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【新規事業のアイデアが出ない時の考え方とは?】思いつかない4つの理由や発想方法5選をご紹介
新規事業の立ち上げにおいて、アイデアが思いつかない・浮かばないことはよくあることです。アイデアの創出につまづいてしまい、先に進めないケースも多いのではないでしょうか。成功率が高い、たくさんのアイデアを引き出すためには、いくつかの重要なポイントがあります。
本記事では、新規事業のアイデアが出ない時の考え方について詳しく解説していきます。アイデアが思いつかない理由・アイデアの発想方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
新規事業を立ち上げる前に確認すべき2つのポイント
この章では新規事業を立ち上げる前に確認すべきポイントについて、詳しく解説しています。内容は以下の2つです。
- 事業を立ち上げる明確な理由があるか
- 自社の強みや弱みは何か
具体的な行動をする前に、まずは確認すべきポイントを押さえましょう。
①事業を立ち上げる明確な理由があるか
なぜ新規事業を立ち上げるのか・なぜこの事業をやりたいのかといった理由が明確になっているかを確認すべきです。
新規事業の立ち上げで起こりうる問題や課題は、マニュアルや専門家の指示により、解決できることばかりではありません。新規事業を立ち上げる理由が明快でなければ、困難に直面した際に簡単に挫折してしまう可能性があります。
理由が明確であれば、さまざまな困難にぶつかったとしても、問題解決に向けた積極的な行動ができます。新たな収益の軸を作る・将来の経営者を育てるといった目的も重要ですが、まずは自社がなぜその事業を行うのかを確認しましょう。
②自社の強みや弱みは何か
新規事業を立ち上げる前に、自社の強み・弱みは何かを確認しましょう。
核となる強みは、新規事業を展開するにあたって大きな武器となります。また自社が抱える問題・課題を整理することで、新規事業への参入がその弱みを補完するケースもあります。
現代は、流行や顧客ニーズの変化が激しいです。流行に流されてしまうと、事業にマイナスの影響を与えてしまいます。そのため自社ならではの強みを持ちつつ、流行や顧客ニーズに合わせて調整していくことが重要です。
新規事業のアイデアが思いつかない4つの理由
この章では新規事業のアイデアが思いつかない理由について解説していきます。内容は以下の4つです。
- 実例のない事業で考えようとするため
- 業界の常識に囚われているため
- 反対意見が気になるため
- 新ビジネス案やネタを出す習慣がないため
アイデアが思いつかない理由と合わせ、解決策についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
①実例のない事業で考えようとするため
新規事業だからといって、実例がないアイデアに固執してしまうと発想の妨げになります。また誰も考えたことがないような斬新なアイデアは、人々に認知されていないため、事業化するのは難しいでしょう。
少しハードルを下げて、既存事業をベースに付加価値を加えたり、少し変えたりするだけでもアイデアのきっかけになります。まずは実例がないような斬新なアイデアにこだわらず、さまざまな案を考えてみましょう。
②業界の常識に囚われているため
業界の常識に囚われることも、新規事業のアイデアが思いつかない理由のひとつです。
同じ業界で長く働いていると業界の常識が染みついてしまい、たとえ優れたアイデアがあったとしても業界の常識にそぐなわければ却下してしまうこともあるでしょう。
まずは業界の常識から離れてみるのが大切です。そしてアイデアをすぐに却下するのではなく、さまざまな視点から検討したうえで判断しましょう。
③反対意見が気になるため
アイデアが思いつかない理由に、反対意見が気になることもあげられます。自分のアイデアが否定されたり、欠点を指摘されたりするような環境では、多様なアイデアを引き出すのは難しいでしょう。
まずは、どのアイデアも否定せず、気軽に発案できるような環境作りが大切です。具体的には、上に立つ人物やリーダーが率先してアイデアを出したり、発言できる機会を増やしたりすることなどがあげられます。
④新ビジネス案やネタを出す習慣がないため
日頃から、新しいビジネス案やネタを出す習慣がないと、アイデアはなかなか浮かばないものです。
日頃のトレーニングを実践しなければ、アイデアを出すという思考回路は形成されません。アイデアを出すクセをつけて習慣化するためにも、日々の生活・業務における不便や不満に着目してみると、その効率化や改善策がアイデアのヒントになります。
新規事業の成功に大切な3つの要素
この章では新規事業の成功に大切な要素について解説していきます。内容は以下の3つです。
- 新規性
- 解決性
- 収益性
事業の成功確率を上げるためにも、3つの要素をポイントにアイデアの事業化を進めていきましょう。
①新規性
新規事業の成功に大切な要素の1つ目は新規性です。新規性とは、どれだけ新しい価値を提供できるかという視点のこと。新規性が高ければ、既存の市場や競合とは異なる価値を提供できるため、市場における自社の優位性を確保できます。
