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【フランチャイズ本部構築に必要な費用】立ち上げに必要な条件やコンサルタント費も徹底解説
コンビニ・ファミリーレストラン・ファーストフード店・学習塾・ホテルなど、さまざまな業種の企業がフランチャイズに参戦しています。
「自社の事業を拡大するためにフランチャイズ化したいけど、費用がどのくらいかかるのか心配」「そもそもどうやって立ち上げるのか分からない」などと、興味はあるけれど一歩踏み出せずにいる人は少なくないでしょう。
そこでこの記事では、フランチャイズ本部の構築に必要な費用や手順について詳しく解説します。本記事を参考に、フランチャイズ本部の立ち上げをより具体化させていきましょう。
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フランチャイズ本部構築に必要な主な費用
まずは、フランチャイズ本部を構築するのに必要となる主な費用を紹介します。
- フランチャイズ本部の整備や資料作成にかかる人件費
- 加盟店営業費
- 商標登録費
- コンサルタントへの依頼費
必要な費用は最初にチェックしておかなければいけないポイントです。それぞれの項目について詳しく解説するので参考にしてください。
①フランチャイズ本部の整備や資料作成にかかる人件費
フランチャイズ本部として稼働していくには、さまざまな仕組みを整備しなければなりません。少なくとも下記の項目は必ず準備しておく必要があります。
- 運営マニュアル
- 教育研修プログラム
- 営業用資料
- フランチャイズ契約書類
これらの業務を遂行するためには担当者が必要で、人件費が発生します。例えば1名を新規雇用し、労働時間の3分の1をフランチャイズ本部の仕組み作りの業務に充てた場合、人件費を450万円で計算すると150万円程度の費用がかかります。
既存スタッフに業務を掛け持ってもらう場合も事実上は費用が発生しているので、この分の人件費も初期費用として計算しなければなりません。
②加盟店営業費
フランチャイズとして事業を拡大するためには、加盟店を増やす活動が必要です。加盟店からの加盟金・ロイヤリティがフランチャイズ本部の主な収入源となるので、この営業活動に力を入れなければなりません。
主に下記の2つが加盟店営業費として必要になります。
- ツールの制作費
- 広告宣伝費
それぞれについて細かく見ていきましょう。
ツールの制作費
加盟店営業を促進するためには、WEBサイトやパンフレットなどの作成が必要です。インターネット社会と言われる現代、情報収集の最初の方法は多くの人にとってWEB検索でしょう。そのため、加盟店営業用のWEBサイトを作るメリットは大きいです。
既存サイトに掲載する方法もありますが、加盟店営業に必要な情報を分かりやすく見てもらうためにも、加盟店営業専門のWEBサイトを作る方が賢明でしょう。
広告宣伝費
フランチャイズ本部を立ち上げた後、加盟希望者をできるだけ早く集めるためには、多くの人に認知してもらわなければいけません。
宣伝として効果的な手段が、フランチャイズ本部と加盟希望者をマッチングさせる情報サイトの利用や展示会に出展する方法です。
掲載するサイトや参加する展示会を前もって検討し、予算内であるか見積もっておきましょう。
③商標登録費
フランチャイズでは、本部が使用している商標を加盟店に貸し出す形になります。そのため、フランチャイズ本部は特許庁にて商標登録をしておかなければいけません。
「商標」とは、自社の商品やサービスを区別するための目印・ネーミング・ブランドロゴなどのことです。商標登録をすると他社は同じものを使えません。
商標登録にかかる費用は、1区分32,900円(10年間)です。この金額は、あくまで自分で特許庁へ申請する場合に必要な印紙代の額で、弁護士や専門の会社へ代行の依頼をするとさらに費用がかかります。その場合は、自分で申請するよりも2〜10万円ほど多くかかることを念頭に置いておきましょう。
また、審査結果が通知されるまで一般的に半年近くはかかるので、早めに申請することをおすすめします。
④コンサルタントへの依頼費
フランチャイズ本部を立ち上げるのが初めてで不安な場合、コンサルタントに依頼するのも1つの方法です。
