作成日:
最終更新日:
【新規事業の狙い目の見つけ方とは?】狙い目の4つの基準や見極めに役立つフレームワークもご紹介
新規事業の成功率を上げるためには、成長が見込める事業かどうかを見極める必要があります。しかし成長が見込める事業をどうやって探せばいいのか・何を基準にして判断するべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では新規事業の狙い目の見つけ方について詳しく解説しています。新規事業の狙い目の基準・見極めに役立つフレームワークについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んだ人にオススメ
新規事業選びの成功法則!押さえるべき3つの重要ポイント
<目次>
そもそも新規事業の立ち上げは成功しやすい?
新規事業が成功する確率は低いといえます。
アビームコンサルティングが2018年に実施した「新規事業の実態調査」によると、新規事業創出を検討した企業のうち、実際に立ち上げに至った事業は全体の45%、そのうち単年黒字化に至った事業は17%でした。さらに累損解消に至る事業は7%、中核事業に育つ事業は4%と、かなり低い数字となっています。
したがって新規事業の成功率は低いことから、参入する分野の狙い目を見定め失敗のリスクを軽減できるよう事前に準備することが重要です。
新規事業の狙い目となる4つの基準
この章では新規事業の狙い目となる基準について詳しく解説していきます。内容は以下の4つです。
- 競合が少ない事業
- 顧客ニーズが高い事業
- 自社が参入しやすく、他社の参入が難しい事業
- 自治体ビジネス
まずは、それぞれの基準に沿って新規事業の狙い目となる分野を探していきましょう。
①競合が少ない事業
まずは、競合が少ない分野を基準にしましょう。特に競合が少ないニッチな分野であれば、競合他社と価格競争をする可能性が低いほか、事業が注目されたときに需要が集中するため、利益を独占できる可能性があります。
一方、競合が多い分野に新しく参入するとなると、一定の顧客を持つ競合他社の優位性が高く、独自性がなければ利益を上げるのは難しいと言えるでしょう。
②顧客ニーズが高い事業
新規事業は、顧客ニーズが高い事業を基準にするのも重要です。競合が少ない分野だとしても、顧客ニーズが低ければ、事業がスケールするのは難しいと言えます。
また顧客ニーズや市場は、技術の向上・トレンドの流れ・社会情勢により変動が激しく、長期に渡り需要を維持するのは難しいものです。これまで売れていた商品が売れなくなったり、後発で新規参入した企業が大ヒットを生み出したりと、市場の変化に苦戦している企業も少なくないでしょう。
したがってインタビュー調査・アンケート調査などを実施し、顧客ニーズをしっかり分析することが大切です。顧客が抱える問題を把握して解決することが、安定した利益につながります。
③自社が参入しやすく、他社の参入が難しい事業
自社が参入しやすく、他社の参入が難しい分野を基準にするのが望ましいでしょう。自社に強みがある分野であれば競合他社の参入が難しく、市場における自社の優位性を確保できるでしょう。
さらに経済・社会情勢の課題や困難を逆手に取った事業であれば、他社を引き離しやすいといえます。逆境の中、人々のニーズに応え一気に注目を集めれば、事業拡大にもつながります。
④自治体ビジネス
地方創生を実現するための企業支援が増えている現在、自治体ビジネスを新規事業の基準とするのもおすすめです。
その理由は、自治体との地方創生の取り組みにより、地域の活性化と新規事業の創出につながるためです。地域を活性化させる手段はさまざまですが、就農者支援やWEBマーケティング支援・副業支援など、地方の問題を解決する活動が新規事業につながります。
さらに税金の優遇・人件費が安いといったメリットもあります。都市部に比べ物価も安く、事務所の賃料などの固定費を抑えられるでしょう。
新規事業の狙い目の探し方5選
この章では新規事業の狙い目の探し方について詳しく解説します。内容は以下の5つです。
- スモールスタートできるか
- 社会や市場の変化から見つける
- 海外の成功事例から探す
- 異業種の情報を集める
- テクノロジーとの関連性から探す
新規事業で成功するためにも、狙い目を探すためのポイントを押さえましょう。
①スモールスタートできるか
新規事業の成功確率を上げるためにも、まずはスモールスタートできるかどうかを見極めることが大切です。
スモールスタートとは、限定的なサービスで事業を始めること。コストを抑えてスタートできる・改良を繰り返しながら事業を展開できるといったメリットがあります。
