【スポーツジムが倒産するとどうなるの?】市場状況や過去に倒産したジムの事例もご紹介

コロナ禍の影響により、2022年度のスポーツクラブ業界は倒産・閉店する企業が急増しました。2023年はアフターコロナに向けて、さまざまな制約が解除されつつあるため、今後のスポーツクラブの動向が気になりますよね。 この記事ではスポーツクラブの倒産・市場状況・過去に倒産したジムの事例などをご紹介します。ジムの倒産を防ぐためのポイントも解説していますので、ジム経営を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

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<目次>

  1. 倒産(経営破綻)とは
  2. スポーツクラブ業界の倒産状況について種類別にご紹介
    1. フィットネスジムの場合
    2. スポーツジムの場合
  3. スポーツジムの閉店ラッシュ!2022年のジムの倒産状況は?
    1. コロナ融資後の返済不能による倒産
    2. 人手不足による倒産
    3. 後継者不在による倒産
    4. コロナ後の会員が戻らず倒産
  4. 2023年のコロナ後のスポーツジム倒産は増える可能性あり
  5. ジムの倒産を防ぐためにすべき2つのこと
    1. 売上を上げる
    2. 不要なコストをカットする
  6. スポーツジムが閉店・倒産してしまった事業例をご紹介
    1. アメリカのゴールドジムの経営破綻
    2. パーソナルジム「Xslim」の経営破綻
  7. 倒産を防ぐためにスポーツジムを閉鎖・撤退したジム一覧をご紹介
  8. まとめ

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倒産(経営破綻)とは

あくび

倒産・経営破綻とは、明確な定義はありませんが、一般的には経営が行き詰まり弁済しなければならない債務が弁済できなくなった状態を指しています。

倒産・経営破綻というと会社が無くなるイメージを持つ方も少なくないでしょう。しかし倒産手続きには精算型・再建型があり、事業を再開するケースもあります。

精算型は最終的に法人・企業が消滅することになる倒産手続きの類型。資産をすべて現金化し債務の弁済に当てる破産手続き・債務超過に陥った会社を精算する特別精算手続きがあります。

一方、再建型は法人・企業を存続させながら再建を図る倒産手続きの類型。中小企業向けに行われる民事再生法と株式会社などの大企業が行う会社更生手続きがあります。

 

スポーツクラブ業界の倒産状況について種類別にご紹介

白黒の男性

新型コロナの感染拡大により、スポーツクラブ業界では倒産や廃業が相次ぎました。この章ではスポーツクラブの倒産状況について種類別に詳しく解説していきます。内容は以下の通りです。

  • フィットネスジムの場合

  • スポーツジムの場合

帝国データバンクの倒産集計によると、2022年度のフィットネスジム・スポーツジム事業者の倒産・廃業は過去10年間で最多となる27件となっています。

 

フィットネスジムの場合

フィットネスジムは筋肉トレーニング以外にもダイエット・リラクゼーション・運動不足の解消など、さまざまな目的を持った利用者が多いのが特徴。不特定多数が接触する場所のイメージが強く、コロナ禍の影響により会員の退会・休会が増加しました。

フィットネスジム首位級のコナミスポーツは、2021年2月末に9店舗、さらに5月末には16店舗が閉店となりました。セントラルスポーツでは、2020年4~9月のフィットネス部門の売上高が77.6億円と前年同期に比べ49.2%減少。ルネサンスも同期間のフィットネス部門の売上高が57.3億円にまで激減、前年同期比52.1%減となるなど大打撃を受けました。

 

スポーツジムの場合

スポーツジムの特徴としては筋肉トレーニング・ボディメイクに特化したマシンを導入しているのが特徴。代表的な業態としては24時間ジム・パーソナルトレーニングジムがあげられるでしょう。とくにリーズナブルな会費でいつても利用できる24時間ジムは、コロナ禍においても店舗を拡大し続けています。

しかしフィットネスビジネスの日・米・英の民間フィットネスクラブ市場規模データ(2016年〜2021年)によると、2021年度のスポーツジムの店舗数は6,757軒とコロナ禍前の2018年度よりも増加していますが、売上高は少ない状態です。このことから各社で価格競争が始まっており、競合が多い地域ではさらに激化していくものと予測されます。

 

スポーツジムの閉店ラッシュ!2022年のジムの倒産状況は?