すでに多くの競合がいる事業は、差別化が難しく、市場の優位性を確保するのは困難です。そのため、新規性が高い事業で、新しい価値を提供できるかどうかが、成功するための重要なポイントとなるでしょう。
ただし、いくら新規性が高い事業であっても、誰も見たことがない商品・サービスでは、市場が存在しない場合が考えられるので注意しましょう。成功しているものをアレンジしたり掛け合わせたりしながら、アイデアを考えるのもひとつの方法なので、ぜひ参考にしてください。
②解決性
新規事業の成功に大切な要素の2つ目は解決性です。解決性とは、顧客のニーズを解消して価値を提供できるかという視点のことを指します。
新規事業に限らず、企業が安定的に継続して利益を上げていくためには、顧客のニーズに応えられる商品・サービスを提供することが重要です。顧客が抱える不満・課題を高いレベルで解消できるようなアイデアは、成功する可能性が高いといえます。
先ほども述べた通り、新規事業において新規性も大切な要素ですが、独創性を追求しすぎると顧客のニーズからズレてしまうことが考えられます。顧客が望んでいる・顧客が満足できるようなアイデアを見つけるためにも、顧客目線に立って考えることが大切です。
③収益性
新規事業の成功に大切な要素の3つ目は収益性です。収益性とは、どれだけの利益を見込めるかという視点のことを指します。
顧客のニーズに応えることは重要ですが、採算が取れない事業ではそもそも事業として成り立ちません。そのため安定した利益を得られるか・コストと効果に見合っているかなど、さまざまな角度から比較・検討しましょう。
また新規事業を立ち上げたばかりの頃は、なかなか利益につながらず、収益が安定するまで時間がかかるのが一般的です。そのため新規事業を立ち上げる際には、中長期的かつ綿密な事業計画を検討しましょう。
新規事業が思いつかない時のアイデアの出し方5選
この章では新規事業が思いつかない時のアイデアの出し方について解説していきます。内容は以下の5つです。
- 既存事業の長所と短所を分析する
- 競合他社の強みや弱みを分析する
- 成功事例のあるビジネスモデルを他業種に広げてみる
- 新たな付加価値を見いだす
- 他社の成功事例を参考にする
アイデアを引き出すきっかけ作りに、ぜひ参考にしてみてください。
①既存事業の長所と短所を分析する
まずは既存事業の長所・短所を洗い出し、分析するのが大切です。新規事業をゼロから考えるよりも、既存事業でやってきたことをベースにしたほうがアイデアのきっかけにつながります。
また長所を分析する際は、なぜうまくいったのか・どうやって黒字化できたのかといったプロセス・ノウハウにも着目しましょう。成功事例のプロセス・ノウハウを改めて確認し、それを新規事業にも応用できないかを考えることで、新規事業の成功にもつながります。
さらに自社の問題点や課題といった短所を克服できれば、新たなビジネスモデルの確立も可能です。
②競合他社の強みや弱みを分析する
自社の既存事業だけではなく、競合他社の強み・弱みを分析するのも大切です。
競合他社の事業内容を調査・分析し、ターゲットとしている顧客を把握することで新たな事業が見えてくるでしょう。また提供する商品・サービスのメリット・デメリットも、アイデアの大きなヒントになります。
競合他社の持つ強みを分析し、それを取り入れて新しいビジネスができないか・他社の弱みを補えるものを自社が持っていないかを検討しましょう。
③成功事例のあるビジネスモデルを他業種に広げてみる
成功しているビジネスモデルを他業種に応用できないかを考えてみましょう。すでに成功しているビジネスモデルを自社の商品・サービスに応用できれば、新しいビジネスモデルとして成立します。
例えば、定額料金を支払えば、製品やサービスを決められた期間で利用できるサブスクリプションは、もともとは動画・音楽配信サービスで利用されていたビジネスモデルです。しかし近年では、ファッション・食品・レンタカーなど幅広い分野で採用されています。
日本だけでなく海外の成功事例にも着目し、他業種に展開できるビジネスモデルはないかを検討しましょう。
④新たな付加価値を見いだす
これまで価値がないと思われていたもの・廃棄するしかないと思われていたものに、新たな付加価値を見いだせないかを考えてみましょう。
廃棄するしかないと思われていたものが、別のところでは価値があると思われ、それがビジネスにつながったケースもあります。身近な例には、中古品・家庭の不用品に値段をつけて売買するフリマアプリがあげられるでしょう。さらに業者向けに販売していたものを個人向けに販売したら、意外にニーズがあったという事例も多いです。
日常生活にありふれたものの中に、それを欲しいと思う人はいないか・違った価値を見いだせないかをじっくり考えれば、新規事業のきっかけにつながります。
⑤他社の成功事例を参考にする
他社の成功事例を参考にするのも、ひとつの方法です。
他社の成功要因は何か・自社で取り入れられるものはないかを分析し、それをベースに自社独自の強みを掛け合わせれば、それも新規事業のアイデアになります。
日本だけでなく、海外の成功事例に着目するのもおすすめです。広い視野で、どのような事業がどのような理由で成功しているのかを考えてみましょう。
新規事業のアイデアが出ない時に役立つフレームワーク5選
