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フランチャイズ契約時の注意点とは?契約書の作成、確認すべきポイントやトラブル事例も紹介
事業拡大の手段としてフランチャイズ展開を検討している方や、新規事業としてフランチャイズ加盟を検討している方は少なくないでしょう。しかし、フランチャイズ契約はなかなか煩雑です。
そこで今回は、フランチャイズの契約書を作成する際の注意点・確認すべきポイントや、トラブル事例もご紹介します。契約時の注意点も詳しく解説するので、フランチャイズ展開や加盟を検討している方は参考にしてください。
- フランチャイズ契約する上で知っておくべきキーワード
- フランチャイズ契約書を作成する際の6つのポイント
- 【契約内容】フランチャイズ契約書の注意点6選
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<目次>
フランチャイズ契約(FC契約)とは?
フランチャイズ契約(FC契約)とは、フランチャイズを展開する企業の加盟店になる契約のことです。加盟店になると、フランチャイズ本部の屋号やブランド商標、独自の商品やサービスなどが使用できます。
ほかにも、豊富なノウハウの提供や運営のサポートが受けられるなど、さまざまな権利を得ることが可能です。加盟店は権利を得る対価として加盟金・ロイヤリティなどを支払う必要があり、これが本部の利益になります。
フランチャイズ契約書(FC契約書)とその注意点とは?
フランチャイズ契約書(FC契約書)とは、フランチャイズ契約を結ぶことで本部と加盟店に発生する義務や権利を記したものです。ひとつの加盟店による違反行為で、ほかの店舗に損失が出ないよう、すべての加盟店を守ることを目的に作成されています。
フランチャイズ契約書には、経営方法の制限など細かな制約が設けられていることがほとんどです。しかし、なかにはとくに制約のない、自由度の高い契約も存在します。自由度が高いほど、ほかの加盟店がトラブルを起こすリスクが高くなるため、注意が必要です。
フランチャイズ契約書は、本部の経営に対する姿勢や危機管理能力の有無が現れやすい書面でもあります。契約前に不明点や不安な点を解消し、内容を理解・納得したうえで契約することが重要です。
フランチャイズ契約する上で知っておくべきキーワード
フランチャイズ契約する上で知っておくべきキーワードは、以下の4つです。
- ロイヤリティ
- オープンアカウント
- 競業避止義務
- テリトリー制
次の章では、それぞれの内容を詳しく解説していきます。フランチャイズ契約の仕組みを理解するためにも、しっかりとチェックしてください。
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ロイヤリティ
オープンアカウント
ロイヤリティとは、加盟店がフランチャイズ本部の屋号・ブランド商標・ノウハウなどを使用する対価として、本部に支払うお金のことです。
請求方式などは本部により異なります。代表的な方式は、以下で説明する3つです。
売上歩合方式
売上歩合方式は売上の数%を支払う、もっとも一般的な方式です。ロイヤリティ率は数%〜50%程度までさまざまで、フランチャイズ本部により異なります。
売上によってロイヤリティが決まるため、売上が低ければロイヤリティも低くなるのがメリット。しかし、売上が上がれば、その分ロイヤリティも高くなります。
定額方式
定額方式は売上にかかわらず、一定の金額を支払う方式です。設定金額は、フランチャイズ本部により異なります。数万円〜10万円程度が一般的です。
毎月決まったロイヤリティが発生するため、売上が少ない月は支払いが苦しくなる可能性もあります。一方で、売上が高い月でもロイヤリティの額は変わらないため、手元に残る金額も多くなるのがメリットです。
粗利分配方式
粗利分配方式は、加盟店と本部で収益を分け合う方式です。加盟店は本部に、売上の総利益の30〜70%程度を支払います。コンビニエンスストアなどで多く採用されている方式です。
本部に支払われるロイヤリティの一部は、ブランドの広告宣伝・商品開発のほか、フランチャイズシステムの改善などに使用される場合もあります。
競業避止義務
オープンアカウントとは、フランチャイズ本部と加盟店のあいだで行われる会計処理システムのことです。コンビニエンスストアなどで多く導入されている仕組みで、以下のような流れで行われます。
