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事業投資の種類や目的とは?3つの方法のメリット・デメリットを比較
事業投資とは、企業が成長や利益を目指して特定の事業に資金を投じることです。最近では、事業投資が企業の成長戦略の一環として多くの経営者から注目されています。しかし、その方法や目的はさまざまで、実際に事業投資を行うには、それぞれのメリットやリスクをしっかりと理解することが重要です。この記事では、事業投資の基本や目的について説明し、事業投資の種類やそれぞれのメリット・デメリットを比較しながら、具体的な成功事例も紹介します。
経営者の皆様が抱える「どのような事業投資が最適なのか」「リスクをどう管理すればよいのか」といった疑問に応えるため、この記事で事業投資の基本知識を身に付け、実際に事業投資を行う際の判断材料を得ることができます。事業投資の世界に一歩踏み出し、企業の成長を加速させるための最初のステップとして、ぜひ本記事をお役立てください。
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<目次>
事業投資とは
事業投資は、企業の成長や新たな収益源を確保するために行われる重要な戦略の一つです。企業の経営者にとって、事業投資は利益を得るだけでなく、企業の競争力を高め、長期的に成長するための方法です。しかし、事業投資の具体的な内容やリターンの見込み、金融投資との違いについて、詳しく理解している方は少ないかもしれません。
ここでは、事業投資の概要、リターンの利回りの相場、そして金融投資との違いについて詳しく説明します。事業投資の基本を理解することが、企業のさらなる成長を導くための第一歩となるでしょう。
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事業投資の概要
事業投資とは、企業が成長や利益を目指して特定の事業に資金を投入することです。事業投資を行うことで、新たな収益源を確保し、企業の競争力を高めることができます。
例えば、新しいビジネスを立ち上げたり、既存のビジネスを拡大したり、他の企業を買収する(M&A)ことが挙げられます。事業投資は、企業の長期的な成長を支える重要な手段の一つです。
事業投資の3つの目的
事業投資には、企業が成長を目指して行うさまざまな目的があります。その中でも特に重要な3つの目的について解説します。具体的な例や成功事例を交えながら、それぞれの目的について詳しく見ていきましょう。事業投資の目的を理解することで、事業投資の意義や戦略をより深く知ることができます。
【目的①】キャピタルゲインの獲得
キャピタルゲインとは
投資した事業が成長し、資産価値が上がることで得られる利益を指します。例えば、企業が新しい市場に進出し、製品やサービスが成功した場合、その企業の株価が上昇します。結果として、初期の投資額と比較して資産価値が増加し、キャピタルゲインが発生します。 |
【キャピタルゲインの例】
- スタートアップ企業への投資
新興企業に早期に投資し、その企業が大きく成長して上場した場合、投資家は大きなキャピタルゲインを得ることができます。
- 不動産投資
新しいビジネス施設や商業ビルに投資し、その地域の発展や事業の成功に伴って不動産価値が上がると、売却時にキャピタルゲインが得られます。
【目的②】インカムゲインの獲得
インカムゲインとは
投資した事業から定期的に得られる収益を指します。通常、事業が安定した収益を生み出す場合に発生します。 |
【インカムゲインの例】
- 配当金
株式投資では、企業が利益を上げるとその一部を株主に配当金として分配します。これがインカムゲインの一例です。
- 賃貸収入
不動産投資では、商業ビルやオフィススペースを賃貸することで、定期的な賃貸収入が得られます。
- 利子収入
企業が発行する社債に投資した場合、定期的に支払われる利子がインカムゲインとなります。
【目的③】既存事業とのシナジー効果
シナジー効果とは
2つ以上の事業が一緒になることで、それぞれが単独で得られる成果よりも大きな効果を生み出すことです。つまり、新たに投資した事業が既存の事業と組み合わさることで、お互いの強みを活かし合い、全体の業績や効率を向上させることを指します。 |
【シナジー効果の例】
- カフェが自家製のパンを提供するパン屋を買収
パン屋を買収することで、カフェでは常に新鮮でおいしいパンを提供できるようになり、パン屋はカフェの顧客を取り込むことができます。両方の事業が一緒になることで、どちらのビジネスもより成功しやすくなります。
- 自動車メーカーがバッテリーメーカーを買収
バッテリーメーカーを買収することで、電気自動車のバッテリー供給が安定し、コストが削減されます。結果、より競争力のある価格で電気自動車を提供できるようになります。
