【フランチャイズにはどんな種類がある?】FCの基礎知識や業務形態・業種もそれぞれご紹介
フランチャイズビジネスでの開業を検討している方にとって重要なのが、加盟先のフランチャイズ選びです。しかしフランチャイズは業務形態・業種もさまざま。どうやって自分に合ったフランチャイズを選べばいいのか、気になるところです。
本記事では、フランチャイズの種類について詳しく解説していきます。フランチャイズの基礎知識や業務形態・業種についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
フランチャイズとは
フランチャイズとは、フランチャイズ本部にロイヤリティを支払う代わりに、本部が持つブランドの使用権・販売や経営ノウハウの提供を受けながら事業を行うビジネスシステムのことです。
フランチャイズ契約を結ぶことで、本部のブランド力・商品やサービス・経営ノウハウなどを活用できるため、事業経験がない方でも比較的容易に開業に踏み出せるでしょう。
またフランチャイズ本部は、オーナーから加盟金やロイヤリティを受け取りながら、事業を拡大できます。
したがってフランチャイズは加盟店・本部の双方にとってメリットがあるビジネスシステムといえるでしょう。
フランチャイズのロイヤリティの3つの種類
この章では、フランチャイズのロイヤリティの種類について詳しく解説していきます。業種・本部の方針や契約内容によっても異なりますが、ロイヤリティの種類は、以下の3つの算出方法によって分かれます。
- 売上歩合方式
- 粗利分配方式
- 定額方式
先程も述べた通り、フランチャイズ契約では本部へのロイヤリティの支払いが必要です。どのような算出方法なのか、それぞれの特徴をしっかり把握しておきましょう。
①売上歩合方式
売上歩合方式とは、加盟店の売上に対して規定の比率をかけてロイヤリティを算出する方式のことで、多くのフランチャイズが採用しています。
- 月の売上×規定の比率(%)
例えば、売上が100万円・ロイヤリティが10%であれば、加盟店が毎月支払うロイヤリティは10万円です。売上に比例するため、売上が少なければロイヤリティは減り、売上が増加すれば当然ロイヤリティも増えます。
なかには売上が多い店舗に対してロイヤリティの比率を下げる制度を取り入れている本部もあります。
粗利分配方式との違いは、商品の仕入れ額など売上原価が変動しても売上が同じであれば、ロイヤリティの金額は同じだという点です。仕入れ額が小さければ加盟店側の利益が大きく、仕入れ額が増えると加盟店側の利益は減ります。
②粗利分配方式
粗利分配方式とは、加盟店の売上総利益に対して規定の比率をかけてロイヤリティを算出する方式のこと。なお売上総利益とは、売上から仕入れ額・原材料費といった売上原価を差し引いた金額のことで、粗利益とも呼ばれています。
- 売上総利益(月の売上-売上原価)×規定の比率(%)
粗利分配方式は主にコンビニエンスストアで用いられており、売上歩合方式同様、売上総利益が増えればロイヤリティも増えます。
フランチャイズの契約内容によっては、売上総利益の金額に応じて、ロイヤリティの比率が段階的に変動していくケースもあるため、しっかり確認するようにしましょう。
③定額方式
定額方式とはその名の通り、毎月決まった金額をロイヤリティとして支払う方式のこと。例えばロイヤリティが毎月10万円と決まっている場合、どれだけ売上が増加したとしても10万円以上のロイヤリティを徴収されることはありません。
売上歩合方式・粗利分配方式と違い、ロイヤリティの金額が変動しないため、資金を管理しやすい・売上に応じて大きな利益を得られるのがメリットです。
しかし売上が減少したとしてもロイヤリティは減りません。開業した当初や事業が軌道に乗るまでの期間など、収益が少ないうちはロイヤリティが負担となる可能性があります。
フランチャイズの経営で必要な3種類のスキル
この章では、フランチャイズの経営で必要な3つのスキルについて詳しく解説していきます。内容は以下の3つです。
- 収益管理能力
- 人材マネジメント能力
- オペレーション能力
経営を成功に導くためにも、オーナーに必要な能力を把握し、高めていくことが大切です。