加盟店は発生した売上を本部指定の口座に毎日送金。そこから本部が仕入れ代・ロイヤリティなどの諸経費を差し引き、加盟店の収入として送金します。
オープンアカウントを導入している場合、売上が少ないときは本部からの送金額がマイナスになってしまう可能性があります。そのような際の自動融資の有無など、契約の前に細かい規定をしっかりと確認しておくことが重要です。
テリトリー制
競業避止義務とは、加盟しているフランチャイズ本部と同じまたは類似した事業を行うことを、一定の期間や一定の場所で制限するものです。本部のもつ情報・ノウハウのほか、顧客・商圏の保護を目的としています。
加盟契約終了後も、一定期間続くのが一般的です。フランチャイズ経営の経験を経て独立を考えている場合は、事前に契約の内容をしっかりと確認しておきましょう。
フランチャイズ契約書に記載されている一般的な項目をご紹介
テリトリー制とは、加盟店の特定エリアでの独占的または優先的な経営権を本部が承認する制度です。
加盟店同士の喰い合いを防止するためにも重要な制度なので、しっかりと内容を把握しておきましょう。テリトリー制には、主に以下のような4つの例があります。
クローズド・テリトリー
クローズド・テリトリーとは、該当する加盟店のテリトリー内にほかの同チェーン加盟店を出店させない制度です。
オープン・テリトリー
オープン・テリトリーとは、一定のエリア内の同チェーン加盟店の店舗数に上限を設ける制度です。上限を超えて出店することはできません。
期間限定テリトリー
期間限定テリトリーとは、オープン後から一定期間は該当する加盟店のテリトリー内への同チェーン加盟店の出店を制限する制度です。
優先的テリトリー
優先的テリトリーとは、本部が出店を検討する際にテリトリー内の加盟店に優先的に声をかけ、出店権を与える制度です。テリトリー内の加盟店が出店しなければ、ほかの加盟店に権利が移行します。
フランチャイズ契約書を作成する際の6つのポイント
フランチャイズ契約書には、さまざまな項目が記載されています。この章では、押さえておきたい一般的な記載事項を表でまとめました。契約書の作成・確認する際の参考にしてください。
項目 | 記載内容 |
---|---|
契約の目的 | フランチャイズチェーンの理念など |
フランチャイズの概要 | 提供するサービス内容やチェーンの名称など |
独立事業の原則 | 経営責任は加盟店にあることなど |
商標の使用許諾 | 本部が使用を認める商標や、使用時の制限事項など |
営業名・営業場所 | 本部が営業を認める店舗名称・営業場所など |
ノウハウの提供・権利の帰属 | 本部がノウハウを提供すること・ノウハウの権利は本部に帰属することなど |
マニュアルの遵守義務 | 加盟店にはマニュアルを遵守する義務があることなど |
店舗の設計・設備等 | フランチャイズチェーンとして統一すべき店舗設計・設備 |
テリトリー | テリトリー制の有無・内容など |
開店前指導援助(開業時研修) | 本部が行う開店前の援助・指導(研修)など |
開店後指導援助 | 本部が行う開店後の援助・指導について |
遵守事項 | 営業日や時間・顧客情報管理など、加盟店の遵守事項 |
広告宣伝 | 広告宣伝時のルール |
競業の禁止規定 | 競業避止義務 |
経営委託や契約上の権利の譲渡の禁止 | 第三者への経営委託・フランチャイズ契約上の権利譲渡の禁止など |
監査等 | 必要に応じて、本部が加盟店に立ち入り調査できる権限など |
秘密保持義務 | 本部が提供した情報を本来の目的以外で使用することを禁止するなど |
商品供給 | 商品供給の条件など |
加盟金 | 加盟金の内容・支払い時期・金額など |
広告分担金 | 本部が行う広告宣伝の分担金について |
システム使用料 | 本部が提供するシステムの利用料について |
ロイヤリティ | ロイヤリティの方式・支払い時期・金額など |
報告義務 | 加盟店の会計帳簿記帳・本部への会計内容報告義務など |
契約期間 | 契約期間や更新など |
中途解約 | 中途解約の可否や条件など |
契約解除 | 本部がフランチャイズ契約を解除できる条件など |
契約終了後の措置 | 契約終了後の商標やノウハウ利用禁止などの措置など |
損害賠償 | 加盟店に契約違反が合った際の損害賠償や違約金など |
連帯保証 | 連帯保証人の責任など |
合意管轄 | 本部と加盟店が裁判になった際の合意管轄 |
