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【フランチャイズのメリット・デメリットとは?】FCの基礎情報や加盟する際の注意点もご紹介
「独立して新しいことにチャレンジしたい」「経営者になって自分でビジネスをはじめたい」こういった気持ちを持っている方の中には、フランチャイズ開業を検討する方も多いのではないでしょうか。
既存ビジネスで豊富な実績やノウハウを活用できるフランチャイズですが、誰でも成功させられる簡単なものではありません。フランチャイズはメリットだけでなく当然デメリットも存在しています。
本記事では、フランチャイズに加盟するメリットとデメリット、さらに加盟の際の注意点について詳しくお伝えします。フランチャイズ開業を考えている方はぜひ最後までご覧になり、フランチャイズをスタートさせる参考にしてください。
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<目次>
フランチャイズ(FC)とは
個人・法人関係なく、フランチャイズ本部と加盟契約を結び、ロイヤリティを支払うことでお店やブランドの名前・扱う商品や提供するサービスなどを利用できるビジネスモデルです。
これまでの実績から培ってきた独自の経営ノウハウや良質な商品やサービスなどを提供してもらえるため、業界未経験者や初心者でも安心してオーナーになれます。
ロイヤリティの支払いは毎月固定となるケースもあれば、「売上の〇%」など、設定している金額はフランチャイズ本部により異なります。中にはロイヤリティの支払いが不要なフランチャイズ本部もあるため、加盟前に必ずチェックしておきましょう。
フランチャイズに加盟するメリット6選
フランチャイズに加盟する事で得られるメリットは様々あり、中でも特に重要となるのが下記6つのポイントです。
【フランチャイズに加盟するメリット6選】
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得られるメリットについて正しい知識を身につけておけば、スムーズかつ失敗の少ない開業を実現できます。6つのメリットそれぞれの詳しい内容について1つずつみていきましょう。
①初心者でも失敗のリスクが低い
業界未経験者や初心者の方でも、フランチャイズ加盟すれば失敗リスクが低い状態で開業できます。その理由として挙げられるのが、フランチャイズは成功ノウハウを体系化されているビジネスモデルであるという点です。
初心者で知識や経験が足りない場合でも、本部からノウハウを提供してもらうことで適切な知識を持って経営に臨めるようになります。また、本部は素人が陥りやすい失敗例を熟知しているのもポイントです。
本部がこれまでに培ってきた経験や実績、的確なアドバイスを活用することにより、初心者でも低い失敗リスクで開業可能となります。
通常、個人で開業する場合の成功率は25%から30%前後です。しかし、フランチャイズ開業の場合は約70%前後となる統計もあるくらい、失敗リスクが低く初心者でも手が出しやすいものとされています。
②フランチャイズ本部のブランド力が強いので集客がしやすい
開業後はまず、いかに集客できるかが重要です。フランチャイズ本部のブランド力で効率よく集客できるのも、大きなメリットの1つといえます。
知名度があるブランド名であれば、開業初日から多くの来客が期待でき、結果として大きく売上を確保できるケースも少なくありません。
フランチャイズ本部によっては、新規オープン情報をテレビCMなどで大々的に告知している場合もあります。地元エリアだけではなく幅広い地域の集客が期待できるのもポイントの1つです。
③初期費用が抑えやすい
0から自分自身で開業するより、フランチャイズ開業の場合は初期費用を抑えてスタートできます。0から会社を立ち上げる場合、様々な費用が掛かることで、初期投資が数千万円以上必要となることもあります。
また、出費を少しでも抑えるためには、適正な量と価格を知ることが必要です。しかし、こうした情報を集めるのは非常に手間となり、開業を目指していても費用が準備できず挫折してしまうケースも少なくありません。
フランチャイズは既に本部が開発した商品やサービスの活用、揃えるべき量がマニュアルで決まっており、無駄な出費を減らせるため初期費用を抑えた開業が実現可能です。
④好立地に出店しやすい
効率よく集客して利益を出すためには、立地条件も欠かせないポイントです。フランチャイズの場合、立地条件に関する情報も豊富にあり、プロの目で判断してくれるため、好立地での開業が出来る可能性が高くなります。
