ジム経営は儲からない?年収やフランチャイズを成功させる6つのポイントも解説
コロナの影響により健康への意識が高まっている昨今、注目を集めているのがジムの経営です。興味はあるもののジム経営は儲かるのか気になりますよね。経営を成功させ安定した収入を得るためにもジム経営の仕組み・顧客の需要・市場規模などを把握する必要があります。
この記事ではジム経営が儲かる仕組み・フランチャイズ本部の選び方・比較ポイントなど、ジム経営をお考えの方に役立つ情報をご紹介します。ジム経営で儲かるためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
スポーツジム経営は儲からない?要因を解説
ジムが儲からずに閉店してしまう要因は以下の3つです。
1. 流行や市場を把握できていない
市場のニーズや時代の流れを把握せず、自身のやり方に固執するジムは、利益を上げるのが難しくなります。例えば、新型コロナウイルスの流行時に、迅速に予約制を導入して感染症対策を行ったジムは会員数を伸ばしていますが、対応が遅れたジムは閉店することが多かったです。
2. コンセプトが曖昧
競合との差別化は重要ですが、奇抜なサービスを提供するだけでコンセプトが曖昧になるジムもあります。単に珍しいものを取り入れるのではなく、ターゲット層に本当に需要があるものを導入することが大切です。
3. ジムに必要なサービスがない
更衣室やシャワーなど、他のジムにはある当たり前の設備がないと、集客が上手くいっても会員の継続率が低くなります。「~がない代わりに安い」という戦略を取る場合でも、それがターゲット層にとって本当に必要ないのかをよく考える必要があります。
スポーツジム経営が儲かる3つの理由
スポーツジム経営が儲かる主な理由には、以下の3つがあります。
- ジム経営は粗利益率が高い
- ジム会員からの月額費用が安定収入になる(会員制ビジネス)
- 健康志向が高まり需要増加・市場規模が拡大している
次の章で詳しく解説していきます。
ジム経営は粗利益率が高い
ジム経営は小売業のように商品在庫を抱える必要がなく顧客単価も高いため、粗利益率が高いのが特徴です。粗利益とは売上から売上原価・経費を引いた残りの利益のことを指します。
またトレーニングマシン導入などの初期費用がかかるものの、人件費を抑えたり顧客単価を高めに設定したりと工夫しやすいのもポイントです。そのためジム経営は高収入を得やすいビジネスといえるでしょう。
ジム会員からの月額費用が安定収入になる(会員制ビジネス)
ジム経営は月額制を採用した会員制ビジネスです。ジム会員が支払う月額費用が主な収入源となります。会員がジムに通い続けている間は収益を望めるため、毎月安定した収入を得られるほか、収益の見込みを立てやすいのも魅力です。
さらに既存会員だけでなく新規顧客を増やしていけば、その分収益は伸びます。フランチャイズ展開しているスポーツジムなら知名度や人気も高いため、新規会員を増やしやすいでしょう。
健康志向が高まり需要増加・市場規模が拡大している
近年、運動を習慣とする人が増えたことにより、スポーツジムの需要は増加し市場規模が拡大しています。その理由は2019年末から流行し感染拡大を続けた新型コロナウィルスの影響により、健康を意識する人が増えたためです。
さらにスポーツジムといえば筋肉トレーニングのイメージがありましたが、最近では年齢・性別問わず、スタイル改善・健康増進・リハビリ目的でジムへ通う方が増えています。
運動の目的が多様化し、若者から中高年・シニアまで幅広い世代が利用していることから、スポーツジムは今後の成長が期待できるでしょう。
フィットネス業界については以下の記事をご参考ください。
ジム経営を始める前に押さえておきたいフィットネス業界の市場規模と成長性
ジム経営を成功させるために、フィットネス業界のトレンドと成長性を知っておくのが大切。とくに以下の5つは押さえておきたいところです。
- 総合型のフィットネスジムの会員数は減少傾向
- 24時間営業とセルフジムの店舗は増加傾向
- 中高年やシニア層・キッズ向けプログラムの需要は増加
- ジムに通う目的やトレーニング方法の多様化
- 「24時間ジムの低価格化路線」と「専門性が高いジム」の二極化
この章で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
総合型のフィットネスジムの会員数は減少傾向
ジム・プール・スタジオ・シャワールームが備わっている総合型のフィットネスジムの会員数は減少傾向にあります。
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると2014年度、フィットネスジムの会員数は300万人、売上高は3,101億円でした。年々上昇傾向にありましたが、2020年度は会員数268万人と大きく減少し、売上高も2,235億円と急激に落ち込んでいます。