商標の使用許諾
フランチャイズ契約書を作成する際のポイントは、以下の6つです。
- 商標の使用許諾
- フランチャイズのノウハウの内容や提供方法
- テリトリー制の有無
- ロイヤリティの計算方法
- 加盟店の会計の把握(売上・ロイヤリティ等のお金の流れや支払いサイト)
- 商品や備品、店舗内装の指定権
フランチャイズ契約書の雛形は、インターネットなどでも提供されています。しかし、フランチャイズ契約書は、非常に重要な書面です。雛形をそのまま使ったり、少し修正して使用したりすることは避けるべきでしょう。
次の章では、それぞれの内容を詳しく解説していきます。フランチャイズ契約書作成において非常に重要な項目です。しっかりチェックしておきましょう。
フランチャイズのノウハウの内容や提供方法
商標の使用許諾については、フランチャイズ契約書においてまず押さえておきたいポイントです。加盟店はブランドを象徴する商標を使用することで、フランチャイズ本部の知名度・集客力・信頼度を利用できます。
フランチャイズビジネスにおいて核ともいえる重要なもののため、自社の許可なく第三者に商標を使用されないよう、特許庁に商標を登録しておく必要があります。また、加盟店が商標を使用する際のルールについても、契約書にしっかりと定めておきましょう。
テリトリー制の有無
フランチャイズ本部から豊富なノウハウの提供を受けられることが、加盟店がフランチャイズに加盟する大きな理由のひとつです。そのために高額な加盟金・ロイヤリティを支払います。
そのため、情報量が少ない・内容が薄いなど十分なノウハウの提供を受けられないことがトラブルの原因になる可能性があります。契約書作成時に、ノウハウの提供方法・内容をきちんと定めておくことが重要です。
ロイヤリティの計算方法
テリトリー制の有無も、慎重に決めるべきポイントです。テリトリー制を導入することには、メリットとデメリットが存在します。メリットは、加盟店の経営の安定に期待できることです。加盟店との信頼関係の構築にもつながります。
デメリットは、テリトリー内の加盟店の売上が順調でない場合でも出店が制限されることです。競合他社にシェアを奪われるなどのリスクがあります。メリット・デメリット双方を考慮し、条件をきちんと定めておきましょう。
加盟店の会計の把握(売上・ロイヤリティ等のお金の流れや支払いサイト)
ロイヤリティの計算方法には、大きく分けて定額制・変動制の2つがあります。フランチャイズ展開後の収益に大きく関わる項目のため、慎重な決定が必要です。
定額制のメリットは、本部として安定した収益を得やすいことです。一方デメリットは、加盟店の経営状況によってトラブルが起こる可能性があること・加盟店が成功してもロイヤリティの増額がむずかしいことなどでしょう。
変動性のメリットは、売上や利益によってロイヤリティの額が増減するため利害関係が一致し、加盟店との信頼関係を築きやすいことです。一方でデメリットは収益が安定しにくいことや、売上の虚偽報告による不正行為を防ぐためのシステム構築が必要になることなどでしょう。
商品や備品、店舗内装の指定権
本部が加盟店の会計の把握をする方法も、きちんと定めておくべき項目です。本部による健全な経営指導は、加盟店の経営失敗の防止に役立ちます。また、変動性のロイヤリティを導入した場合、正確な売上や利益を把握し、適切な金額を支払わせる必要があるためです。
契約書には、会計処理の方式・会計帳簿の記帳と報告の義務・必要に応じて本部が立ち入り調査を行う権限などを定めておく必要があります。また、本部のお金の流れを円滑にするためにも、適切な支払いサイトを設定しておくことが重要です。
【契約内容】フランチャイズ契約書の注意点6選
商品や備品、店舗内装の指定権についても、きちんと定めておくべきです。商品や備品、店舗内装を本部指定のものにすることには、フランチャイズチェーンとして統一されたイメージを得られるなど、さまざまなメリットがあります。
加盟店独自の低価格版の商品などが販売される心配がないため、品質の保持にも役立つでしょう。また、商品・備品や店舗内装などを卸す際に利益が上げられることもいい点です。
一方で、仕入れ先の確保や管理が必要なことはデメリットといえます。商品・備品や内装の不具合など、トラブル対応が必要な場合もあるでしょう。ブランドイメージにも関わる項目のため、しっかりと検討するべきポイントです。
以上がフランチャイズ契約書を作成する際の6つのポイントです。フランチャイズ展開する際の注意点については、以下の記事をご参考ください。