スモールスタートは売れない商品の大量生産、それに伴う在庫超過といったリスク回避につながります。また顧客の評判が良ければ事業の展開・拡大を、悪ければ規模の縮小や中止を判断することも可能です。
②社会や市場の変化から見つける
新規事業の狙い目を探す2つ目の方法は、社会や市場の変化点を探すことです。すでに競合が多い市場であっても、市場環境の変化によって競争軸が変わり、新規参入できる好機になります。
市場の変化を察知しすばやく新規事業開発に活かしていくためにも、日々の市場調査・分析を行い、どの分野にどのような兆しがあるのかをしっかり見極めるのが重要です。
③海外の成功事例から探す
新規事業の狙い目を探す3つ目の方法は、海外の成功事例を探すことです。海外は起業数も多く、日本にはない数多くのビジネスアイデアがあります。
とくに経済大国のアメリカ・中国は、世界のなかでも、たくさんのベンチャー企業が誕生している国です。海外で成功したサービスを日本で展開したり、ビジネスモデルを取り入れたりすれば、事業が成功する可能性は高まるでしょう。
④異業種の情報を集める
狙い目の事業を見つけるための4つ目の方法は、異業種の情報を集めることです。異業種のビジネスモデルや情報は、新事業のアイデアを出したり、ブラッシュアップしたりする際に役立ちます。
情報収集の方法は、直接の交流会や情報交換会のほかに、オンラインサロン・SNS上のビジネスコミュニティなどさまざまです。異なる業種・事業の考え方や意見を把握すれば、新たな発見やアイデアの創出につながるでしょう。
⑤テクノロジーとの関連性から探す
狙い目の事業を見つける5つ目の方法は、テクノロジー分野との関連性から探すことです。
多くの企業から、AIやVR・MR、5Gなど新しい技術を取り入れた、さまざまな商品・サービスが誕生しています。そのため新規事業は、IT技術と他の業態との融合が求められるといえるでしょう。
生物学と技術を組み合わせたバイオテック・金融と技術を組み合わせたフィンテックなども身近になりつつあるサービスです。新規事業の開発に最新のテクノロジーを取り入れることで、今までになかった顧客体験を提供できるでしょう。
狙い目の新規分野を事業にするためのポイント
この章では狙い目の新規分野を事業にするためのポイントについて詳しく解説していきます。内容は以下の3つです。
- ターゲットを狭く設定する
- 商材や売り方を明確に決める
- 既存の事業を応用できるか検討する
狙い目の新規事業が定まったら、実際に事業を進めていくための計画・準備を行いましょう。
①ターゲットを狭く設定する
新規分野を事業にするためには、顧客ターゲットを狭く設定するのがポイントです。
幅広い顧客をターゲットにしてしまうと、商品開発や宣伝方法などが中途半端になり、顧客満足度があがりません。また競合との差別化を図るのも難しいといえます。
ターゲットを絞り込み、特定の顧客層・市場を明確に定めることは、効率的かつ効果的なマーケティング戦略につながります。
②商材や売り方を明確に決める
2つ目のポイントは、商材や売り方を明確に決めることです。
誰に・何を・どのくらい売るかを明確にすることで、収益を得るプロセスや収益を高める方法が分かり、自社の強みや今後の方向性も見えてくるでしょう。
また、どんなに素晴らしいアイデアでも、企業として継続的に取り組む以上、どうやって収益を得ていくのかを検討するのも大切です。どのようなリソースが必要でコストはどれくらいかかるのかを洗い出し、効果的に収益を得るための方法を考えておきましょう。
③既存の事業を応用できるか検討する
3つ目のポイントは、既存の事業を応用できるか検討することです。
新規事業に活用・応用できれば競合との差異化が容易となり、事業の成功確率が高まるでしょう。また既存事業との相乗効果で、企業の収益力向上も期待できます。
具体的には、既存事業の経営ノウハウ・自社独自の技術・実績のあるマーケティング手法など、自社の強みを洗い出し、事業に活用・応用できるかを検討します。
新規事業のニーズの見極めに役立つフレームワーク3選
この章では新規事業のニーズの見極めに役立つフレームワークを紹介します。内容は以下の3つです。
- バリュープロポジション
- ポジショニングマップ
- PEST分析
狙い目の新規事業が成功するかどうかを判断するためには、自社・顧客・競合他社の3つの視点で、事業のニーズを見極めることが重要です。それぞれのフレームワークのメリットを把握し、ニーズ調査・分析する際にはぜひ活用しましょう。
①バリュープロポジション