フランチャイズでは、他者を巻き込んで事業を拡大していくことになるので、最初のビジネスモデルを構築する段階が非常に重要になります。複雑な面の多いフランチャイズシステムは、経験豊富なコンサルタントへ依頼した方が安心です。
コンサルタントへ依頼する場合、約100〜500万円の費用がかかると言われています。
多額の出費になりますが、自社のみで立ち上げるよりも短時間かつ間違いのない方法で加盟店募集まで進めることが期待できるでしょう。
フランチャイズ本部構築の手順
次に、フランチャイズ本部を構築する手順を説明します。時間を要する項目もあるので、目標を決めて逆算して取り組みましょう。
- 自社の商品・サービスの分析
- 商標登録の申請
- フランチャイズパッケージの設計
- 業務マニュアルの作成
- 契約書の内容を決める
- 契約書を作成してリーガルチェックを行う
- フランチャイズ加盟店を集める
それぞれのステップについて細かく説明します。
Step1.自社の商品・サービスの分析
まず重要なのが自社の商品・サービスの分析です。具体的にどこが優れていて消費者のニーズを獲得できるのか、自社商品・サービスの強みを事業を始める前に明確にしましょう。また、需要のある立地についても分析が必要です。
自社の強み・弱みを正しく把握して、現状に満足せず常にブラッシュアップする姿勢を忘れないようにしましょう。
Step2.商標登録の申請
自社のブランド名やロゴなどについて商標登録の申請をします。商標登録が完了するまでにかかる期間は、一般的に約5〜10ヶ月ほどです。早い段階で申請して、加盟店を募集する時には準備が整っているようにしましょう。
商標登録することで、自社のブランド名やロゴが独占使用できるようになります。実際は自分たちが先に使っていたブランド名・ロゴであっても、他社が先に商標登録してしまったらその後は使用できません。加盟店との信頼関係が崩れる事態となるので、必ず早いうちに申請してください。
Step3.フランチャイズパッケージの設計
次に、フランチャイズの仕組み・ビジネスモデルを反映させたパッケージを設計します。フランチャイズパッケージは千差万別で、他企業のモデルを参考にすれば良いわけではありません。
ノウハウ・商材・開業指導・ブランドの使用許可・継続的なサポートなどの本部から加盟店に提供するサービスのほか、加盟金・保証金・ロイヤリティ・研修費用・契約期間など、契約書に記載すべき基本的な内容を決定します。
加盟希望者から魅力的に感じられるフランチャイズパッケージの設計が必要です。
Step4.業務マニュアルの作成
加盟店がフランチャイズ本部の決めた方針通りに営業を行うためにはマニュアルが必要なので、業務マニュアルを作成しましょう。業務マニュアルは、本部がビジネスのノウハウを詰め込んだ非常に重要なもので、加盟店はこれに対してロイヤリティを支払います。
同じ看板を掲げて営業しているにもかかわらず、店舗によって商品・サービスの質に大きなズレが生じては顧客満足度も上がりません。業務マニュアルがあることが、加盟店が同等のクオリティーを維持しブランドを守っていくことに繋がります。
完成した業務マニュアルを何度も大きく変更することは、加盟店を戸惑わせてしまいますが、時代の変化に合わせて情報をアップデートしていくことは求められます。
Step5.契約書の内容を決める
フランチャイズのビジネスプランが固まったところで、決めなければいけないのが契約書の内容です。本部が提供するサポート内容や加盟店が守らなければいけない規則・契約期間・中途解約などについて細かいルールの記載が必要となります。
契約内容は、加盟希望者が本部を選ぶ際に他社と比較する項目の1つです。契約の内容が厳しくなりすぎていないか注意しましょう。
Step6.契約書を作成してリーガルチェックを行う
契約書が完成した後は、弁護士に依頼して必ずリーガルチェックを行いましょう。
将来的に本部と加盟店の間でトラブルになって問題が生じてしまった場合、契約書の内容に準じての対応を行います。そのため、専門的な知識のある人から契約書の内容に不備がないかチェックしてもらうことが大切です。
契約の内容が厳しすぎず、かつ最低限自社を守れる内容が盛り込まれている必要があります。
Step7.フランチャイズ加盟店を集める