- アパレルブランドが物流会社を買収
物流会社を買収することで、自社製品の配送がスムーズになり、配送コストを削減できます。その結果、製品の価格を抑えたり、配送時間を短縮したりすることで顧客満足度を高めることができます。
以上のように、キャピタルゲイン、インカムゲイン、シナジー効果の3つの目的を持つ事業投資は、企業の成長戦略において重要な役割を果たします。これらの目的を理解し、適切な投資戦略を選択することで、企業の持続的な成長と競争力の向上が期待できます。
事業投資のリターン・利回りの相場
事業投資の利回りは、投資の種類やリスク、期間によって異なります。
例えば、リスクが高いベンチャー企業への投資では、高いリターンを期待できますが、その分リスクも大きくなります。一方、安定した大企業の株式や不動産への投資では、リターンは比較的低いかもしれませんが、リスクも低いです。また、利回りの相場を把握することも重要です。一般的な利回りの目安として下記の表を参考にしてください。
投資タイプ | リターン | リスク |
スタートアップ投資 | 年利20%以上 | 成功率は低くリスクも高い |
不動産投資 | 年利2%〜10%程度 | 地域や物件による |
株式投資 | 年利7%〜10% | 市場の変動により短期的には大きな変動がある |
金融投資との違い
事業投資と金融投資は、目的やリスク、リターンの形態が異なります。
金融投資は、株式や債券などの金融商品に資金を投入し、短期的な利益を追求することが一般的です。これに対して、事業投資は、企業の成長を目指して長期的な視点で行われます。
金融投資では、投資対象の価値が市場の動向に大きく影響されるため、短期間で利益を得ることができますが、リスクも高いです。一方、事業投資は、企業の内部要因や戦略に基づいて行われるため、長期的な成長と安定した収益が期待できます。
項目 | 事業投資 | 金融投資 |
投資対象 | 事業 | 株式、債券、投資信託など |
投資期間 | 中長期 | 短期から長期 |
リスク | 高い | 比較的低い |
リターン | 高い | 比較的低い |
収益 | キャピタルゲイン&インカムゲイン | キャピタルゲイン |
事業投資の種類
事業投資には多くの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。事業投資を行う際に代表的なプレイヤーとして知られる投資銀行、総合商社、ファンド(ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティを含む)、事業会社、エンジェル投資家について詳しく解説します。
これらのプレイヤーがどのようにして事業投資を行い、どのようなリターンを期待できるのかを理解することで、投資家としての視野を広げ、より戦略的な投資判断が可能となるでしょう。それでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
投資銀行
投資銀行は、企業が資金を集めたり、他の会社を買収したりするのをサポートする専門機関です。企業の価値を評価し、最適な資金調達方法や買収戦略を提供します。
たとえば、企業が株式や債券を発行する際には、投資銀行がその手続きを手助けし、市場での販売をサポートします。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの大手投資銀行は、企業が成長するための重要なパートナーとなります。投資銀行の助けを借りることで、企業は迅速かつ効果的に資金を調達することができます。
総合商社
総合商社は、多様なビジネスを行う大企業で、他の企業に出資してその成長を支援します。商品の売買だけでなく、事業開発や経営支援も行い、投資先企業が新しい市場に進出したり、新技術を開発したりするのをサポートします。
例えば、三菱商事や伊藤忠商事などの総合商社は、豊富なネットワークとリソースを活用して、投資先企業の成長を後押ししています。そうすることで、出資先企業はより競争力を持つことができ、総合商社自体も新たなビジネスチャンスを得ることができます。
ファンド
ファンドには、ベンチャーキャピタル(VC)とプライベートエクイティ(PEファンド)があり、異なる方法で企業に投資します。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタルは、スタートアップや成長途中の企業に投資します。リスクは高いですが、大きな利益を得る可能性もあります。VCは、経営ノウハウやネットワークを提供し、企業の成長を助けます。
例えば、ソフトバンクグループによって設立されたソフトバンク・ビジョン・ファンドは、「Uber」や「WeWork」に大規模な投資を行ってきました。
プライベートエクイティ(PEファンド)
