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【新規事業の立ち上げに向いている人材の特徴】最適な人材の確保方法や選び方も徹底解説
新規事業の開発は簡単ではないので、失敗に終わるケースも多くあります。その原因の一つが、新規事業の立ち上げメンバーに適正な人材を配置できていないことです。
この記事では、新規事業の立ち上げに向いている人材の特徴について説明しています。最適な人材の確保方法・選び方も併せて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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<目次>
新規事業の人材に関する課題
新規事業の人材に関する課題はどの企業にとっても概ね共通しており、次の2点が挙げられます。
- 新規事業に必要な技術・ノウハウが不足している
- 人材の確保が難しい
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
新規事業に必要な技術・ノウハウが不足している
新規事業に必要な技術・ノウハウは既存事業とは異なります。そのため、既存事業が軌道に乗っていても、新規事業も同様に成功するかは分かりません。
既存事業はビジネスモデルが確立されているので、基本的にマニュアルに従って業務を遂行します。業績を上げるために蓄積されたさまざまな知識・ノウハウを、OJTを通して社内に浸透させることが可能です。
しかし、新規事業は社内にまだないビジネスモデルを生み出すことになります。やるべきこと・必要なことが立ち上げ段階では明確ではありません。社内に蓄積されているものは全て既存事業のためのものであるため、新規事業に必要な技術・ノウハウは圧倒的に不足している状態です。
人材の確保が難しい
どの企業にも収益の柱である既存事業があります。新規事業の立ち上げを任されるのは、既存事業でも多くの業務を担当するような優秀な人材であることが多いです。
しかし、既存事業と掛け持ちで成功できるほど新規事業の立ち上げは甘くありません。優秀な人材に任せることはできますが、その代わりに既存事業に大きな穴が空いてしまいます。社内だけで人材をあてがう余裕がない企業も少なくないでしょう。
また、新規事業の立ち上げを経験した有能な人材の数は労働市場の中でも限られています。
新規事業の立ち上げに向いている人材の6つの特徴
新規事業の立ち上げメンバーに誰を選ぶべきか悩んでいる企業は多いでしょう。会社の今後を左右する可能性がある業務のため、慎重に適切な人材を振り分けなければいけません。
ここでは、新規事業の立ち上げに向いている人材の特徴を紹介します。以下のような特徴がある人物を立ち上げメンバーに加えると新規事業の成功に近づけるでしょう。
- 課題の解決に向けて考えられる
- スピード感がある
- ロジカルシンキングができる
- チャレンジ精神・向上心がある
- コストに対する意識が高い
- 新規事業立ち上げの経験がある
①課題の解決に向けて考えられる
新規事業はビジネスモデルが確立されていないため、計画がスムーズに進まないことがほとんどです。一つの問題を解決するとまた別の課題が現れます。
失敗すると原因を探ろうとしてしまいがちですが、実は未経験の分野において失敗を考えても、時間ばかりかかり効率的ではありません。この時、「どうすれば乗り越えられるか」と課題の解決に向けて考えることが重要です。
新規事業の立ち上げには、「解決志向」である人材がふさわしいでしょう。
②スピード感がある
新規事業の立ち上げは、スピード感を持って行うことが重要なポイントの一つです。なぜなら、市場は目まぐるしく変化しているからです。
新規事業の立ち上げ準備に時間をかけすぎてしまうと、実際にスタートする時には市場の状態が変わってしまっていることがあります。決断力があり、スピード感を持って行動できる人が適した人材であると言えるでしょう。
ただし、「スピード感」を意識した行動は重要ですが、ただ急げば良いわけではありません。クオリティは維持しながらポイントを押さえて業務を進行できる人が求められます。
③ロジカルシンキングができる
新規事業の立ち上げでは、ロジカルシンキングができる人が必要です。
ロジカルシンキングとは、きちんと筋道を立てて考えることで、理屈や論理性を重視する考え方です。思いのまま動くのではなく、行動する前に仮説を立てて検証します。
新規事業立ち上げの際は、入念な市場調査から数字を用いて分析結果をまとめることが必要です。論理的に考えることで、内容に信ぴょう性を持たせることができます。
勢いや感覚に任せた判断では失敗する可能性が高いので、ロジカルシンキングができることが重要です。
④チャレンジ精神・向上心がある
新規事業の立ち上げは新しいことの連続です。初めて体験することばかりのため、チャレンジ精神と向上心が備わっていることが重要視されます。
また、思うように進まなかったり失敗することもあるでしょう。それでもめげずに気持ちを切り替えてチャレンジできる、諦めない姿勢が大切です。