本部に支払うロイヤリティはいくらなのか
フランチャイズ契約書の代表的な注意点は、以下の6つです。
- 本部に支払うロイヤリティはいくらなのか
- フランチャイズ契約期間・更新料はいくらなのか
- 違約金や中途解約時の解約金は適切に設定されているか
- 競業避止義務の内容はしっかりしているか
- 商品の供給状況に問題はないか
- 法定開示書面と契約書に違いはないか
次の章では、それぞれの内容を詳しく解説していきます。フランチャイズ契約を結ぶ際に重要なポイントを見落とさないよう、しっかりとチェックしてください。
フランチャイズ契約期間・更新料はいくらなのか
フランチャイズ契約書を確認する際は、本部に支払うロイヤリティはいくらなのかをきちんと確認しましょう。ロイヤリティは本部に毎月支払う必要があるため、正確な金額を把握しておく必要があります。
どのような方式で計算されるのか、支払いの発生するタイミングはいつなのかなど、契約書に記されたロイヤリティの仕組みを理解したうえで契約を結ぶようにしましょう。
違約金や中途解約時の解約金は適切に設定されているか
フランチャイズの契約期間は本部によって異なりますが、3〜5年程度が一般的です。契約期間が長すぎると違約金発生のリスクも高くなるため、あらかじめ確認しておきたい項目です。
また、契約期間が短い場合は、更新手続きが頻繁になります。更新の際に必要な更新料がいくらなのかを、しっかりと把握しておきましょう。契約の起算日など、細かい部分までしっかりと確認したうえで契約を進めることが重要です。
競業避止義務の内容はしっかりしているか
違約金や中途解約時の解約金は適切に設定されているか、しっかりと確認しておきたいポイントです。途中で解約する予定がなくても、災害や体調など、予期せぬトラブルで運営を継続できない状況が発生する可能性もあります。
違約金は加盟店にとってリスクであると同時に、全加盟店の違反行為の抑止剤としての役割も果たすものです。違約金の金額だけでなく、発生条件や軽減されるケースなどもしっかり確認し、理解しておきましょう。
商品の供給状況に問題はないか
フランチャイズでの経営経験を活かし、独立を考える方も少なくないはずです。しかしそのような際、競業避止義務の内容によって開業できない状況が発生してしまう可能性があります。
競業避止義務は、契約期間終了後も一定期間続くのが一般的。契約書に記載されている競業避止義務の期間・範囲などに不自然さがないかをチェックすることが重要です。
法定開示書面と契約書に違いはないか
フランチャイズに加盟して開業する場合、商品の仕入れ先が指定されていることがあります。本部のブランドイメージや、提供する商品・サービスの品質を守ることなどが目的です。一括仕入れで経費を抑えやすい・商品の安定供給がしやすいなど、加盟店にとっても多くのメリットがあります。
しかし、本部によっては商品の供給に条件を設定している場合があるため注意が必要です。商品の供給状況に問題はないか、契約書の記載内容をしっかりと確認・把握してから契約を進めましょう。
フランチャイズ契約時に知っておきたい法律
「法定開示書面」とは、本部の事業内容・契約の重要事項を記載したものです。フランチャイズ契約を結ぶ際に、契約書とは別で作成されます。
法定開示書面と契約書の内容は、基本的に同一です。しかし、トラブルなどが発生し裁判になった場合、契約書のほうが強い効力を持ちます。そのため、万が一に備え、法定開示書面と契約書に違いはないか、事前に確認しておくことが必要です。
※法定開示書面はサービス業においては必須ではありません。
フランチャイズ選びで 確認すべきこと3点
中小小売商業振興法
フランチャイズ契約には、法律によるさまざまな規定があります。契約を結ぶ際、法律が守られているかを確認することが非常に重要です。開業後のトラブルを回避するためには、本部・加盟者ともに法律を把握しておく必要があります。
次の章ではフランチャイズ契約時に知っておきたい法律について、詳しく解説していきます。フランチャイズ展開やフランチャイズ加盟を検討中の方は、しっかりとチェックしてください。
独占禁止法
中小小売商業振興法は、中小小売業の活性化を目的に定められた法律です。適用されるのは小売業・飲食業のみで、サービス業などは含まれません。中小小売商業振興法では、フランチャイズ契約の際、本部から加盟店への法定開示書面の交付が義務付けられています。
