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【業態開発に必要な6つのポイント】成功させるコツや業態・業種の違いもご紹介
経営の活性化に欠かせない「業態開発」ですが、「そもそも言葉の意味を理解できていない」「何が重要なのかよく分からない…」という経営者も少なくありません。
本記事では、業態開発の基本的な情報をはじめ、押さえるべき6つのポイントや成功させるコツについて詳しく紹介します。
消費者のニーズを理解し、求められているサービスを提供できるようにするためにも、ぜひ本記事でお伝えする情報を参考にしてください。
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<目次>
業態開発とは
これまで「何を売るか」といった視点だったものを、消費者のニーズを的確にとらえ、「どう売るか」にシフトチェンジした上で、経営戦略の再構築や営業・販売活動の方法を転換することを「業態開発」と言います。
どのような商品・サービスであっても、常に同じ方法での営業・販売活動では業績が伸びないことが多いです。また、売上そのものが下がってしまうケースも少なくありません。
業態開発を行うことにより、活路を見出しつつ企業体制の強化を図ることができます。
業態と業種の違い
そもそも「業態」と「業種」の違いを理解していない方が多くいます。同じような意味合いで使用している方も多くいるのではないでしょうか。
簡単にまとめると、業態と業種は下記のような違いがあります。
業態 | 「商品をどう売るか」という営業形態による分類 |
業種 | 「八百屋」「肉屋」など売る商品による分類 |
業態は、顧客の利用シーンや来店頻度などによる分類です。例えば日用品を販売している場合、「スーパーマーケット」「ドラッグストア」などに分けられます。同じ商品であっても、どのような顧客がいつ購入するかなど、それぞれのシーンに応じた営業形態による分類です。
一方、業種では扱っている商品が基準となります。例えば、小売店なら魚屋・肉屋・八百屋などのように、販売している商品によって分けられるのが業種です。
業態開発を失敗しないためにやるべき6つのこと
業態開発は、正しい知識を持って行わなければスムーズに進めていくことが難しくなります。失敗しないためにも、ここでお伝えする6つの情報をしっかりと頭に入れておきましょう。
【業態開発を失敗しないためにやるべき6つのこと】 |
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業態開発は簡単にできるものではありません。やるべきことを事前に把握できていなければ、どこから手を付けるべきか分からず、準備段階からつまづいてしまいます。業態開発を失敗しないためにも6つのポイントを詳しく見ていきましょう。
市場動向の調査・分析
まず重要となるのが市場動向の調査・分析です。これを徹底して行わなければ、業態開発の構想策定や企画設定はできません。
市場の動向・反応をあらかじめしっかりと掴んでおくために、業界全体の市場動向や業態の特性についてしっかりと分析していきましょう。
マクロ的な視点からミクロ的視点に切り替えていくことにより、新しいビジネスチャンスを見つけることが可能となります。
同業態の競合の調査・分析
次に行うのが、同じ業態の競合の調査や分析です。まずは同業態の有無を確認し、もしも既にある場合は、企業特性と業態の具体的な内容を詳しく調査して、強み・弱みを明確にしておきましょう。
ベンチマークとしての競合調査も必要ですが、ここで大切なのは「競合と比較することで自社の強みをはっきりとさせること」です。同じ業態の中でも自社特有の強みを引き出すために必要な作業と言えます。
ターゲティング
ターゲティングは、セグメンテーションにより細かく分類した市場の中からターゲットを絞り、そこに合わせたマーケティングを展開することを指します。主に下記の3つの視点により行われるのが一般的です。
【セグメンテーションの3つの視点】 |
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例えば、フィットネスジムには様々な種類がありますが、「平日の仕事終わりに気軽に利用したいサラリーマン」なのか「お金を使ってでもダイエットを成功させたい女性」なのかなど、それぞれのニーズに合った業態で展開されています。
自社の強み・弱みを踏まえつつ、収益性・成長性・自社の戦略などを考慮しながらターゲットを絞り込みましょう。
ポジショニング
