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【新規事業の作り方とは?】立ち上げに必要な8つのプロセスや成功させるためのコツもご紹介
「既存事業が安定してきたから新しいことにチャレンジしたい」「新規事業を始めてさらに会社を成長させていきたい」と考えていても、具体的にまず何をどうすれば良いのか悩んでしまうケースは少なくありません。
そこで本記事では、新規事業の作り方から立ち上げに必要なプロセス、成功させるためのコツや役立つフレームワークまでを一挙にご紹介します。
新規事業の展開は、徹底した事前準備と正しい手順で行うことが大切です。効率的に新規事業を始動できるよう、ぜひ本記事の情報を参考にしてください。
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<目次>
新規事業の作り方3選
まずは、新規事業の作り方として下記の3つの方法を理解しておきましょう。
【新規事業の作り方】
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それぞれについて把握し、どの方法で新規事業を作るのか決めましょう。
①自社のリソースで0から始める
1つ目は、自社のリソースで0から始める方法です。アイデア出し・市場調査・事業計画の策定など、自社で全てをまかなうことで新規事業をスタートさせます。自社内で行うため自由度が高く、腰を据えて取り組むことが可能です。
また、自社のリソースで新規事業の計画を始める場合、手順や予算などを具体的に把握できるため、社員の教育にも効果があります。手間も時間もかかりますが、その分企業としての成長が大きいのがポイントです。
②M&Aで新規事業に参入する
会社・企業を買収して新規事業に取り組む方法もあります。M&Aを行うことで、会社としての資産・人材・蓄積されているノウハウ・技術力などの獲得が可能です。M&Aでの新規事業となれば大幅に予算を削減できる上に、時間も手間も減らせます。
また、参入が難しい業界へのチャレンジもしやすく、自社リソースで行うよりも大きな可能性を秘めているのが特徴です。
しかし、M&Aそのものは簡単に行えるものではありません。M&Aを行うべきか社内リソースで行うべきか、それぞれのメリットやデメリットなどを比較し、自社に合う方法を見極めてください。
③フランチャイズに加盟する
フランチャイズへの加盟も1つの手段です。フランチャイズなら、経営に関するノウハウがすでに整っているので成功率が高く、既存事業とは全く異なる分野であってもスムーズな運営が目指せます。
マニュアルや研修制度が整備されているフランチャイズ本部も多く、事業の立ち上げ後にSVによる定期的な指導を受けられるのもポイントです。
また、フランチャイズ本部にはブランド力や認知度があるので、スピーディな多店舗展開を実現できるのも大きな魅力の1つといえます。
新規事業の立ち上げに必要な8つのプロセス
新規事業の立ち上げは、コストや時間をかければ良いというものではありません。必要なプロセスを理解し、慎重に計画を立てることが大切です。
実際にどのようなプロセスが必要なのか詳しく見ていきましょう。
【新規事業の立ち上げに必要な8つのプロセス】
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①顧客や自社の課題などからアイデアを探す
新規事業の立ち上げでまず大切なのは、顧客が抱える悩みや課題を解決できるかどうかです。課題解決に役立つ商品・サービスであれば需要がありますが、「やりたいこと」「チャレンジしたいこと」が先行しすぎてしまうと、需要と供給がマッチせず軌道に乗せることが難しくなります。
市場から求められている商品・サービスを提供できるよう、本当に必要とされているものをしっかりと理解し、顧客や自社の課題などからアイデアを探していきましょう。
②新規アイデアが自社リソースでできるか確認する
新規事業の立ち上げにあたり、必要となる時間・費用・人材などを洗い出して、現在の自社リソースでどこまでできるのか明確にする必要があります。
自社リソースが足りない場合、どのように補うのか解決策をしっかりと考えなければいけません。出だしからつまずいてしまわないよう、余裕のある計画を立てるようにしてください。
③新規事業の理念やコンセプトを明確にする
事業を展開する上でユーザーのニーズに応えることは欠かせないポイントですが、なぜ自社がこの事業を行うのか・何を目指しているのかといった事業理念やコンセプトを明確にすることも大切です。