プライベートエクイティは、既に成長している企業に投資し、経営を改善して企業の価値を高めることを目指します。PEファンドは、企業を再編したり、コストを削減したりして企業価値を向上させ、その後株式公開(IPO)や再売却を行います。
例えば、カーライル・グループは、米国に拠点を置く有名なPEファンドです。日本の企業に対する投資先の例として、例えば、「東芝メモリ(現在のキオクシア)」や化粧品企業の「ファンケル」への投資が挙げられます。
エンジェル投資家
エンジェル投資家は、個人でスタートアップ企業に出資する投資家です。エンジェル投資家は自らの経験やネットワークを活かし、投資先企業の成長を支援します。エンジェル投資家は、初期段階の企業にとって重要な資金源であり、企業の発展に大きく貢献します。
例えば、アマゾンの初期CEOであるジェフ・ベゾス氏は、自身の成功経験を元に多くのスタートアップを支援してきました。その中で有名なものとして、「Uber」や「Airbnb」などが挙げられます。エンジェル投資家からの支援は、スタートアップ企業にとって大きな励みとなり、成功への道を切り開く重要な要素となります。
事業投資の方法とメリット・デメリットを比較
事業投資にはさまざまな方法がありますが、主に新規事業の立ち上げ、既存事業への投資、そして他社の買収(M&A)の3つの方法に分けられます。各方法には独自のメリットとデメリットがあり、投資家や企業のニーズに応じて最適な方法を選択することが重要です。これから、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
新規事業の立ち上げ
新規事業の立ち上げは、企業がゼロから新しいビジネスを創造する方法です。
新規事業の立ち上げの最大のメリットは、市場のニーズに直接対応する製品やサービスを提供できる点にあります。これにより、企業は競争優位性を確立しやすくなります。また、新しいブランドを構築し、企業の知名度を高める機会も得られます。独自のビジネスモデルを構築できるため、他社との差別化が図りやすいのも大きな利点です。
一方で、新規事業の立ち上げには高いリスクが伴います。成功する保証はなく、失敗するリスクが高いです。また、初期投資が必要であり、資金調達が難しい場合があります。さらに、事業の立ち上げには多大な時間と労力が必要であり、これも大きな負担となります。
既存事業への投資
既存事業への投資は、既に運営されている事業に対して資金やリソースを投入し、その成長を支援する方法です。
この方法のメリットの一つは、既に成功しているビジネスモデルに投資するため、リスクが低くなることです。既存の顧客基盤や収益構造を活用できるため、即時の収益が見込めます。さらに、自社の経営資源を効率的に活用し、事業拡大を図ることができます。
しかし、既存事業には成長の限界があるため、新規事業ほどの大きな成長が期待できない場合があります。また、既存市場での競争が激化している場合、新たなシェアを獲得するのが難しいです。既存事業に固執することで、イノベーションが遅れるリスクもあります。
他社の買収(M&A)
他社の買収(M&A)は、他の企業を買収して自社の一部とする方法です。
この方法のメリットは、短期間で市場シェアを拡大し、競争力を強化できる点です。他社の強みを取り込み、シナジー効果を発揮することで、効率的な事業運営が可能となります。また、他社が持つ技術やノウハウを獲得し、自社の技術力を向上させることもできます。
しかし、M&Aはコストが高くなります。買収には多額の資金が必要であり、失敗した場合のリスクも大きいです。また、異なる企業文化や経営スタイルの統合が難しく、摩擦が生じる可能性があります。さらに、買収した企業の負債や問題を引き継ぐリスクもあります。
事業投資 比較表
投資方法 | 成長性 | リスク | 競争率 | コスト | 実行難易度 |
新規事業の立ち上げ | ◎ | △ | ◎ | △ | △ |
既存事業への投資 | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
他社の買収(M&A) | ○ | ○ | △ | ◎ | ○ |
事業投資の成功事例
事業投資には、さまざまな種類があり、それぞれに成功とリスクがあります。ここでは、IT、ソフトウェア、小売、Eコマース、自動車、テクノロジーなどの分野で成功を収めた具体的な事例を紹介します。これらの事例を通じて、事業投資がどのようにして企業の成長を促進し、シナジー効果を生み出すのかを理解することができます。また、これらの成功事例から学ぶことで、あなた自身の事業投資の計画にも役立てることができるでしょう。
【IT×ソフトウェア】GoogleによるYouTubeの買収
GoogleによるYouTubeの買収は、事業投資の成功事例として広く知られています。