その原因はコロナ感染拡大により自粛生活が続いた影響で、全国のフィットネスジムが一時休業や時短営業を継続したためです。
24時間営業とセルフジムの店舗は増加傾向
総合型のフィットネスジムが伸び悩んでいるのに対し、24時間営業とセルフジムの店舗は増加傾向にあります。
24時間営業は24時間いつでも利用できるのが特徴。深夜・早朝など自分の都合に合わせて通いたい人や人目を避けて利用したい人など、さまざまな客層を獲得できるのが大きなメリットです。
セルフジムは筋トレやウェイトトレーニングマシンに特化しています。24時間いつでもトレーニングできるほか、専用の入館証を使い受付不要で利用可能。さらに月額の会員費がリーズナブルなことから今、若い男性の利用者が急激に増えています。
中高年やシニア層・キッズ向けプログラムの需要は増加
中高年やシニア層・キッズ向けプログラムの需要は増加傾向にあります。これまでも中高年やシニア層のジム通いは一般的でした。時間とお金に余裕がある世代が健康で長生きするためにジムを利用しているのが伺えます。高齢化社会が進む日本では、今後も中高年やシニア層のジム利用が増加していくでしょう。
また、水泳やテニス、体操などキッズ向けのプログラムの需要も高まっています。その理由は子どもの運動能力を高めたいと考える親御さんが増えたこと。最近ではキッズ向けのパーソナルジムも登場しており、キッズ向けジムの成長が期待できます。
ジムに通う目的やトレーニング方法の多様化
近年ジムに通う目的は多様化しています。ダイエットやボディメイクで通う人だけでなく、健康維持やリハビリで通う人などニーズはさまざまです。
多様化する目的に応じてトレーニング方法のジャンルも多彩です。また女性専用・24時間営業など、独自の運営方法で集客を望むジムが増えているのが現状です。
そのため、地域に住んでいる顧客のニーズに合わせた業態で経営するのが、会員数を増やすためのポイントといえるでしょう。
「24時間ジムの低価格化路線」と「専門性が高いジム」の二極化
長引くコロナの影響により、総合型ジムの店舗数は減少傾向にあります。そんな中でも近年、店舗数が急激に増加しているのが24時間営業ジムと専門性が高いジム。24時間営業ジムの魅力の1つとしてあげられるのが、営業時間を気にせず通いたいときに通えることです。また1ヶ月あたりの会員費が3,000円からと低価格なジムが増えています。
24時間営業ジムは新しい生活様式でリモートワークなどの多種多様な働き方をしている現代人のニーズに合致しているといっても過言ではありません。
専門性が高いジムは、利用者のニーズにこたえられるのが魅力です。人目を気にせずトレーニングしたい完全個室ジムや女性特有の悩みを相談しやすい女性専用ジムなどがあります。最近ではAI(人工知能)マシンによるジムも注目を集めているため、今後の成長に期待ができるといえます。
今後のフィットネス業界は24時間の低価格のジムと専門性が高いジムの二極化が進むでしょう。
24時間フランチャイズジム開業を考えている方々は、以下の記事で24時間フランチャイズジムの開業資金やメリット・デメリットを解説しているので、ぜひご参考ください
ジム経営の種類を解説
ジム経営の方法は以下の2種類です。
- フランチャイズ加盟
- 個人経営
それぞれ開業資金・運営方法が異なり、メリット・デメリットもあります。ここからはジム経営の種類について解説していますので、参考にしてみてください。
フランチャイズ加盟
フランチャイズ加盟はフランチャイズ本部が開発した商標・システム・ノウハウを使用して営業できるのが特徴です。フランチャイズ本部の経験と実績に基づき経営できるため、成功しやすいのが大きなメリットです。ジム業界・経営が未経験の方でも安心して始められるでしょう。
フランチャイズ本部のブランド力には大きな集客効果があります。大手のブランド企業なら開店初日から多くの来客が望めるでしょう。知名度を上げるための宣伝が不要なのも大きなポイントです。
ただしフランチャイズに加盟するためにはフランチャイズ本部への加盟料・ブランドの使用料を意味するロイヤリティの支払いが必要です。さらに経営方針・仕入れ先の制限・契約期間など、さまざまなルールが設けられているのが大半です。個人経営と比べて開業資金が膨らむこと・自由度が低いことに留意しましょう。
個人経営
個人経営は、全て自分で準備して開業する方法です。フランチャイズのように加盟金やロイヤリティを支払う必要がないため、経営が上手くいけば大きな収入を見込めるでしょう。またジムの規模・目指す年収など、経営方針を自由に決められるのも魅力です。