バリュープロポジションとは、顧客のニーズが高く、かつ競合他社では提供できず自社だけが提供できる価値のこと。バリュープロポジションを明確にすることで、他社が真似できない自社独自の強みに磨きをかけ、商品企画・マーケティング戦略の立案や改善に役立ちます。
バリュープロポジションを作成する際は、以下の順番で考えていきましょう。
- 顧客が望んでいる価値
- 自社が提供できる価値
- 競合他社が提供できる価値
顧客ニーズとのズレが生じたり、競合との差別化を図ることだけに気を取られたりするリスクを抑えるためにも、まずは顧客が望む価値から考えていきましょう。
また顧客が望んでいる価値を見いだすためにも、インタビュー・アンケート・テストマーケティングなどを実施し、顧客ニーズを調査・分析することが重要です。
自社が提供できる価値を考える際は、自社の強みを洗い出し明確にしておくのが大切です。ヒト・モノ・カネ・情報といった自社の経営資源、子会社や提携パートナー、ブランドなどを切り口に、自社の強みを洗い出し整理しましょう。
次に競合他社が提供できる価値を考えます。サイト分析・アクセス分析・口コミやSNS分析など、競合調査・分析をしっかり行い、競合が提供できる価値を整理しましょう。
最後に、自社・顧客ニーズにあって、競合他社にはない自社の強みを分析します。この自社独自の強みがバリュープロポジションです。
②ポジショニングマップ
ポジショニングマップは、ターゲット市場における自社の商品・サービスの立ち位置を視覚化した図表のこと。自社の独自性・強みや、狙うべき市場・ターゲットを分析できるため、競合他社との差別化を図る際に役立つ手法です。
なおポジショニングマップは、既存の商品・サービスの差別化や優位性の確立をしたいときに活用するのが一般的ですが、新商品・サービスの開発にも活用できます。
③PEST分析
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境を政治・経済・社会・技術の4つの視点から検討するマーケティング分析のフレームワークです。
PEST分析は、マーケティング戦略や施策の方向性の明確化・市場の将来性や変化を予測するのに有効で、新規事業のアイデアを整理する際に役立ちます。
新規事業におすすめの事業
この章では新規事業におすすめの狙い目な事業を紹介します。内容は以下の2つです。
- パートナーエージェント
- ファディー
いずれもフランチャイズビジネスになりますが、冒頭で述べた新規事業の成功確率を鑑みれば、すでにパッケージ化されているフランチャイズを活用することも有力な選択肢の一つとなるでしょう。それぞれの特徴・メリットについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
①パートナーエージェント
「パートナーエージェント」は、登録会員数・成婚率ともに、業界トップクラスを誇る結婚相談所のフランチャイズです。
フランチャイズ本部独自の送客支援システムにより、集客を一任できるのが大きな特徴。また既存自社事業への送客も可能で、将来の見込み顧客をストックできるメリットがあります。不動産業および住宅販売業・自動車販売業・保険業・美容系サービス業など、さまざまな事業との相乗効果が期待できます。
②ファディー
「ファディー」はAI(人工知能)搭載のパーソナルトレーニングを提供する女性専用フィットネススタジオ。専門トレーナーに依存しないトレーニングで、場所や人件費などのコストを抑えられるのが大きな特徴です。
さらに、通常高価なパーソナルトレーニングを安価な月額プランで提供・通い放題・女性専用といった戦略的なビジネスモデルで、競合他社との差別化を実現できます。
まとめ
狙い目の事業は、競合他者が少ない・顧客ニーズが高い・自社が参入しやすく他社の参入が難しい・自治体ビジネスを基準にするといいでしょう。また狙い目の分野を事業化する際は、フレームワークを活用しながら、ターゲットを定める・商材や売り方を明確にする・既存事業を応用するのがポイントです。
新規事業の成功は容易ではありません。思いつきで進めるのではなく、しっかり調査・計画・準備することが重要です。本記事を参考に、新規事業の成功を目指しましょう。
フランチャイズ本部に完全委託で高収益の投資型フランチャイズはこちら>>
上場企業が運営支援する高収益な結婚相談所ビジネスはこちら>>
この記事を読んだ人にオススメ
新規事業選びの成功法則!押さえるべき3つの重要ポイント
この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。