法定開示書面の項目は、全部で20以上です。加盟金や保証金の内容・商標・契約期間などについて記されています。契約前後のトラブルを避けるためには、すべての内容を把握し、しっかりと理解しておくことが必要です。
フランチャイズ契約時のトラブル事例や回避方法をご紹介
独占禁止法は、私的な独占を禁止し、公正な取引をするために定められた法律です。フランチャイズ加盟店は本部から独立した事業者にあたるため、独占禁止法適用の対象になります。
フランチャイズ事業においては、十分な重要事項の開示を行わず、実際より有利な条件であるかのように偽って加盟させるケースなどが、独占禁止法違反にあたる可能性があります。
本部のどのような行為が独占禁止法に抵触し得るのか知っておくことは、契約前後のトラブル防止に重要です。そのほかのケースについては、公正取引委員会のフランチャイズガイドラインをチェックしてください。
参照:「フランチャイズシステムに関する独占禁止法上の考え方」
途中解約の違約金トラブル
フランチャイズ契約時のトラブル事例や回避方法もチェックしておきましょう。実際に発生しやすいトラブル事例と回避方法は、以下の3つです。
- 途中解約の違約金トラブル
- テリトリー制トラブル
- 自店の不祥事・違反によるトラブル
次の章では、それぞれの内容を詳しく解説していきます。トラブルの事例や回避方法を知り、失敗のないフランチャイズ契約を目指しましょう。
テリトリー制トラブル
フランチャイズ契約の途中解約は、誰にでも起こり得るトラブルです。しかし、本部の同意があっても、途中解約を認める契約内容であっても、ほどんどのケースで違約金の支払いが必要になります。
場合によっては「経営不振によって経営の継続が困難だけど、高額な違約金が支払えず途中解約もできない」という、非常に苦しい状況も起こり得るでしょう。このようなリスクを軽減するためにも違約金の金額や発生条件を把握し、納得できる内容で契約することが必要です。
自店の不祥事・違反によるトラブル
テリトリー制の有無や内容も、トラブルにつながりやすい項目です。フランチャイズ契約時にテリトリー制が定められていないと、近隣に同チェーンの加盟店が出店する可能性があります。
近隣に同チェーンの加盟店ができると顧客の奪い合いが起こり、売上が下がることが予測されます。経営状態悪化のリスクにつながる重要なポイントのため、テリトリー制の有無だけでなく対象範囲など、細かな部分まで確認が必要です。内容に納得したうえで契約を進めるようにしましょう。
まとめ:フランチャイズ契約は後にトラブルが起きないよう細かなところまで確認しよう
自店の不祥事・違反が、トラブルの原因になることもあります。たとえば、自店のスタッフが不祥事を起こし、本部のブランドイメージに傷をつけてしまう可能性もあるでしょう。このことが原因でブランドイメージが悪化し、ほかの加盟店の集客・売上の低下を招いた場合、損害責任を負うリスクがあります。
加盟後は、本部のブランドイメージを守りながら経営することが必要です。店舗管理を徹底し、独立したひとつの事業として経営していきましょう。
以上がフランチャイズ契約時のトラブル事例です。この他にもフランチャイズの失敗事例については以下の記事で解説しているので、そちらも併せてご参考ください。
まとめ:フランチャイズ契約は後にトラブルが起きないよう細かなところまで確認しよう
フランチャイズ契約は本部も加盟店側も、後にトラブルが起きないよう細かなところまで確認しておくことが重要です。双方が契約書をしっかり理解・把握し、内容に納得したうえで契約を結ぶ必要があります。
多くのメリットがある、フランチャイズ。注意すべきポイントをしっかりと押さえて、失敗のない契約を実現しましょう。
今回は、フランチャイズ契約時の注意点について解説しました。
フランチャイズ本部によって契約書の中身も様々です。フランチャイズの複数経営を考えている方はフランチャイズ本部ごとにきちんと契約内容を確認するようにしましょう。複数経営について関心のある方は以下の記事をご参考ください。
フランチャイズ本部に完全委託で高収益の投資型フランチャイズはこちら>>
上場企業が運営支援する高収益な結婚相談所ビジネスはこちら>>
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2
018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。