ここで重要となるのが、理念やコンセプトをただ頭で考えるだけではなく、文字にして社内全体で共有すること。同じ方向を向いて事業展開ができるようにしていきましょう。
④市場や事業の調査をする
スムーズな経営をするためには市場や事業の調査が欠かせません。市場や競合をしっかりと調査し、どのようなニーズがあるのか把握しておきましょう。
街頭調査やアンケート、インタビューなどでリアルな声を聞くのもおすすめです。さまざまな手法でしっかりと調査し、多くのデータを集めて徹底的にリサーチしてください。
⑤顧客のニーズを検討する
市場調査によって集めたデータを分析し、顧客のニーズを探ります。ここで意識すべきは、顧客自身でも気付いていない本質的かつ潜在的ニーズを掴めるかどうかです。
感覚頼りにならないよう、客観的であることを意識してください。冷静に判断するためにも、客観的かつ定量的データを基にするようにしましょう。
本当に求められているニーズを正しく把握することが、新規事業成功のためには欠かせない重要なポイントです。
⑥事業モデルを検討する
新規事業のアイデアがどれほど素晴らしいものであっても、持続的に取り組むためにはマネタイズについても検討してください。マネタイズの方法と収益性についてよく考えましょう。
視野を広げるためにも、異業種を含めた多くの事業モデルをチェックし、さまざまなマネタイズ方法を模索してください。
⑦事業計画を立てる
次に事業計画を立てます。この際に気を付けるべきことは、現実味のあるプランを立てることです。必要な人材や経費・起こりうる問題・目標など、細かく計画を立てていきましょう。
資金調達や設備投資などは、新規事業の内容や分野によって長期間の準備が必要となるケースも少なくありません。無理のないスケジュールを考え、現実的な行動計画を意識してください。
⑧適切な人材をアサインして実行する
新規事業の成功には、適切な人材の配置が欠かせません。先ほど立てた事業計画をもとにどのような人材を配置すべきか考え、適切な人材をアサインして新規事業の立ち上げを実行しましょう。
最初から多くのスタッフを導入すると、コミュニケーションスピードが落ちてしまうこともあるため、まずは2~3名のチームを基準に考えてみてください。
新規事業を立ち上げる3つのメリット
新規事業を立ち上げることで大きく3つのメリットを得られます。
【新規事業を立ち上げる3つのメリット】
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新規事業特有のメリットを最大限活かせるように、それぞれについてチェックしてください。
①収益の柱を増やせる
既存事業とは別に収益の柱となる事業を増やせるのは大きなメリットです。会社全体として獲得できる収益が上がることによって、社内に蓄積する利益が上がり、必要に応じて人や物などの経営資源に投資することができます。
その結果、さらなる収益の増加が見込め、安定した経営を維持できるようになり、給与に反映させれば社員のモチベーションアップにも繋げることが可能です。
②長期的なリスクヘッジに繋がる
世の中のニーズは日々大きく変化し続けています。消費者が求めているものも変わっていき、常に同じ商品・サービスの提供では限界がきてしまうでしょう。
しかし、新規事業をスタートさせることで、その時代に合った経営を行いやすくなります。1つの商品・サービスに依存する経営は、会社としてはあまり望ましくない姿です。事業の多角化を実現させることで、消費者が本当に求めているものに応えることができ、長期的なリスクヘッジに繋がります。
③優秀な人材を育成できる
本記事でもお伝えしたように、新規事業の立ち上げにはいくつかのプロセスがあります。そのプロセスを社員に任せることで、優秀な人材を育成できるチャンスにもなります。
さらに、新規事業は「新しいことへのチャレンジ」です。このような会社には優秀な人材が集まる傾向があり、採用戦略においても新規事業の立ち上げが効果的になるケースが少なくありません。
新規事業の立ち上げを成功させるための3つのコツ
新規事業の立ち上げは、コツを掴むことでより一層成功への道が近づいてきます。立ち上げからスムーズに利益を獲得するためにも、成功させるために必要なことを正しく把握してください。
下記で紹介する3つのポイントは、新規事業の立ち上げを成功させるために欠かせない項目となるため、チェックしておきましょう。
【新規事業の立ち上げを成功させるための3つのコツ】
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①自社の強みを活かす