⑤コストに対する意識が高い
新規事業の立ち上げには大きな資金が必要です。また、利益が出るまではある程度時間がかかり、最初の数ヶ月は赤字が出てもおかしくないでしょう。既存事業と同じようには売上予定が立てにくいため、コスト面については慎重に考えなければなりません。
新規事業が成功すれば、収入源が増えるので企業存続に大きく役立ちます。しかし失敗に終われば、大きな投資をした反動が企業存続に影響を与える可能性もあるでしょう。
常にコストを意識して行動できる人が新規事業の立ち上げには必要です。
⑥新規事業立ち上げの経験がある
新規事業を立ち上げたことがある経験者が一人でもいると、チーム全体にとって心強いです。
新規事業は既存事業で行っている業務とは異なり、ゼロから作り上げる業務です。未経験者だけでは何が正しいか分からないので、間違った判断をしてしまったり時間をかけすぎてしまったりする恐れがあります。
社内に新規事業立ち上げ経験のある人材がいない場合は、新規採用することも選択肢の一つです。
新規事業の立ち上げに向いていない人材の6つの特徴
次に、新規事業の立ち上げに向いていない人材の特徴を説明します。
- 課題の原因ばかりを追求してしまう
- 何事にも完璧を求めてしまう
- できない理由ばかりを考えてしまう
- 責任感がない
- 考えるばかりで行動しない
- 経験や実績を過信してしまう
これらの特徴が当てはまると他のメンバーに悪影響を与え、スムーズに業務が進まない可能性があるでしょう。
①課題の原因ばかりを追求してしまう
課題の原因を追求することは、一見正しいやり方に見えますが、新規事業の立ち上げに関しては正解とは言えません。
正解が決まっているビジネスモデルに関しては、課題の原因を探って解決することが前進するために必要です。しかし、新規事業は正解が決まっていないため、原因を追求しても結果として行き詰まってしまう恐れがあります。
課題の原因ばかりを追求してしまう人は新規事業立ち上げには向いていないでしょう。
②何事にも完璧を求めてしまう
特に初めて新規事業の担当になった際は、慎重になるがゆえに完璧を目指してしまい、身動きが取れなくなることがあります。新規事業開発においては、何事も完璧を求めていては前進できません。
どんなに仕事ができる人でも、「完璧主義者」は新規事業の立ち上げには向いていないでしょう。
③できない理由ばかりを考えてしまう
できない理由ばかりを考える人は、新規事業の立ち上げには適していません。何事においても、できない理由は探せばいくらでも出てきます。
できない理由ではなく、反対に「どうやったらできるのか」という前向きな思考が新規事業の立ち上げでは必要です。「できない」というネガティブな思考よりも、できるイメージをもって業務にあたる方がチーム全体の意識も上がり、目指したゴールに近づけるでしょう。
④責任感がない
新規事業の開発では、失敗したり思うように進まなかったりすることもあるでしょう。それを「人のせい」「環境のせい」と他責してしまうような責任感のない人は、新規事業の立ち上げメンバーには向いていません。
何が悪かったのか素直に反省した上で、意見を受け入れる謙虚な姿勢でいるとメンバーから信頼されるので、結果的に事業の成功につながります。
新規事業の立ち上げを成功させるためには、与えられた業務を全うする責任感が必要です。
⑤考えるばかりで行動しない
考えるばかりで行動に移せない人は、新規事業の立ち上げには不向きです。慎重に考えることはもちろん大切ですが、その結果として行動しなければ、成功も失敗もどちらの成果も生むことができません。
行動するからこそ何かしらの結果が出ます。実践を繰り返して学ぶことが、新規事業の成功への近道です。
⑥経験や実績を過信してしまう
「素晴らしい経験・実績がある人がチームにいれば、成功に導いてくれるのではないか」と多くの人は期待してしまうでしょう。
しかし、自分の能力に自信がある人は、過去の成功体験を基に考えて行動する傾向があります。既存事業であればうまくいくことはありますが、新規事業の場合はそうとは限りません。過去の成功にとらわれて業務にあたると、制限のある中でしかアイデアが出ず、苦労することがあります。
経験や実績は基本的には業務に役立つものです。しかし、新規事業の立ち上げでは、過去に執着せず謙虚に学び、広い視野を持って業務にあたれる人が求められます。
新規事業の立ち上げに必要なスキル
ここまで、新規事業の立ち上げに向いている・向いていない人材の特徴について見てきました。次に必要なスキルを具体的に説明します。
- 情報収集力
- 論理的思考力
- 交渉力・コミュニケーション力
- プレゼンテーションスキル
- プロジェクトマネジメントスキル
- 判断力・課題解決力
上記のように、新規事業の遂行に特化したスキルが求められます。
まず重要なのが、市場調査・競合他社のリサーチなどが適切にできる情報収集力です。インターネット・新聞・情報誌・SNSなど、さまざまな媒体を利用して情報収集をしなければなりません。あふれた情報の中から正しい情報を判断するのは簡単ではないです。