「店の繁盛は立地7割」といった言葉もあるように、店の質や扱う商品・サービス以上に、お店の場所は非常に大切な項目です。
繁盛間違いなしの場所は誰もが狙っており、素人が獲得するためには多くの情報の中から見極めなけれなりません。また、そもそも水面下で動くことが多いため、好立地な場所は表に出てこないままほとんどが他に奪われてしまいます。
利益を出すための条件として欠かせない好立地な場所の出店も、フランチャイズであれば実現の可能性が高く、スタート時点から個人開業よりも有利な状況となります。
⑤情報収集がしやすい
フランチャイズ本部には数多くの情報が集まっており、それらを活用して効率よく経営を進めていくことが可能です。世間で話題になっている商品やサービス、時代の流れ、顧客のニーズなど、利益を獲得するためには豊富な情報をいち早く取り入れなければいけません。
フランチャイズはこうした情報収集がしやすく、時代に合った戦略を提案してくれるため商品の競争力低下を防げます。さらに、初心者や業界未経験者でもスムーズに運営できるよう、経営方法について学べるのもフランチャイズの大きなメリットです。
これまでの利益や経験などの実績から導き出された本部の経営方法を知ることで、目標に対して効率よくアプローチができるため、確実な成果を出すことも期待できます。
⑥安定した商品やサービスを提供できる
商品を扱う店舗の場合、自身で開業するには仕入れルートの確保も大切ですが、なかなか見つけられずに困ってしまうことは珍しくありません。フランチャイズは本部が独自ルートを持っているため、安定した商品やサービスの提供が実現します。
大量に仕入れることで費用が抑えられたり、安く仕入れた材料を使った商品を本部から購入したりするなど、自分で開業するよりも安価な仕入れが可能です。
さらに、個人開業の場合は取引先との交渉や買いつけなども自ら行わなければいけませんが、フランチャイズ開業であればこうした労力を割く必要もありません。仕入れに関することは全て本部が請け負ってくれるため、顧客に対して安定した供給が叶います。
実際にフランチャイズビジネスで設けている事例などは以下の記事をご参考にしてください。
フランチャイズに加盟するデメリット6選
フランチャイズのメリットはどれも魅力的なものばかりですが、その一方で危惧すべきデメリットも存在します。加盟する前に必ず把握しておくべき重要なデメリットは、下記6つの項目です。
【フランチャイズに加盟するデメリット6選】
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事前にデメリットに関する情報がなければ、開業後に予期せぬトラブルが生じたり、フランチャイズ加盟を後悔することもあるため、注意しなければいけません。
ここで、上記6つのデメリットに関して、ぞれぞれの詳しい内容について紹介します。
①本部のサポート内容によっては収益が上がらない場合がある
フランチャイズ本部からのサポートはメリットの1つといえますが、その内容によっては収益に大きく影響を及ぼし、効率よく利益を獲得できないケースも少なくありません。
提供されるパッケージやサポート内容は本部ごとに様々であり、必要な部分が全て含まれて無料で提供してもらえるケースもあれば、自身で準備しなければいけない場合もあります。
また、教育体制や営業指導に関しても、しっかりとシステム化されている本部もあれば、管理者や担当者任せとしている事も少なくありません。その結果、スーパーバイザーの力量により質が変わってしまうこともあります。
提供されるサポートはどのような内容なのか、どこまで頼れるのかについて、数多くあるフランチャイズ本部のサポート内容を把握し、比較検討しておくと安心です。
②独自性が出しにくい
フランチャイズはブランドイメージが保守されており、扱う商品・サービスが限られているため独自性が出しにくく、オリジナリティのある店舗経営はほぼできません。
自分の才覚で様々なことにチャレンジしたいと思っていても、フランチャイズでは禁止されている項目も数多くあるため、希望するような自由な経営はできないのが現状です。
フランチャイズ経営は、本部ありきの事業展開が前提となっており、自分好みの店作りや扱う商品・サービスを希望する場合は、自分自身の力で開業を目指しましょう。
③同チェーン店による不祥事の飛び火が来る場合がある
同じフランチャイズのチェーン店が不祥事を起こした場合、全く関係のない店舗であっても、系列店という理由で大きくイメージを落としてしまうことがあります。