2006年に行われたこの買収は、約16億5千万ドルという巨額の投資でした。当時、YouTubeは急速に成長している動画共有プラットフォームであり、Googleはこの買収を通じて、インターネット上での動画コンテンツ市場への強力な足掛かりを得ました。
結果として、YouTubeは現在、世界中で数十億人のユーザーを持つ主要な動画プラットフォームとなり、広告収益をはじめとする多くの収益源を確立しています。
この買収により、Googleはキャピタルゲインとインカムゲインの両方を得ることができました。YouTubeの成長に伴い、広告収益が急増し、Googleの全体的な収益も大幅に増加しました。また、動画コンテンツを通じたシナジー効果も発揮され、Googleの他のサービスや製品との連携が強化されました。
【事業投資の狙い】 | 動画コンテンツ市場への強力な足掛かりを得る |
【得られた効果】 | 世界中で数十億人のユーザーを持つ主要な動画プラットフォームを得る
広告収益の急増とシナジー効果の発揮 |
【得られた利益】 | キャピタルゲインとインカムゲインの両方を得る
YouTubeの成長に伴い、広告収益が急増 |
【小売×Eコマース】AmazonによるWhole Foods Marketの買収
2017年にAmazonがWhole Foods Marketを買収した事例も、事業投資の成功例として注目されています。約137億ドルという高額な投資によって実現したこの買収は、Amazonの食料品市場への参入を加速させました。
Whole Foods Marketは、高品質なオーガニック食品を提供することで知られており、この買収によりAmazonは新たな顧客層を取り込み、Eコマースプラットフォームと実店舗のシナジー効果を実現しました。
この買収の成功により、Amazonは食料品のオンライン販売と店舗販売を融合させる新たなビジネスモデルを構築しました。これにより、顧客はオンラインで注文し、実店舗で商品を受け取ることができるようになり、利便性が向上しました。さらに、AmazonはWhole Foods Marketの既存の店舗ネットワークを活用して物流を最適化し、コスト削減と効率化を図りました。
【事業投資の狙い】 | 食料品市場への参入を加速 |
【得られた効果】 | Eコマースと実店舗の融合による新たなビジネスモデルの構築
物流の最適化とコスト削減 |
【得られた利益】 | 新たな顧客層の取り込みとシナジー効果
オンラインと実店舗の利便性向上 |
【自動車×テクノロジー】TeslaによるSolarCityの買収
TeslaがSolarCityを買収した事例も、事業投資の成功例として挙げられます。
2016年に約26億ドルで行われたこの買収は、Teslaのエネルギーソリューション事業の拡大を目的としていました。SolarCityはソーラーパネルの設置とエネルギーソリューションを提供する企業であり、この買収によりTeslaはクリーンエネルギー市場でのプレゼンスを強化しました。
この買収により、Teslaは電気自動車と再生可能エネルギーの統合を実現し、家庭向けのエネルギーソリューションを提供する「Teslaエナジー」の成長を促進しました。SolarCityの技術とTeslaのブランド力が相まって、エネルギー市場でのシナジー効果が発揮されました。
【事業投資の狙い】 | エネルギーソリューション事業の拡大 |
【得られた効果】 | クリーンエネルギー市場でのプレゼンスを強化
電気自動車と再生可能エネルギーの統合 |
【得られた利益】 | エネルギー市場でのシナジー効果
家庭向けエネルギーソリューションの成長促進 |
まとめ
この記事では、事業投資の基本的な概念から具体的な方法、そして成功事例に至るまで、幅広く解説しました。
事業投資とは、企業が成長と利益を追求するために行う多様な投資活動のことを指します。事業投資の目的には、キャピタルゲインやインカムゲインの獲得、既存事業とのシナジー効果が含まれます。事業投資により、企業は長期的な利益を最大化し、持続可能な成長を実現することができます。
事業投資の手法として、投資銀行や総合商社、ファンド、事業会社、エンジェル投資家など、さまざまなプレイヤーが関与していることを紹介しました。新規事業の立ち上げや既存事業への投資、他社の買収(M&A)など、それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在します。事業投資はリスクとリターンが伴うものであり、綿密な計画と実行が求められます。
この記事を通じて事業投資に関する理解を深め、あなたのビジネスに合った投資戦略を見つけられるよう参考にしてください。事業投資を通じて、さらなる成長と成功を目指していきましょう。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。