コロナのグラフ

スポーツジムの倒産が相次いだ背景には、どのような理由があるのか詳しく解説していきます。内容は以下の通りです。

  • コロナ融資後の返済不能による倒産

  • 人手不足による倒産

  • 後継者不在による倒産

  • コロナ後の会員が戻らず倒産

2022年はスポーツジムだけに限らず、倒産する中小企業が急増しています。主な倒産状況や、その理由を見てみましょう。

 

コロナ融資後の返済不能による倒産

主な倒産理由のひとつに、コロナ融資後の返済不能によるものがあげられます。コロナ融資とは、コロナ禍の影響により売上が減った企業へ無利子・無担保で融資する制度のこと。経営に必要な運転資金・設備資金について融資を受けられます。

2020年3月から開始された制度で、貸付期間は20年以内・利息のみの支払い期間を意味する据え置き期間は最大5年間。融資限度額は8,000万円となっています。(参照:日本政策金融金庫公式サイト

コロナ禍により業績が悪化した中小企業が急増したものの、コロナ融資を始めとした政府の支援策で資金繰りを支えてきました。その一方で業績の立て直しが出来ないままコロナ融資を使い切った企業も多くあります結果、返済の目処がたたない・銀行からの追加融資ができないなどの理由から事業継続を諦める倒産が急増しました。

 

人手不足による倒産

朝日新聞によると、従業員の離職や採用難による人手不足で経営が悪化し、倒産した企業が急増しています。2023年4月は30件と、2013年1月に集計を開始して以降もっとも多くなりました。

さらに物価高の影響も受け、人手不足と人件費高騰がコロナで多大なダメージを受けた中小企業にとって大きなリスクになることが懸念されています。

 

後継者不在による倒産

後継者が見つからない理由での倒産も増えています。帝国データバンクの全国企業「後継者不在率」動向調査によると、2022年の全国・全業種約27万社のなかで後継者不在率は57.2%でした。

その原因としては、経営層の平均年齢の上昇・事業承継の準備不足・事業の将来性や負債への不安・後継者育成の余力不足などがあげられます。

これまでは事業の将来性や負債への不安から後継者が事業を継ぐのをためらい、倒産に至ったケースが多くみられました。しかし2022年度は後継者の選定・育成ができないまま、企業の代表者が活動できなくなり倒産となった企業が増加傾向にあります。

 

コロナ後の会員が戻らず倒産

コロナ禍において、スポーツジム・フィットネスクラブは感染リスクが高い施設として営業の自粛要請が相次ぎました。

会員の休会・退会が増えるなど大打撃を受けましたが、オンラインや少人数でのレッスンなど新たなニーズを掘り起こし、利用者回復に繋げてきました。しかし2022年度の物価高により業績を押し下げています。食品の値上げだけでも月間6,000円の家計への負担が増えるなか、ジムの会員費は節約対象になりやすいといえるでしょう。

 

2023年のコロナ後のスポーツジム倒産は増える可能性あり

5月のカレンダー

2022年に引き続き、2023年のスポーツジムの倒産が増える可能性はあるでしょう。アフターコロナに向けてさまざまな業種で業務が正常化しつつあります。しかし物価高による生活費の上昇で、フィットネスジム・スポーツクラブの会費はコストカットの対象になり得るでしょう。

さらに光熱費の高騰によりプール・空調・照明が多いフィットネスジムは会費の値上げを検討する店舗が増加。また2022年度は2021年よりも会員数が増加したものの、コロナ禍前よりも少ない状況が続いているため運営コストを賄えない可能性が高いと予測できます。

 

ジムの倒産を防ぐためにすべき2つのこと

3つのチェック

ジムの倒産を防ぐためにすべきことを解説していきます。内容は以下の通りです。

  • 売上を上げる

  • 不要なコストをカットする

2022年に引き続き2023年も倒産が相次ぐことが予想されているジム業界。独立・開業を検討中の方は、安定した経営を続けるためにもぜひチェックしておきましょう。

 

売上を上げる

売上を上げるための方法は単価の向上・集客の強化の2つ。どちらにしても事業の見直し・付加価値の高いサービスの開発が必要といえます。

現在、多くのジムで会費の値上げが検討されています。しかし顧客単価を上げても会員が減ってしまっては売上アップに繋がりません。そのため既存のサービスをパッケージ化するなど、会員が減らないよう集客にも力を入れる必要があるでしょう。

 

不要なコストをカットする

ジムの倒産を防ぐために大切なのがコストカット。コストカットには店舗を閉鎖するマクロな考え方と、人件費や広告費などの不要な経費を削るミクロな考え方があります。

ミクロなコストカットで経営を維持するのが理想的です。しかしコロナ禍においては人々の生活や習慣が大きく変化したためマクロなコストカットをせざるを得ないケースも少なくありません。

採算が取れない店舗を運営し続けるより、早い段階で閉店や撤退を決断するのもひとつの方法です。売上が落ちなかった店舗への人員補充・新たなジムの展開などにコストを割くのも重要といえます。

 

スポーツジムが閉店・倒産してしまった事業例をご紹介

緑色とオレンジ色の実績

スポーツジムが閉店・倒産してしまった事業例を見ていきましょう。内容は以下の通りです。

  • アメリカのゴールドジムの経営破綻

  • パーソナルジム「Xslim」の経営破綻

先ほども述べた通り、倒産・経営破綻には再生型の手続きもあります。必ずしも会社が消滅したというわけではなく、事業を継続するために経営破綻するケースがあることを覚えておきましょう。