近年では、アルバイトがSNSなどに投稿する内容が炎上する事件が頻発しており、日々ニュースで騒がれています。こうしたたった1件の店舗の1つの投稿だけで、ブランドイメージ全体が崩れてしまい、顧客離れや売上の低迷に繋がり、経営継続が難しくなるケースも少なくありません。
また、チェーン店舗だけではなく、本部の経営状況によって左右されてしまうこともあります。本部の経営悪化や多店舗の不祥事など、個人の頑張りだけではどうにもできないことで経営が難しくなることもあるという点は、しっかりと頭に入れておくようにしましょう。
④ロイヤリティの支払いが必要になる
本記事でもお伝えしているように、ロイヤリティを支払うことで本部が持つノウハウや商品・サービスの利用が可能になります。
全て自身で準備する必要もなく、実績に基づいたノウハウを提供してもらえるのは大きなメリットになる一方、ロイヤリティの支払いがデメリットになるケースも少なくありません。
すべてのフランチャイズ本部にロイヤリティの支払いがあるわけではありませんが、基本的にロイヤリティの支払いがあることで、本部からのノウハウや商品などを提供してもらえます。
ロイヤリティは店舗の経営状況には関係なく、必ず支払わなければならない支出の1つです。売上が減ったタイミングや、利益が出なかった月であっても支払わなければいけません。
ロイヤリティは個人開業すればかからない支出です。そのため、加盟する対価としてロイヤリティの金額が適切な設定となっているかをしっかりと確認しておきましょう。
⑤解約後は一定期間同業種で起業ができない
一度フランチャイズ契約を解消した場合、自社が提供するノウハウを使っての競合を避けるため、一定期間は同業種での起業を禁止しているフランチャイズ本部もあり、これを「競合禁止義務」といいます。
業界や業種に対して強い思い入れがあったとしても、フランチャイズ本部が定めた期間は開業できません。
また、契約期間中に途中解消した場合、違約金の支払いが生じるケースもあるため、フランチャイズ契約の際には契約期間中の内容だけでなく、契約解消に関することもしっかりと把握しておくようにしましょう。
⑥取引先や仕入れ先に制限がある
メリットでもお伝えしたように、フランチャイズ本部は独自の仕入れルートを確保しており、安価で安定した商品の提供が実現します。しかし、逆に言えば取引先や仕入れ先などに不自由さを感じてしまうことも少なくありません。
例えば、安くていい取引先・仕入れ先を見つけたとしても、オーナーの一存で決定することはできず、利用するためには本部の了承が必要になります。
フランチャイズ本部の中には、それぞれの店舗ごとの仕入れなどを容認しているケースもありますが、基本的に取引先や仕入れ先を一括管理するのは本部です。発注数なども本部の指示などに従わなければいけないケースもあります。
以上、フランチャイズ加盟のメリット・デメリットを解説しました。
以下の記事では、フランチャイズ加盟が成功しやすい業種もご紹介しているので、併せてご参考ください。
フランチャイズを「複数」経営する場合のメリット・デメリットについてや多店舗展開については、以下の記事をご参考ください。
フランチャイズ加盟店としての事業の始め方
フランチャイズ加盟店として事業を始める際の基本的な流れを確認しましょう。次のステップで進めるのが一般的です。
- 加盟するフランチャイズ本部を決定する
- フランチャイズ契約を締結する
- 開業の準備を行う
- 店舗をオープンする
加盟するフランチャイズ本部を決定する
まずは、加盟するフランチャイズ本部を選びます。自身の興味やライフスタイルに合うかを考慮し、初期費用や毎月のコスト、黒字化までの期間、サポート体制、ブランド力などを確認して、自分に合ったフランチャイズ本部を見つけましょう。
フランチャイズ契約を締結する
加盟する本部を決定したら、実際にフランチャイズ契約を結びます。契約書に目を通し、本部に支払う加盟金やロイヤリティ、契約期間、違約金、競業避止義務の有無などをしっかり確認しましょう。不明点があれば、契約前に質問し、解決しておくことが重要です。
開業の準備を行う
開業に向けて、物件の選定、店舗作り、人材の採用などを進めます。フランチャイズ本部の指示に従いながら、サポートを活用して店舗のオープンに必要な準備を完了させましょう。多くの場合、開業前に本部が実施する研修を受けることになります。基本知識を学び、開業に備えましょう。
店舗をオープンする
準備が整ったら、いよいよ店舗をオープンし、運営を開始します。開業時に顧客を獲得することで、スムーズなスタートを切ることができます。本部からのマニュアルや指導に従いながら、顧客獲得のための販売活動を行いましょう。