ターゲットを明確にした後はポジショニングを行いましょう。競合との差別化を図って顧客へアピールし、自社を選んでもらえるようにするための環境を作り上げていくことをポジショニングと言い、主に下記のような流れで行います。
【ポジショニングの流れ】 |
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例えばフィットネスクラブの場合、購買意欲要因には「費用」「プログラムの数」「プールの有無」などがあります。それらを下記の表のようにまとめることで自社のポジショニングを行っていくことが可能です。
自社 | フィットネスクラブ1 | フィットネスクラブ2 | |
費用 | 〇 | ||
プログラムの数 | 〇 | 〇 | |
プール | 〇 | 〇 | |
営業時間 | 〇 | ||
場所 | 〇 | 〇 | |
シャワー | 〇 | ||
成果 | 〇 | 〇 |
より魅力的な業態開発を行うためには、ターゲティングとポジショニングにより徹底した調査・分析を行い、ニーズに合ったサービスや商品を提供できるようにする必要があります。
新業態のビジネスモデルを作る
業態開発を行った場合、具体的な実施計画へ落とし込むためにはビジネスモデルが必要です。出店を予定しているエリアにある競合店や全国の同業態の繁盛店などを参考に、繁盛要素・売上想定などを徹底的に分析します。
ビジネスモデルを作る際には、「実現の可能性」「継続の可能性」についてもしっかりと確認することが大切です。
いくら良質なビジネスモデルが作れても、現実的に技術やコスト面での障壁はないか、持続的な提供ができる体制が取れるかといった点で問題があれば、新ビジネスとしてスタートさせることはできません。
自社の状況などを加味して、正しくビジネスモデルを作るようにしてください。
テストマーケティングを行う
新しい業態の構成・構想の策定がある程度完了したら、「実際に市場に受け入れてもらえるか」「受入後にはどのような反応が出るのか」といった点についてテストマーケティングが必要です。
テストマーケティングとは、新しい商品やサービスの提供前にテスト的に行うマーケティング手法で、新しい業態開発では欠かせません。
テストマーケティングには様々な方法があり、新業態にふさわしいやり方を見極めて具体的なプランへ落とし込んでいきましょう。
業態開発を成功させるコツ
業態開発の主な流れだけを理解しても必ずうまくいくとは限りません。成功率を高めるためにはどのような点に注意すべきかをここで詳しくお伝えします。
【業態開発を成功させるコツ】 |
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上記の2つのコツは、当たり前と思われるようで実はできていないケースがほとんどです。それぞれの内容を下記で詳しく見ていきましょう。
独自性を取り入れる
特に今の時代では、新しいもの・珍しいものは消費者からの関心を惹きやすくなるため、独自性の高いものを取り入れるのは非常に重要です。「国内初」「業界初」とまではいかなくても、「エリア初」くらいの真新しさは狙うようにしましょう。
競争の激しい既存の市場へ飛び込むと、コスパや付加価値の勝負に経費をかけすぎて、利益が思うように取れないケースも少なくありません。最初からマーケットのあるブルーオーシャンを選ぶことで、より一層業態開発の成功に近づくことが可能となります。
自社が得意とする商品や客層を狙う
人にはそれぞれ得手不得手があるように、企業にも「得意分野」「苦手分野」が存在します。業態開発では、自社の得意としている商品やターゲット層を狙うようにしてください。全く新しい未知の領域に手を出すより格段に成功率は上がります。
経験や知識がない業態に「流行っているから」といった安易な理由で手を出してしまう場合、成功率は0に等しいほど低くなり、大きな損失を背負うことにもなりかねません。
得意な商品で新しいターゲット層の開拓を狙ったり、得意な客層に新しい商品を提供するなど、どちらかは自社の得意とする部分を狙って業態開発を行いましょう。
まとめ
業態開発は、経営の活性化や企業としての成長に欠かせない重要なポイントです。しかし、やるべきことや成功のためのコツを知らなければ、うまく軌道に乗せることが難しく、せっかくの新しいチャレンジが失敗に終わってしまうこともあります。
本記事でお伝えした6つのポイントや成功させるコツを参考に、自社をよりパワーアップさせるための業態開発にぜひ取り組んでいきましょう。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。