ただし個人経営は自由度が高い分、自分で決めなければいけないことがたくさんあります。顧客のターゲット層・ジムの業務形態・トレーニングマシンや機材の手配・集客のための広告宣伝などです。さらに、まとまった開業資金が用意できない場合は、事業計画書を作成したうえで銀行・投資家からの融資が必要となります。
ジム経営の選択肢を検討しているなら、「投資型フランチャイズ徹底解説レポート」をご覧になることをおすすめします。このレポートは、投資としてのフランチャイズについて詳細に解説しています。
投資型フランチャイズ徹底解説レポート
フランチャイズのスポーツジム経営は儲からない?まずは年収の目安をチェック
スポーツジム経営は儲からないのではと考えている方も多いのではないでしょうか。まずは簡単なシミュレーションで年収の目安をチェックしてみましょう。
パーソナルジムの経営を想定した場合です。週2回のコースを2ヶ月20万円で設定すると、新規の会員を毎月5人ずつ増やしていけば年間の売上は1,200万円。パーソナルジムはマンションの1室を借りて運営できるため、賃料を年間250万円〜300万円以下に抑えられます。
年間の利益は、売上1,200万円から250万円〜300万円程度の賃料を引いた分です。結果、およそ1,000万円の収入が見込めます。ジムの規模や業態でも異なりますが、ジム経営は成功した場合、儲かる事業といえるでしょう。
フランチャイズのジム経営に必要な費用の目安をご紹介
フランチャイズジム経営に必要な費用の目安をご紹介します。主な内訳は以下のとおりです。
- 開業初期費用:小規模なら500〜3,000万円、大規模なら5,000万円〜1億円程度
- ランニングコスト:月70〜400万円程度
フランチャイズジム経営を始めてみたいとお考えの方は、ぜひ着目してみてください。
開業初期費用:小規模なら500~3,000万円、大規模なら5,000万円〜1億円程度
開業初期費用の目安は小規模なら500万円〜3,000万円、大規模なら5,000万円〜1億円程度です。開業費用の主な内訳には、物件取得費・工事費・資材やシステム費などがあります。
参考までに24時間営業のセルフジムとして加盟店が急速に増えているエニタイムフィットネスの初期費用を見てみましょう。エニタイムフィットネスの初期費用は8,400万円〜1億4,000万円です。最新のトレーニングマシンを導入しているため、マシンの設備代が高めとなっています。
ランニングコスト:月70〜400万円程度
毎月のランニングコストは70〜400万円程度が目安です。内訳は店舗の賃料・人件費・水道光熱費・広告費など。ジムを運営するうえで必要不可欠な資金ですが、工夫次第でコストを抑えられるでしょう。
例えば、自分でトレーナーを務めたり無人化したりすることで人件費削減に繋がります。AI(人工知能)搭載のマシーン導入により無人経営が可能なフランチャイズジム・ファディーのランニングコストは200万円、上記で述べたセルフジム・エニタイムフィットネスなら400万円が目安です。
ジム経営に失敗しない!儲かる6つのポイントをご紹介
ジム経営を成功させるために必要なポイントを抑えておきましょう。儲かるためのポイントは以下の6つです。
- 利便性や競合調査が鍵!ジムを開業する地域や立地を選ぶ
- 規模を小さくして初期費用を抑える
- 高齢者向け・低所得者向けなど利用者に合わせた価格設定にする
- 質の高いトレーナーを確保ORトレーナーの実績を積んでジムの魅力を高める
- 1つのコンセプトに特化したジムを作る
- フランチャイズに加盟して集客・人材育成などサポートを受ける
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。経営に失敗しないためにも抑えておきましょう。
利便性や競合調査が鍵!ジムを開業する地域や立地を選ぶ
ジムを開業する地域や立地を選ぶ際は、顧客の利便性や競合店舗の調査が鍵となります。例えば、仕事帰りのビジネスマンをターゲットに都市部やオフィス街での開業を目指すなら、駅から徒歩5分などアクセス良好な立地を探す必要があるでしょう。
また、住宅地や車移動が多い地方なら駐車場があれば通いやすくなります。しかし駅が近い物件は賃料が高くなりますし、駐車場を借りる費用も発生します。ジム経営を成功させるためには顧客の利便性と予算のバランスを取りながら開業する地域・立地を探すのが需要といえるでしょう。
また近隣の競合店舗の調査を行うのも重要です。対象の店舗が何年前から営業しているか・フィットネス人口はどのくらいか・どんな客層が多いかをリサーチし、競合店との差別化を図りましょう。
規模を小さくして初期費用を抑える
開業の初期費用を抑えたい・事業が成功するか心配だという方はジムの規模を小さくするのも1つの方法です。規模を小さくすることで物件・設備工事の費用を抑えられるでしょう。さらに人件費や光熱費などのランニングコストの削減にも繋がります。
