは需要が高い反面、競合他社が多く競争が激しい事業です。ライバルに打ち勝つためにも、成功させるためのコツを押さえましょう。
①ジムのコンセプトを明確にし他社との差別化をはかる
24時間営業の無人ジムの経営を成功させるためには、自社のコンセプトを明確にし、競合他社との差別化を図ることが大切です。近年、24時間営業の無人ジムは多くの企業が参入しており、ライバル店が増えています。数あるジムのなかから自社を選んでもらうためにも、自社ならではの強みを確立するのが重要です。
例えば、女性専用の24時間営業の無人ジム・他社で導入されていないトレーニングマシン・優秀なインストラクターの在籍など、顧客のニーズにマッチした自社独自のコンセプトを確立しましょう。
②立地や賃料を考慮した物件選び
立地や賃料を考慮した物件選びが重要です。人目につきやすいことだけを考えて物件を選ぶ方も多いですが、そのような物件は土地代・賃料が高く、多くの会員を確保しなければ経営困難に陥る可能性があります。
人目につきやすく土地代が高い場所でも、2階以上や店舗向けではない物件を選ぶことで賃料を抑えられる可能性があります。築年数が長いビルや空き教室を利用するのもおすすめです。賃料を抑えることで、ランニングコストの削減につながります。物件選びは慎重に行うのが成功のコツといえるでしょう。
③SNSやWEBを用いた低コスト集客
FacebookやInstagramなどのSNSや、自社の公式サイトなど、WEBを用いた低コスト集客を行いましょう。SNSは無料で活用できるものが多く、ジムを探している人・ジム周辺に住んでいてトレーニングに興味がある人など、ニーズのある人にだけアプローチできる点が大きなメリットです。
またチラシやテレビCMなど、不特定多数の方へ宣伝する必要がないため、効率的な集客方法といえます。SNSで自社の情報が拡散されれば、より多くの集客が望めるでしょう。
④リピート戦略
リピート戦略とは、新規顧客ではなく既存顧客を継続的に獲得するための戦略のこと。つまり、リピーター獲得のための経営戦略のことを指します。
経営を成功させるためにはリピーター獲得に注力することがおすすめ。とくにジム経営では、月額会員費が主な収益となるため、いかに継続して利用してもらうのかが重要です。
ジム経営における具体的なリピート戦略には以下の3つがあげられます。
- 会員限定のメルマガ配信
- 会員限定クーポン
- 新規会員紹介の施策
筋力アップやダイエットに役立つ情報など、専門のトレーナーならではの情報をメルマガ配信することで、顧客との信頼関係構築につながるでしょう。
さらに誕生月を迎える方に向けて割引クーポンを配布したり、オプションメニューを提供するのも有効的です。
また新規会員紹介時のノベルティプレゼントなどの施策を提供すれば、新規会員獲得にもつながるでしょう。
24時間ジムが月額2,980円!無人ジムの成功例をご紹介
近年、24時間営業の無人ジムの需要が高まり、市場規模も急速拡大しています。
あるオーナーはITシステムを活用し、月額2,980円で気軽に通える学生専用の24時間ジムを開業しました。初月から数百人の会員が集まり、現在では直営店とフランチャイズ店を合わせ、関西で3店舗を展開しています。
この場合、ITシステムの導入により人件費などのランニングコストが削減できたことが成功の要因といえます。また月額2,980円の低価格・学生専用ジムという点で競合との差別化が図れたのも理由といえるでしょう。
まとめ
24時間営業の無人ジムは、利用客が安心して利用できるようなセキュリティ対策・防犯対策が必要不可欠です。スタッフが常駐しないからこそ、セキュリティシステムの導入・不正利用やトラブルへの対策を徹底しましょう。また競合が多い事業であるため、自社のコンセプトを確立し、競合との差別化を図るのも重要です。
今注目を集める24時間営業の無人ジム。注意すべきポイントを押さえ、失敗のない経営を目指しましょう。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
取締役
藤本 晃士
2003年、関西学院大学法学部卒。
個別指導塾のエリアマネージャー、教育系ベンチャーを経て、
2014年、現所属の母体となるNBCインターナショナル(株)に入社。
教育、飲食、リラクゼーション、美容室、フォトスタジオ等、多岐にわたる業種のFC展開に携わる。
現在は、支援するAIフィットネスFCブランドに加盟店としても取り組み、チェーンNo.1店舗に成長させる。
運営ノウハウを築きながら展開支援をおこなう、ハンズオンコンサルティングを軸に活動。