 

アメリカのゴールドジムの経営破綻

2020年5月、アメリカのゴールドジムの運営企業・GGIホールディングスが経営破綻しました。しかし会社が消滅したわけではありません。

アメリカの破産法には、いくつかの破産のタイプがあります。そのなかの第11条は業務・債務・資産を再編成しながら活動を続けるための戦略としてよく使われているもの。ジムチェーンにおいては、賃貸リースから一度解放されたのち、高額な賃料について再交渉できます。つまり費用を大幅に削減した状態で事業を再開できる仕組みです。

アメリカのゴールドジムも破産法の第11条を申請しています。企業を倒産させる代わりに債務の再編成を選択したといえるでしょう。

 

パーソナルジム「Xslim」の経営破綻

2014年設立のエクスリム株式会社は女性会員をターゲットにしたパーソナルジムXslim(エクスリム)を運営。東京・埼玉・神奈川・大阪・福岡で展開し、総店舗数は7店舗、約400名の会員が在籍していました。

2019年3月期には年収入高約2億5,000万円を計上していましたが、コロナの影響による休業要請により臨時休業。再開の見通しが立たないまま2020年5月に破産手続き開始決定を受けました。

 

倒産を防ぐためにスポーツジムを閉鎖・撤退したジム一覧をご紹介

虫眼鏡の情報

コロナ禍の影響で営業自粛を余儀なくされた総合ジムの倒産・撤退が多く見られました。総合ジムはマシン・プール・スタジオなどの設備が備わっており、店舗の規模が大きいのが特徴です。この章でご紹介する倒産を防ぐためにスポーツジムを閉鎖・撤退したジム一覧(参照:フィットネスビジネス)についても総合ジムが多く見られました。

コナミスポーツクラブ

  • コナミスポーツクラブ 大谷地

  • コナミスポーツクラブ 高崎

  • コナミスポーツクラブ 西葛西

  • コナミスポーツクラブ 東松原

  • コナミスポーツクラブ 新潟

  • コナミスポーツクラブ 一宮

  • コナミスポーツクラブ 草津

  • コナミスポーツクラブ 今里

  • コナミスポーツクラブ 和泉府中

  • コナミスポーツクラブ 香里園

  • エグザス 西九条

  • コナミスポーツクラブ 姫路中央

  • コナミスポーツクラブ 松山

  • コナミスポーツクラブ 福岡マリナタウン

  • コナミスポーツクラブ 筑紫野

  • コナミスポーツクラブ 大分明野

  • コナミスポーツクラブ 白石

  • コナミスポーツクラブ ユーカリが丘

  • コナミスポーツクラブ 立川

  • コナミスポーツクラブ 青葉台

  • コナミスポーツクラブ 勝川

  • コナミスポーツクラブ 古川橋

  • コナミスポーツクラブ 江坂

  • コナミスポーツクラブ 梅田

  • コナミスポーツクラブ 奈良

ルネサンス

  • スポーツクラブルネサンス 尼崎

  • スポーツクラブルネサンス 練馬高野台

ティップネス

  • ティップ.クロス TOKYO新宿

  • ティップネス梅田

  • ティップネス日本橋スタイル

  • libery日本橋高島屋S.C.

 

まとめ

調べる男性

コロナ禍の業績悪化に伴う倒産を防ぐために、コロナ融資などさまざまな対策がされてきました。しかし2023年以降は、コロナ融資の返済時期にあたる企業が増加すると予測されています。よって2022年に引き続き、2023年度も経営の立て直しができない・行き詰っている企業の倒産が増える可能性が高いでしょう。

物価高などの影響により、ジム業界は厳しい経営状態が続くと予想されていますが、運動・健康が重要視され、フィットネスの需要が高まっているのも事実です。今後はオンライン型のジム・アウトドア型のフィットネスなど顧客のニーズに合った新たな事業を掘り起こすのが課題といえるでしょう。

 

           

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この記事の信頼性

BBSインターナショナル株式会社 取締役 藤本 晃士

BBSインターナショナル株式会社

取締役

藤本 晃士

2003年、関西学院大学法学部卒。
個別指導塾のエリアマネージャー、教育系ベンチャーを経て、
2014年、現所属の母体となるNBCインターナショナル(株)に入社。
教育、飲食、リラクゼーション、美容室、フォトスタジオ等、多岐にわたる業種のFC展開に携わる。
現在は、支援するAIフィットネスFCブランドに加盟店としても取り組み、チェーンNo.1店舗に成長させる。
運営ノウハウを築きながら展開支援をおこなう、ハンズオンコンサルティングを軸に活動。

0120-957-320