また、新規事業の準備段階から開始後まで、社内だけでなく外部の人とも交流を持つ機会が増えます。交渉力・コミュニケーション力がなければ、周囲を味方につけられないでしょう。
その他にも、論理的に物事を考えて分析する力・判断力・課題解決力も必須です。未経験者であっても、これらのスキルを備えていれば、概ねスムーズに新規事業の開発を進められることが期待できます。
新規事業の立ち上げに適した人材を確保する方法
新規事業の立ち上げに適した人材の確保に苦戦している企業は少なくないでしょう。人材を確保する方法は主に3つあります。
- 社内で人材育成をする
- 新規事業の立ち上げ経験がある人材を採用する
- 外部のプロに依頼する
どうすればふさわしい人材を集められるのか下記で説明します。
社内で人材育成をする
1つ目は、社内でトレーニングを行い、社員に新規事業に必要なスキルを身につけさせる方法です。元々抱えている人材のため、比較的費用を抑えて人材を確保することができます。
デメリットは、トレーニングによって必ずしも必要なスキルが身につくとは限らないということです。トレーニングを重ねても、新規事業の立ち上げについては未経験であることに変わりないので、経験者と比較すると頼りない部分が目立つかもしれません。
また、普段同じ場所で仕事をしているメンバーが集まっても、既存事業にまつわるアイデアに限定されてしまい、新鮮味に欠ける結果となる場合があります。
新規事業の立ち上げ経験がある人材を採用する
新規事業の立ち上げ経験がある人材を、外部から採用する方法も選択肢の一つです。
即戦力として仕事ができる人を採用できれば、社内で時間をかけて人材育成をする必要がなくなります。新規採用者からOJTをしてもらえる・その人材の持っているネットワークを活用できるというメリットもあります。
新規事業は企業にとって大事な事業であるため、単に仕事ができる人を採用するのではなく、企業風土に合致した人材であることが大切です。
また、社内の多くの部署との連携も必要となるので、コミュニケーション力が高く素早く会社に馴染める人材が適しているでしょう。
外部のプロに依頼する
新規事業の立ち上げについて知見が豊富な外部のプロに依頼する方法もあります。雇用関係を結ぶのではなく業務委託で契約すれば、必要な期間だけ業務を依頼することが可能です。新規事業立ち上げのアドバイザー的な役割を担ってもらうほか、社内人材への研修などをしてもらうと良いでしょう。
ただし、その道の専門として高度な知識を持ち合わせており、貢献度が高いであろうことから単価は比較的高額です。依頼する際は、新規事業の立ち上げに関する実績を確認し、周囲の評判も知った上で慎重に契約しましょう。
【ポジション別】新規事業の人材の選び方
新規事業の人材の選び方は、既存事業とは異なるため注意が必要です。下記でポジション別に選び方を説明します。
- 責任者の選び方
- リーダーの選び方
- メンバーの選び方
それぞれ確認していきましょう。
責任者の選び方
新規事業は企業の今後を左右する大事なプロジェクトのため、大きな責任が伴います。さらに、常にさまざまな問題と直面するものです。
そのため、新規事業の責任者は経営者本人または経営者に近い立場の人が適任です。会社のトップが責任者になることで、新規事業が会社にとっていかに重要な案件であるかが社内の従業員に伝わります。また、責任者が会社の代表者ということで、メンバーが思い切ったチャレンジをしやすい環境を作れるでしょう。
リーダーの選び方
責任者の次に重要なのがリーダーの選定です。リーダーシップがあるのはもちろん、新規事業に対して好感を持っていてやる気のある人がふさわしいでしょう。
リーダーは、メンバーに直接指示を与えて業務の進捗を管理する役割があります。メンバーとコミュニケーションを取りながら業務の最終判断をする大事な存在です。
普段から信頼を寄せられていて、しっかりコミュニケーションが取れる人が向いています。
メンバーの選び方
メンバーの選別は、責任者・リーダーの両者で行いましょう。新規事業を理解し賛同している人・モチベーションのある人が望ましいです。社内で公募をすれば、やる気のあるメンバーを集められるでしょう。
新規事業に向いている・必要なスキルを持ち合わせていることも重要なポイントです。コミュニケーション力が高く、自分の意見をはっきりと述べられる人を選びましょう。
まとめ
新規事業の立ち上げでは、適切な人材の確保が問題になることが多いです。選ぶメンバーによっては、新規事業に悪い影響が出る可能性もあるので、慎重に選択しなければなりません。
人には向き・不向きが必ずあります。新規事業の立ち上げにおいても向き・不向きがあるので、ふさわしい人材か見極めて配置することが成功につながるでしょう。
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BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。