この章では新規事業のアイデアが出ない時に役立つフレームワークについて解説していきます。内容は以下の5つです。
- SCAMPER法
- マインドマップ
- 形態分析法
- KJ法
- 4P分析
アイデアが出ない時はもちろん、複数人のメンバーからアイデアを集めたり、まとめたりする際にも役立ちます。効率よくアイデアを引き出し整理するためにも、ぜひ活用しましょう。
①SCAMPER法
SCAMPER法は、既存のアイデアを7つの視点から深掘り、発展させていくフレームワークです。たくさんのアイデアが欲しい場面で役立ちます。
既存のアイデアを違った角度から見直したり検討したりすることで、新しいアイデアを展開できるのがメリット。アイデアの発想法のひとつ、オズボーンのチェックリストをベースとした質問リストに回答し、そこで明らかになった問題からアイデアへとつなげていきます。
なお、以下の7つがSCAMPER法の質問項目です。
- Substitute(置き替える)
- Combine(組み合わせる)
- Adapt(適応させる)
- Modify(修正する)
- Put to other uses(転用する)
- Eliminate(取り除く)
- Reverse・Rearrange(逆転・再構成する)
SCAMPER法でアイデアを引き出すためのコツは、質にこだわらず短時間で行うことです。また既存のアイデアを拡張・派生させていく思考法のため、何もない状態からアイデアを生み出すのには適していません。事業課題・開発したい製品など、核となるテーマも事前に決めておきましょう。
②マインドマップ
マインドマップは、頭の中で考えていることを図で表現するためのツールです。思考やアイデアの整理・目標達成のためのプロセスを視覚化する際に役立ちます。
まずはキーワードを紙の真ん中に書き記し、そのキーワードから浮かんだ言葉を枝を伸ばすように書き連ねていきます。連想した言葉を、中心から放射状に連結させるため、情報の関係や階層がひと目で把握できる・新たな発想や問題点が浮き上がってくることがメリットです。
複数人でアイデアを出し合う際にも適しており、メンバーで作成すれば、それぞれのアイデアや情報の共有もスムーズです。
③形態分析法
形態分析法は、テーマを構成する変数や要素をカテゴリー別に書き出し、それらをランダムに掛け合わせる発想法のことで、アイデア作りに役立ちます。
なお変数とはテーマを構成する基本的な項目のこと。そして要素は、それぞれの変数における要素のことを指します。形態分析法を実施する手順は以下の4ステップです。ぜひ参考にしてみてください。
- テーマを決める
- テーマの変数を書き出す
- 変数に対しての要素を書き出す
- 変数と要素を掛け合わせる
例えば、人気のカフェがテーマであれば、雰囲気・立地・料理といったものが変数、アットホーム・駅近く・健康志向などが要素となります。
思いつく変数と要素を書き出し、ランダムに掛け合わせることで、斬新なアイデアを見いだせるでしょう。
④KJ法
KJ法は、メンバーのアイデアをカード状の紙や付箋に記入し整理する手法のこと。断片的なたくさんのアイデアを取りまとめ、分類する際に役立ちます。
KJ法は、頭の中にあるアイデア・イメージを整理し、目に見える形で言語化できるため、メンバー間での情報共有が容易になる・メンバーのアイデアが湧きやすくなるといったメリットがあります。
また論理的に情報を整理し、メンバーのアイデア・意見を要素別に分ければ、課題や問題点をわかりやすく洗い出せるのもポイントです。たくさんのアイデアをまとめたい場合や、問題の本質を探す際に採用するといいでしょう。
⑤4P分析
4P分析とは、製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・販促(Promotion)の4つの視点から分析し、その強みをマーケティングに活かす方法のこと。どの製品を・どれくらいの価格で・どのような流通経路で・どうやって宣伝をして販売するかを考える際に役立ちます。
4つのPに分けて考えることで、それぞれの要素を掘り下げながら分析できるため、具体的かつ効果的なマーケティング戦略の策定が可能です。
思いついた新規事業を成功させるためのポイント
新規事業を成功させるためには、自社の経営理念や達成したいビジョンを明確にすることがポイントです。
経営理念やビジョンとは、会社として達成したいことや解決したい社会問題は何か、将来的に会社がどうなっていたいのかを表したもので、いわば会社の存在意義ともいえます。
経営理念やビジョンが魅力的なもの・有意義なものであれば、社員のモチベーションも高まるほか、社内外からの協力・賛同も得やすいでしょう。
まとめ
新規事業のアイデアが出ない場合、まずは既存事業の強み・弱みを分析し、新規事業に取り入れられないかを検討しましょう。さらに自社だけでなく、他企業のさまざまな事例や成功を学び、他の分野に掛け合わせることで、新しい事業が成立します。
またアイデアを事業化する際は新規性・解決性・収益性の3つのポイントを押さえ、新規事業の成功確率を高めましょう。新規事業のアイデアは、そう簡単に思いつくものではありません。ぜひ本記事を参考に、アイデア出しのヒントにしてみてください。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。