ここまできたらフランチャイズ加盟店を集める段階です。自社HPでの募集・フランチャイズ加盟店募集サイトへの掲載・展示会への出展・パブリシティの利用など、さまざまな方法で自社をPRして加盟希望者を集めます。
希望者がなかなか集まらない場合はStep1から再度見直し、自社の事業が客観的に見て魅力的であるか判断してみましょう。
フランチャイズ本部構築に必要な6つの要素
次に、フランチャイズ本部の構築に必要な要素を紹介します。
- プロトタイプモデルの確立
- 従業員教育や経営指導のノウハウ
- 高い収益性
- 商品・サービスのオリジナリティ
- 集客・販売ノウハウの確立
- 市場規模の大きさ
資金が十分に用意できたとしても、本部に必要な要素が揃っていない場合は、立ち上げ後に事業がうまく回らないことが予想できます。自社が上記の要素を満たしているか確認してみましょう。
①プロトタイプモデルの確立
フランチャイズ本部を構築するためには、プロトタイプモデルが確立していることが重要です。プロトタイプモデルとは、フランチャイズ展開を開始する際の基本形のことを指します。
加盟店は、フランチャイズ本部が作成したマニュアル・営業ノウハウを頼りに運営を行っていくため、基本的なシステムが確立していなければ、その再現性も劣ってしまうでしょう。
確かなプロトタイプモデルの確立がフランチャイズ展開では成功を左右します。
②従業員教育や経営指導のノウハウ
従業員教育や経営指導のノウハウは、加盟店を増やしていくにあたって必要な要素です。
従業員の教育・指導は加盟店オーナーに任せることも可能ですが、本部に十分な教育ノウハウがあることで、企業として一貫したクオリティを保てます。
加盟店から信頼を得られるように本部は十分な知識を備え、教育ノウハウを身につけておく必要があります。
③高い収益性
フランチャイズ本部だけでなく、加盟店も利益を得られる高い収益性が必要です。初めてフランチャイズに参加する人・企業でも、本部の作ったマニュアル通りに営業すれば利益を出せるような仕組みを確立しておかなければいけません。
また、自分で起業する場合よりも効率的にビジネス展開ができる必要があります。
④商品・サービスのオリジナリティ
商品・サービスのオリジナリティは、他社ブランドとの差別化のために重要視される要素です。
「自社にしかない」という特別感は、顧客のニーズを満たしてブランドの価値を上げる大きなポイントとなります。自社の商品・サービスのファンを幅広く作れるような独創的なアイデアで開発に取り組みましょう。
⑤集客・販売ノウハウの確立
集客・販売のノウハウが確立していなければ、加盟希望者に選ばれる本部にはなれません。特に初めてフランチャイズに参加する人・企業にとって、「事業を開始して本当に利益が出るのか…」という大きな不安があります。
本部のマニュアルに従うことで集客・販売に見通しが立てば、安心して営業をスタートできるでしょう。
⑥市場規模の大きさ
加盟店を増やしていくには、十分な市場規模の大きさが必要です。複数展開が見込めない業種では、将来的に継続することが難しい可能性もあります。
加盟店をどのくらい増やしたいか明確にし、その見込みがある業界であるのか調査が必要です。安定した収益を上げるためには、少なくとも50〜60店舗以上の展開が見込める市場規模であることが条件と言われています。
まとめ
フランチャイズ本部の構築では、主に人件費・加盟店営業費・商標登録費・コンサルタントへの依頼費がかかります。これらを踏まえて予算を検討しましょう。
また、その資金を用意できたとしてもフランチャイズ化が成功できるとは限りません。仮に本部を立ち上げられても、収益を生み続ける仕組みができていなければ継続することは難しいでしょう。
加盟希望者に選ばれるフランチャイズ本部であるためには、他社との差別化が必要です。消費者の悩みを解消できるような自社にしかない商品・サービスを提供することが求められます。
本記事で説明した立ち上げに必要な要素を参考にして、フランチャイズ本部の構築に役立ててください。
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BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。