最初から大規模なジムで開業すると、想定していた集客数が見込めず失敗してしまう可能性があります。まずは小規模なジムから始めることも検討してみてください。
高齢者向け・低所得者向けなど利用者に合わせた価格設定にする
ジム経営で失敗しないためにも、開業する地域の利用者に合わせた価格設定にするのが重要です。いくら収益を見込めるからといって会員費を高くしすぎると集客できない可能性があります。
高齢者・低所得者なら通い続けやすいリーズナブルな金額に設定するといいでしょう。会社帰りのビジネスマンなら価格が高くても利用しやすいパーソナルジムや24時間営業ジムに魅力を感じてもらえるかもしれません。利用者のニーズに合わせた運営を意識しましょう。
質の高いトレーナーを確保ORトレーナーの実績を積んでジムの魅力を高める
会員の休会・退会を抑止するためにも質の高いトレーナーを確保しましょう。フィットネス専門の資格や豊富な経験があるトレーナーが在籍していると会員の満足度は上がります。トレーナーを雇う人件費はかかりますが、会員の信頼度や満足度を高められるでしょう。
またオーナー自らトレーナーの実績を積めば、人件費をかけずに済みます。安定した収益が見込めるよう、会員がこれからも通い続けたいと思える店づくりを意識しましょう。
1つのコンセプトに特化したジムを作る
1つのコンセプトに特化したジムを作るのも儲かるためのポイント。手当たり次第に会員を増やそうとするのではなく、コンセプトを目的とする利用者にターゲットを絞ることで集客が見込めるでしょう。
小規模なジムの場合、フィットネスマシンなどの設備の種類や数は大手ジムに劣ってしまいます。独自のコンセプトを持つことで競合との差別化が図りやすく、認知度も高められるでしょう。
フランチャイズに加盟して集客・人材育成などサポートを受ける
ジム経営を成功させたいならフランチャイズの加盟を検討してみてください。ジムを開業するエリアの立地調査・経営に必要なトレーニングマシンの種類や設備の情報提供・集客方法など手厚いサポートを受けられるのが最大のメリットです。
またトレーナーを雇う場合、人材育成のノウハウを提供してもらえます。経営が未経験でも安心して事業を始められるでしょう。
儲かるジムの共通点
成功するジムにはいくつかの特徴があります。
共通点①コンセプトとターゲット
明確なコンセプトとターゲット層が必要です。顧客が自分の問題として感じるようなコンセプトを持つジムは、集客がしやすくなります。例えば、特定の体型改造を目指すジムや女性専用のジムなどがあります。
共通点②地理的な立地
地理的な立地が重要です。適切な場所にあるジムは、地域の交通事情に適応し、ターゲット層が通いやすい環境を提供します。また、競合他社との適切な距離が成功への鍵です。
共通点③料金設定
料金設定も重要な要素です。顧客が最も重視するのは料金で、過度に安く設定しすぎると利益を得にくくなります。地域の相場とサービスレベルを考慮し、適切な価格設定が求められます。特にパーソナルジムでは、一人のトレーナーが一人の顧客を担当するため、低価格での大量販売が難しいです。
共通点④集客力と継続率
最後に、集客力と継続率の高さも重要です。顧客を増やすだけでなく、継続して利用してもらうことが重要です。高価格でも、優れた設備や親切なスタッフがいれば、顧客は継続して通い続けます。
ジム経営において、これらの要素をバランス良く取り入れることが、成功への鍵となります。
まとめ
フィットネスジムの経営は成功すると儲かるビジネスです。しかし経営を成功させるためには、フィットネス業界の市場を把握しておくこと・事前のリサーチによる経営戦略を立てることが重要となり、そのすべてを1人で行うのは厳しいでしょう。
ジムのフランチャイズは加盟金・ロイヤリティなど初期費用・運転費用が膨らみますが、ブランド力による集客を見込めるうえ、経営を成功させるための充実したノウハウ・手厚いサポートを提供してくれるのが大きなメリットです。フィットネスジムの経営に興味がある方は、フランチャイズ加盟も検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
取締役
藤本 晃士
2003年、関西学院大学法学部卒。
個別指導塾のエリアマネージャー、教育系ベンチャーを経て、
2014年、現所属の母体となるNBCインターナショナル(株)に入社。
教育、飲食、リラクゼーション、美容室、フォトスタジオ等、多岐にわたる業種のFC展開に携わる。
現在は、支援するAIフィットネスFCブランドに加盟店としても取り組み、チェーンNo.1店舗に成長させる。
運営ノウハウを築きながら展開支援をおこなう、ハンズオンコンサルティングを軸に活動。