①収益管理能力
フランチャイズオーナーとして収益管理能力は重要です。売上だけを重視するのではなく、コスト管理を徹底しながら利益を生み出していかなければ、経営は成り立たないでしょう。
適切な発注・人材配置で原価や人件費の無駄を無くし、運営コストを抑えるよう、収益管理を綿密に行う必要があります。財務表や決算書などの財務データを読み取るスキルも身につけておくべきです。
もし収益管理能力がない場合、フランチャイズ本部で研修を行っていたり、他店のフランチャイズオーナーに相談できたりするケースもあります。収益管理を学べる本部を探してみるのもおすすめです。
コストを抑えるため店舗のDX化については以下の記事で詳しく解説しています。
②人材マネジメント能力
フランチャイズに限らず、経営者に求められるのが、スタッフの採用・育成といった人材マネジメント能力です。
オーナーひとりで運営するような小規模事業を除き、事業を始めるとスタッフを雇う場合がほとんどです。新人スタッフが一人前になるまで、オーナー自ら採用や育成に携わる必要があります。
またスタッフのシフト管理は、店舗のオペレーションや人件費に直結します。業務過多にならないよう臨機応変な対応や、スタッフのスケジュール・満足度に配慮した管理が重要です。
③オペレーション能力
店舗運営の効率化のためにも、オーナーは店舗のオペレーションに精通している必要があります。例えば、飲食業ならメニューの作り方・接客やクレーム対応・衛星管理や安全管理などについて熟知していなければなりません。
フランチャイズ経営では、本部から作業マニュアルが提供されるため、一からオペレーションを考える必要はありませんが、本部に頼ってばかりでは経営を成功させるのは難しいでしょう。作業の効率化や売上アップに繋がるよう、オーナー自身がオペレーションの工夫や見直しを計っていくことが大切です。
フランチャイズビジネスにおける3種類の業務形態
この章では、フランチャイズビジネスにおける3つの業務形態について詳しく解説していきます。内容は以下の通りです。
- ビジネスフォーマット型フランチャイズ
- ターンキー型フランチャイズ
- コンバージョン型フランチャイズ
フランチャイズ加盟で失敗しないためにも、業種やロイヤリティの種類だけではなく、業務形態にも着目しながらフランチャイズの加盟先を検討していきましょう。
①ビジネスフォーマット型フランチャイズ
ビジネスフォーマット型フランチャイズとは、フランチャイズ本部が持つブランドの使用権およびビジネスモデル・運営方法をパッケージ化したものを提供する業務形態のこと。日本において、数多くのフランチャイズが採用しています。
加盟店は、本部のブランド力や知名度を利用できるため店舗の宣伝効果を高められるほか、どのように集客し、いかに利益を上げていくかといった経営ノウハウの提供を受けられます。
業務オペレーション・スタッフの育成方法・仕入れ業者の選定や商品の受注方法などもマニュアル化されており、事業経験がない方でも安心して開業できるのがメリットです。
フランチャイズパッケージの内容は、各フランチャイズによって異なります。店舗が必要な業種の場合、オーナーが責任を持って立地や物件の選定・内装工事などを本部のアドバイスを受けながら進めなければいけませんが、なかには本部が店舗を選定してくれることもあります。
②ターンキー型フランチャイズ
ターンキー型フランチャイズとは、フランチャイズ本部がオーナーに対し、完成済みの店舗を提供する業務形態のこと。主に、コンビニエンスストアの開業形態のひとつであるCタイプに採用されています。
オーナーがすべきことは、加盟時にかかる費用の調達と本部が行う研修の受講のみです。比較的短期間で、手軽に開業できるのがメリットといえます。
ただし契約するにあたって、年齢が制限されていたり夫婦での就業が必須だったりと、細かい条件が設けられているケースが多いので注意しましょう。また毎月のロイヤリティが割高な場合もあるため、契約内容をしっかり確認したうえで比較・検討するのが大切です。
③コンバージョン型フランチャイズ
コンバージョン型フランチャイズとは、個人ではなく、すでに事業を行っている同業者を加盟対象としてフランチャイズ契約を結ぶ業務形態のこと。主に、ホテル業・不動産業・建築やリフォーム業などで採用されています。