フランチャイズ加盟する際の注意点3選
フランチャイズ加盟を検討している方の中には、どの本部を選べばいいか迷ってしまい決められないと悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか。フランチャイズ本部を決めるにあたり、特に見極めるべき大切な下記3つのポイントがあります。
【フランチャイズ加盟する際の注意点3選】
①初期費用が少ない業界・本部を選択する
②継続して集客しやすい業界・本部を選択する
③サポート体制が整った本部を選択する |
フランチャイズ本部の選択を失敗しないためにも、まずはここで紹介する3つのポイントについて正しく把握しておきましょう。それぞれの内容について、下記で詳しく紹介します。
①初期費用が少ない業界・本部を選択する
開業の際に一番考えるべきは初期投資です。初期費用が大きくかかりすぎてしまうと、回収するのに時間がかかってしまうだけでなく、運転資金に回す費用も少なくなってしまいます。
そのため、まずは初期費用が少ない業界や本部を選びましょう。フランチャイズ加盟する場合、加盟金が必要になりますが、加盟金無料で契約できる本部もあります。
また、必要な備品などを提供してもらえたり、必要な費用を負担してくれるケースもあるため、選ぶ本部により初期費用は大きく異なるのが特徴です。
さらに、無店舗型であれば物件取得費用などが必要ないため、その分の費用を抑えて開業できます。経営が途中で苦しくなってしまわないよう、まずは初期費用をできるだけ安くできるフランチャイズ本部を見極めてください。
②継続して集客しやすい業界・本部を選択する
開業後に継続して経営していくためには、途切れない集客が必須といえます。話題性があるお店の場合、開業と同時に多くの集客が見込めますが、数年後も同じようににぎわっているかどうかは不明です。
安定的に集客が見込めるのは、生活に密着した無くてはならない業種です。もちろん流行に乗ることも大切ですが、一過性で終わってしまうケースも少なくありません。
開業当初の集客が少なくても、徐々に増やし結果的に安定した利益を獲得できるようになれば経営を長く継続することが可能です。
フランチャイズ本部を選ぶ際は、話題性だけではなく、5年後・10年後も同じように経営し続けられるかどうかもしっかりと考えておきましょう。
③サポート体制が整った本部を選択する
フランチャイズ本部の最大の魅力は、なんといっても徹底したサポート体制です。しかし、本記事でもお伝えしているように、体制が整っておらず充分なサポートが受けられないケースも珍しくありません。
教育体制はしっかりと確立されているか、スーパーバイザーの力量頼みになっていないかしっかりとチェックしておきましょう。
また、店舗経営の中で気になる点や疑問などがある場合、問い合わせしてすぐに対応してもらえるかどうかも重要視すべきポイントです。
以上がフランチャイズ加盟する際の注意点です。フランチャイズ加盟のリスクや、フランチャイズ契約におけるトラブル事例については以下の記事で解説しているので、そちらも併せてご参考ください。
まとめ
いかがでしたか?フランチャイズ開業は、多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。経営をうまくすすめていくためには、メリット・デメリットの双方を正しく知っておかなければいけません。
また、加盟する本部を選ぶ際にも、正しい情報を把握しておかなければ、開業後に「こんなはずじゃなかった」といった状況に陥ってしまうこともあります。
「費用が安い」「やりたい業種」なども大切なポイントですが、安易な考えでフランチャイズに加盟しないよう、本記事でお伝えしたメリット・デメリットをしっかりと理解しておきましょう。
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この記事の信頼性
BBSインターナショナル株式会社
代表取締役
川口 毅
2002年、慶應義塾大学経済学部卒、大手広告代理店に入社。
その後メンタルコーチへのキャリアチェンジを経て、
2013年にNBCインターナショナル(株)に入社、フランチャイズの加盟店開発を専業とする。
2016年、同社取締役就任。2018年に事業部を分社化してBBSインターナショナル(株)を設立し、代表取締役就任。
フランチャイズの展開コンサルティングを主軸とし、フランチャイズ本部構築や、新規ビジネスの資金調達支援も行っている。