新規事業を成功させるためには、自社の強みをしっかりと活かすことが大切です。既存事業で培った生産・流通・販売ラインや蓄積されているノウハウなどを活用しましょう。活かせるリソースについて事前にチェックしておくとスムーズです。
また、顧客のセグメントや購入理由を分析することで自社の強みをより詳しく把握できるため、効率的な戦略を練ることが可能となります。
②必要なリソースを把握する
新規事業をスタートする前に、必要なリソースについて正確に把握しておくようにしてください。事業計画や収支計画を立てる際に、それぞれの工程でどのくらいのリソースが必要なのか明確にしておきましょう。
軸となるのは「人」「お金」「モノ」「情報」の4つです。何がどのくらい必要なのか明らかにし、実際に計画書を作ることでより鮮明に必要なリソースが見えてきます。
③国や自治体の補助金・助成金を検討する
新規事業をスタートさせるためには当然コストがかかります。そのため、国や自治体からの補助金・助成金を受けることを検討しておきましょう。
補助金や助成金は返済が不要ですが、誰でも受けられるわけではありません。手続きや申請に時間もかかります。しかし、ノーリスクで事業資金を調達できるため、ぜひ利用を検討してください。
また、補助金・助成金の審査をクリアするということは、公的機関に自社の事業が認められたことになり、社会的信用の向上にも繋がります。
地域によって利用できる補助金・助成金には違いがあるため、まずは利用可能な種類を調べておきましょう。
新規事業の立ち上げでよくある失敗ポイント
新規事業をスタートさせても、必ず成功するとは限りません。社会の状況・市場の変化・顧客のニーズなど、さまざまな要因により失敗してしまうこともあります。
特に下記の3つのポイントは新規事業の立ち上げにおいてよくある失敗です。
【新規事業の立ち上げでよくある失敗ポイント】
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まず1つ目が撤退ラインについてです。新規事業を立ち上げても思うような成果が得られない場合、撤退することも1つの選択肢としてありますが、ずるずると続けてしまうケースは少なくありません。
その結果、さらなる赤字を生んでしまったり、既存事業への影響も大きくなってしまうことがあります。最小限のダメージにするためにも、必ず事業を撤退するラインを明確にしておきましょう。
さらに、新規事業に力を入れすぎてチームを増員しすぎるのも失敗の原因です。優秀な人材を集めることは大切ですが、規模が大きいチームでは「コミュニケーションが円滑に進まない」「意思決定が遅れる」「個々の意見反映が難しい」などの弊害が出るので注意してください。
また、いくら新規事業のアイデアが素晴らしいものでも、市場参入のタイミングが遅ければ新規性が低くなってしまい、競合他社との激しい競争となってしまいます。参入のタイミングをしっかりと見極め、適切な時期に間に合うよう準備を万全にしておきましょう。
アイデア出しに役立つフレームワーク
新規事業の立ち上げは、まずアイデア出しからスタートします。しかし、「良いアイデアが浮かばない」「どうやって考えれば良いか分からない」と悩んでしまう方も多くいるのではないでしょうか。
そのような時はフレームワークを活用しましょう。フレームワークを利用することで、思考をまとめて効率的にアイデアを出せるようになります。
下記はアイデア出しに役立つフレームワークの一例です。上手く活用し、魅力的な発想を出していきましょう。
フレームワーク | 内容 |
マンダラート | 縦9×横9マスの表を作り、真ん中に記載したテーマに沿ってマスを埋める方法。関連するアイデアを記入していくので、素早く的確なアイデアを得られる。 |
SCAMPER(スキャンパー)法 | 「Substitute(代える)」「Combine(組み合わせる)」「Adapt(適応させる)」「Modify(修正する)」「Put to other uses(他の使い道)」「Eliminate(削減する)」「Reverse・Rearrange(逆転・再編成)」の7つの質問に答える形でアイデア発想を促す方法。 |
現状分析&市場調査に役立つフレームワーク
現状分析や市場調査は、顧客のニーズを把握したり事業の方向性や市場参入タイミングを見極めたりする際に重要な作業となります。活用できるフレームワークを駆使し、新規事業を成功させるための土台を作っていきましょう。
主なフレームワークは下記の通りです。
フレームワーク | 内容 |