加盟店は、本部のブランドを使用できるため自社の信頼度を高められるほか、本部のシステムや経営ノウハウを活用しながら、さらなる事業展開を目指せるのがメリットです。
また、最近注目を集めている新しいフランチャイズの形として、「投資型フランチャイズ」というシステムを採用する本部も増えてきています。
投資型フランチャイズ徹底解説レポート
フランチャイズビジネス5つの業種
この章では、代表的なフランチャイズビジネスの業種を紹介します。内容は以下の5つです。
- 学習塾や家庭教師などのスクール系
- スポーツジム・フィットネス
- 飲食業
- コンビニエンスストア
- ハウスクリーニング
フランチャイズで参入できる業種はさまざまです。自分にとって、どのような事業形態・事業プランがいいのかを比較検討しながら業種を選びましょう。
①学習塾や家庭教師などのスクール系
学習塾や家庭教師・プログラミング教室といったスクール系は、フランチャイズで人気の業種のひとつです。
オーナーひとりで運営できるほか、自宅やマンションの一室などを利用しながら開業できるため、人件費や開業資金を抑えられるのがメリットです。さらに本部から講師を派遣してもらえる場合もあり、オーナー自身に勉強を教えるスキルや経験がなくても事業を始められます。
子ども向けから、大人の学びまでスクール系の形態も多様です。ターゲットとする顧客の年齢層や出店エリアの特性などを考慮しながら、検討していくとよいでしょう。
スクール系ビジネスのなかで、幼児向けの塾としてあげられるのが「ベビーパークFC」です。
最新の脳科学に基づき子どもの知能教育を行うと同時に、母親も一緒に子育てを学べる親子教室カリキュラムが特徴。業界初の全国展開・2万組以上の親子が通うなど、幼児教室のなかでもトップクラスの実績を誇ります。
オーナーは投資のみ・完全業務委託のビジネスモデルが魅力です。業務委託を受けた本部が運営するため、オーナーが稼働する必要がなく雇用リスクはゼロ、さらに黒字化済みの教室のオーナーになれるため、低リスク・安定した収益が期待できます。
②スポーツジム・フィットネス
近年、健康を意識する人が増えたことにより需要が高まっているのが、フランチャイズのスポーツジム・フィットネスです。
これまではマシンエリア・スタジオ・プールなどが備わった総合型ジムが主流でしたが、最近では小規模の無人ジム・パーソナルトレーニングジムが増えています。無人ジムは、入退室管理システムや、防犯カメラなどのセキュリティ対策などの設備投資が必要ですが、スタッフの省人化により人件費を抑えられるのが特徴です。
また深夜・早朝など24時間営業が可能となり、時間あたりのランニングコストを抑えられるのがメリット。月額会費をリーズナブルに設定できるため、集客しやすいビジネスモデルといえるでしょう。
なかでも女性専用パーソナルトレーニングジム「ファディー」は、AI(人工知能)技術を搭載した最新のトレーニングマシンの導入により、人件費を削減できるビジネスモデルです。
女性専用・パーソナルジム・安価な月額会費でいつでも通い放題など、戦略的なビジネスモデルで競合他社との差別化を図れるでしょう。
③飲食業
飲食業はフランチャイズの代表的な業種です。ラーメン店・居酒屋・ファストフードなど、数多くの飲食店が日本全国にフランチャイズ展開されています。
またフランチャイズ募集をしている本部も多いほか、すでに開業している店舗でフランチャイズ事業を併設したり、オリジナルの店名をつけられたりと経営スタイルもバリエーションが豊富です。
ただし飲食業は数や種類が豊富な分、競合他社が多く、価格やサービス内容などの競争が激しいのがデメリット。収益を上げるための営業スタイルの構築が必要といえるでしょう。
④コンビニエンスストア
コンビニエンスストアもフランチャイズの代表的な業種です。同系列のコンビニであれば店舗ごとの違いはなく、同じ看板や制服・同じ商品がそろえられているため、経営の自由度は低いといえます。
ターンキー型の経営スタイルを提供しているほか、経営ノウハウやマニュアル・ルールなども明確化されているため、比較的参入しやすいのがメリットです。