3C分析 | 顧客のニーズや市場動向(Customer)・競合の規模やシェア(Competitor)・自社の強みや立ち位置(Company)を分析する。 |
4P分析 | Product(商品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販売促進)をそれぞれ分析し、欠けている部分を把握する。 |
SWOT分析 | 強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)を分析し、状況に合わせた組み合わせを行うことで必要なことを解明する。 |
ペルソナ分析 | 年代・性別・職業・生活スタイル・価値観など、ターゲットとして想定する具体的な人物像を作り、商品やサービスの軸を決める。 |
事業計画に役立つフレームワーク
事業をスムーズに進めていくためには計画を立てる必要があります。行き当たりばったりの事業方針では失敗のリスクが高くなってしまうため、事前に綿密な計画を立てるようにしましょう。
事業計画を考える際に役立つフレームワークは主に下記の3種類です。
フレームワーク | 内容 |
MVV | 自社が社会で実現したいこと(Mission)・Missionが実現した時の状態(Vision)・大切にする価値観や行動方針(Value)を社内で共有し、事業の方向性を示す。 |
6W3H | なぜ(Why)・何を(What)・誰が(Who)・誰と、誰に(With Whom)・いつ(When)・どこで(Where)どのように(How)・いくら(How much)・どれだけ(How many)のそれぞれの項目に当てはめて具体的な計画を立てる。 |
ビジネスモデルキャンバス | 新規事業の構造を可視化するフレームワーク。顧客セグメント・価値提案・チャネル・顧客との関係・収益の流れ・リソース・主な活動・パートナー・コスト構造の9つについて可視化する。 |
これから新しく事業を始めるにあたっておすすめのFCブランド2選
前述しましたが、フランチャイズに加盟して新規事業を立ち上げるのも1つの手段です。
さまざまな業種のフランチャイズ本部がありますが、ここでは特に時代のトレンドに合わせた2つのFCブランドについて詳しく解説します。
【これから新しく事業を始めるにあたっておすすめなFCブランド2選】
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①パートナーエージェント
結婚相談所のフランチャイズである「パートナーエージェント」は、業界トップクラスの成婚率を誇っています。大手のブランド力とマーケティング施策で他にはない集客力があり、効率的に会員の獲得が可能です。
また、開業前後の研修を徹底しており、専門スタッフに対してこれまで蓄積してきたノウハウを惜しげもなく提供しているため、満足度の高いサービス提供を実現しています。充実したサポートがあるので加盟店としても安心できるでしょう。
さらに、結婚のサポートを通じて成婚会員に向けた自社商品の提案などができ、既存事業における将来的な見込み客をストックできるのも大きな魅力の1つです。
②ファディーFC
今注目を集めている女性専用のフィットネスジム「ファディー」は、AI×パーソナルトレーニングという新しいスタイルを確立しました。他との圧倒的な差別化に成功し、ファディーならではのブランド力を強みとしています。
さらに、ファディーの平均入会率は85%と非常に高いです。短時間で楽しく効果的なトレーニングが行えるため、業界平均が50%と言われている中で多くの方に支持されています。
新型コロナウイルスの影響でさまざまなジムが注目を集めている中、競合が少なく狙い目となっている女性専用のフィットネスは、今後ますます広がりが期待されている業界です。
まとめ
本記事では、新規事業の作り方や立ち上げに必要なプロセス、アイデア出しや事業計画に役立つフレームワークなどを紹介しました。
新規事業を作る時は、まず「自社リソースのみで0から」「M&A」「フランチャイズへの加盟」から軸を決め、必要なプロセスを辿っていかなければいけません。M&Aとフランチャイズへの加盟なら、いくつかの手順を省くこともできます。
新規事業を成功させるためには、自社の状況を把握して強みを活かす必要があります。また、必要なリソースを明確にしたり、国や自治体の補助金・助成金の利用を検討したりすることも大切です。
本記事で紹介した内容を参考に、成功する新規事業を作り上げていきましょう。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。