ただしコンビニエンスストアは24時間365日休まず営業するため、万が一人材を確保できなかった場合にはオーナーや家族が店頭に立つ必要があります。また競争が激しく、近隣に同系列の店舗や他ブランドが出店する可能性も考えられるでしょう。
⑤ハウスクリーニング
ハウスクリーニングは、共働き世帯や高齢者の一人暮らし世帯の増加により、近年需要が高まっています。
事業用の店舗や事務所を構える必要がなく、商品の在庫を抱えるリスクもないため、低コストで開業・運営が可能です。
フランチャイズでは清掃道具や洗剤など、業務に必要な資材が用意されており、選定や調達の手間を省けます。さらに壁紙や水回りの修理・エアコン内部の掃除など、専門的なスキルは本部による実務研修が用意されているケースが多いため、業界未経験の方でも安心して参入できるでしょう。
フランチャイズビジネス5つの業種をご紹介しましたが、フランチャイズは複数経営することでより効果的な運営も可能です。複数経営に向いている業種もございますので、フランチャイズの複数経営や多店舗展開に興味がある方は、以下の記事をご参考ください。
初めてでもフランチャイズで開業しやすい業種は?
もし初めてフランチャイズを始めるということなら、少し心配になることもあるでしょう。フランチャイズ経営が初めてでも開業しやすい業種についてお伝えします。
自分の好きな分野で開業する
もしフランチャイズ経営の経験がなくても、自分が興味を持っている分野で始めるのがおすすめです。興味があれば、その分野についてもっと勉強するでしょう。ただし、しっかりとしたフランチャイズ本部のサポートが必要ですから、加盟する前にしっかりと調べましょう。
たとえば、自分がラーメンが好きだとしても、それだけでは店が繁盛するとは限りません。質の高い商品やサービス、清潔な店舗を保ちながら、リピーターを増やす工夫も必要です。
経営指導を受けられるフランチャイズに加盟する
フランチャイズ本部は、商標やノウハウを提供し、その代わりにロイヤリティを受け取ります。加盟を考えるときは、これまでの成功事例だけでなく、今後も継続的な経営指導を受けられるかを確認しましょう。初心者には、開業準備だけでなく、長期的なサポートも大事です。失敗しないためにも、フランチャイズ加盟を慎重に考えましょう。
業務委託型(投資型)フランチャイズに加盟する
業務委託型(投資型)フランチャイズとは、オーナーは店舗の設備費等を負担し、運営はフランチャイズ本部が行うビジネスモデルのことを指します。ノウハウを持っているフランチャイズ本部が開業・運営を行ってくれるため、どのような業種であっても通常のフランチャイズより開業がスムーズになる可能性が高いでしょう。ただし、フランチャイズ本部に運営委託料を支払うため、自分で開業するフランチャイズに比べて利益は少なくなります。
利益を大きくするためには高利益率の業種を選ぶのもポイントです。以下の記事では、フランチャイズ狙い目業種や利益を出す上で注意すべき点もご紹介していますので、併せてご参考ください。
自分に合ったフランチャイズを選ぶには
自分に合ったフランチャイズを選ぶためには、自己分析をしながら自分に向いている業態を見極める必要があります。コストや条件の良し悪しで決めるのではなく、自分が無理なくできる業種を選ぶのが大切です。
また検討しているフランチャイズのニーズを把握するのも大切です。顧客のニーズが低ければ、経営が困難になる恐れがあります。
ただし顧客のニーズが高くても、流行やトレンドは一過性のものが多いため注意しましょう。景気や流行に左右されない業種であれば、長期の安定した経営を目指せます。
まとめ
フランチャイズは業種だけで選ぶのではなく、フランチャイズの仕組み・業務形態について把握し、しっかり比較検討しながら決めていきましょう。また自分に合った業態を見極めること・検討中のフランチャイズへのニーズを把握することも大切です。
フランチャイズの種類はさまざまです。それぞれの特徴を押さえて、自分に合ったフランチャイズを選び、事業の成功を目指しましょう。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。